ショップで手に入る小動物には、皆さんはどのような種類を思い浮かべるでしょうか?
一般的にはチンチラやハムスター、小鳥などが考えられますよね。
最近では、ネットや小動物専門のカフェでもハリネズミを目にする機会が増えてきました。特に動画で見る彼らは、人懐っこい姿を見せてくれてとても愛らしい印象を持たれます。
しかし、ハリネズミは本当に人になつくのでしょうか?
実際のところ、その答えは「なつく」ではなく「慣れる」ということです。
個体による違いはあるものの、ハリネズミは基本的に非常に臆病な性格を持っています。それに加えて、飼育環境についても注意すべき点がいくつか存在します。
これからハリネズミを飼おうと考えている方には、「可愛いから」という単純な理由だけでなく、ハリネズミに関する知識をしっかりと身につけた上でお迎えしてほしいと思います。
ハリネズミの種類
日本で飼われているハリネズミの中で主に見られるのは「ヨツユビハリネズミ」という種類です。名前には「ネズミ」と入っていますが、実際にはモグラの仲間に属しています。
ハリネズミには、針や目の色の組み合わせによって100種類以上のカラーが存在しますが、特に人気のある色は4つに絞られます。ハリネズミの価格帯は15,000円から40,000円程度ですが、人気のカラーほど価格は高めになります。
- ソルト&ペッパー(スタンダード)
- シナモン
- アプリコット
- アルビノ
ソルト&ペッパー
おそらく一番よく見かけるのが、この白黒のハリネズミです。お腹は白く、目と鼻は黒色をしています。流通量が豊富なので、価格は20,000円弱で購入することができます。
シナモン
このハリネズミは、白い針にシナモンのような明るい茶色の針が特徴的です。肌の色はピンクで、鼻もピンクがかった茶色です。
アプリコット
アプリコットは、シナモンよりもさらに明るく、黄色に近い薄茶色の針を持っています。ピンクの鼻と赤い目がとても可愛らしく、シナモンやアプリコットは両方とも人気が高く、価格は約25,000円程度となります。
アルビノ
このアルビノは真っ白な体に赤い目を持っています。可愛らしい外見ですが、遺伝的な異常から生まれるため、体が弱い傾向があり、定期的な健康診断が必要となります。
さらに、シナモンとアプリコットの中間的な色合いのシニコットや、珍しい模様を持つパイド、真っ白で黒い目をしたホワイトなども存在します。レアなアルビノは約30,000円、パイドは約40,000円程度です。
ハリネズミの飼育に必要なもの
ハリネズミをお迎えするために必要となるアイテムは以下の通りです。また、ハリネズミが安心して過ごすためには、飼い主の匂いを覚えてもらうことが大変重要です。必ず、ハリネズミをケージに入れる前に、飼い主の匂いのついた布を入れておくことが大切です。後から匂いを入れると「知らない匂いが入ってきた!」と感じてしまいますので、最初に行うことが非常に重要です。
- ケージ
- ハウス
- エサ、水入れ
- 床材
- 回し車
- ヒーター
・ケージ
金網製のものもありますが、ガラスやアクリル製のケージが中が見やすく、人気があります。前面が大きく開くタイプはお世話がしやすいのでおすすめです。また、保温性の面でも金網よりも優れています。
・ハウス
ハウス(寝床)は、ハリネズミが安心できる場所となりますので、必ず設置してあげてください。ハリネズミはモグラの仲間のため、暗い場所を非常に好みます。
・エサ、水入れ
エサは硬さや大きさによってはふやかしてあげることがあります。また、水入れには水切りの穴が付いたものが便利です。ハリネズミがひっくり返さないように、少し重めのものを選ぶことがポイントです。水入れはお皿よりもボトルの方が衛生的で、前足を突っ込むことがないためおすすめです。
・床材
コーンリターや広葉樹マットが一般的に使われています。ただし、たまにヒノキなどの針葉樹アレルギーを持つ個体がいるため、飼っているショップで事前に確認しておくと良いでしょう。
・回し車
ハリネズミは非常に運動量の多い生き物ですので、ストレス発散や運動不足解消のために、ぜひケージ内に回し車を設置してあげてください。30cm以上のものを選ぶと、背中が反らなくて済みます。また、柵で囲った部屋でお散歩をする「部屋んぽ」も行ってあげると、喜んでくれるでしょう。
・ヒーター
寒さに弱いハリネズミには必需品です。ハリネズミにとっての適温は20℃から30℃ですので、飼い主が不在の間も冷暖房で環境を調整してあげてください。夏場も熱中症に気をつける必要があります。アルミやテラコッタ製のひんやりマットも役立ちますよ。
ハムスターやフェレットとは異なり、ハリネズミを診察してくれる病院は意外と少ないため、事前に調べておくことが安心につながります。
ハリネズミを飼う注意点
ここからは、ハリネズミを飼う際に特に気をつけてほしい点についてお話しします。これらの条件をクリアできない場合は、ハリネズミの飼育を再考した方が良いかもしれません。
温度調整 ※超重要
ハリネズミの適温は20℃から30℃ですが、温度が高すぎると夏眠し、逆に低すぎると冬眠に入ってしまいます。一度眠りに入ると自力で目覚められないことがあり、体力を大幅に消耗してしまい、最悪の場合命に関わることもあります。エアコンやペット用ヒーターを使って、適切な温度を維持することが重要です。
虫エサ
特に女性の方には虫が苦手な方が多いかもしれませんが、実はハリネズミはミルワームという虫が大好きです。生きた餌の方が栄養価は高いですが、乾燥タイプも存在するため安心してください!彼らはサクサクと美味しそうに食べてくれます。
ダニ
ハリネズミはダニによる皮膚炎にかかりやすい傾向があります。ケージ内を清潔に保つことに加え、抜け毛やかゆがっていないかをチェックしてあげることが大切です。ダニ症は自然に治ることはありませんので、早急に病院に連れて行く必要があります。また、定期的に爪切りを行い、引っ掻いたときに自身を傷つけないように配慮してあげてください。
グルメ
ハリネズミは本当にグルメな生き物です。毎日同じものを食べていると、突然食べなくなることがあります。偏食を続けると、最終的には自分の健康を損なうこともありますので、フードは何種類か用意してあげることが望ましいです。ささみや野菜も食べることができますが、タマネギなどNGな食材もあるため、事前に調べてから与えるようにしましょう。
ハリネズミは初めてのものを食べると、唾液を泡状にして吐き出し、舌を使って体に塗りつける「アンティング」という行為を行います。急にワイルドな行動を見せるので、初めて見ると驚くかもしれません。飼い主としては汚れが気になるため、お風呂に入れてあげたくなるかもしれませんが、お風呂は月に1回程度にとどめてあげてください。また、お風呂の後はしっかりと水分を拭き取って、体温が下がらないように配慮しましょう。

まとめ
どのようなペットでも言えることですが、可愛いという理由だけで飼うのはリスクが大きすぎます。しっかりと相手の特性や性格を理解した上で飼うよう心がけてください。
ハリネズミは根気強く接することで、飼い主の声や匂いを覚えることができ、意外と鳴いたり針を立てることで感情を表現することもあります。
たとえなつかないとしても、ただ見ているだけでも心癒されるハリネズミ。興味を持たれた方は、ぜひ家族の一員としてお迎えを検討してみてはいかがでしょうか。
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