買ってはいけない?!暮らしのトラブル対応サービス

郵便受けの中に、「トイレが詰まったり漏水した時にはお電話ください」といった内容の裏面がマグネットになっているチラシが入っていること、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。「何かあった時に役立つかもしれない」と思い、冷蔵庫などにそのマグネットチラシを貼り付けている方も多いかもしれません。しかし、実際にそのようなトラブルが発生した際に、そのサービスを利用するべきなのか、それとも控えるべきなのか、悩むところです。

悪質な業者には注意が必要

トイレが詰まってしまったり、パイプからの漏水が止まらなかったり、さらには鍵を失くして家に入れないというような日常生活のトラブルが発生すると、誰でも慌ててしまい、冷静さを失ってしまうことがあるでしょう。そんな時に迅速に駆けつけてくれた修理業者は、まるでヒーローのように思えるかもしれません。しかしながら、その消費者心理を利用して、法外な料金を請求したり、必要のない商品を売りつけたりする悪質な業者も存在するため、十分な注意が必要です

必要のない措置を勧められることがある

たとえば、トイレの詰まりを解決するために業者を呼んだ際、「強力な洗浄薬を使ってパイプをきれいにしなければならない」と言われ、家の周囲の地面を掘り返してパイプの状態を調べるふりをしながら、「この長さだと●万円かかります」と告げられることがあります。

実際には、トイレの詰まりは「すっぽん」として知られるラバーカップという道具でほとんどの場合解決できるものであり、それを試すことなく、いきなりパイプの洗浄や建物外部の配管調査を行う時点で、確実にインチキだと言えます。予想外の高額な費用に驚いてサービスを断ると、「出張費や調査費用として●万円をお支払いいただく必要があります」と、またしても法外な金額を請求してくるのです。明細を求めると、その内容は「配管状態確認」や「現地調査費用」といった根拠のない項目ばかりで構成されていることが多いのです。

部品などの交換が必要だと言われることがある

また、「●●の部品が壊れていて、この部品はすでに製造が中止されているため、本体ごと交換しなければならない」と言われるケースもあります。もちろん、それが本当のことであることはほとんどありません。実際には、部品の製造中止などは多くの場合嘘であり、交換を提案されること自体が不正な場合が多いのです。

それでも、「本体ごと新しくなるならまあいいか」と思ってしまうかもしれませんが、その本体の購入費用がまた非常に高額であったり、さらに高すぎる作業料金が追加されることもあります。このように、「ぼったくり業者」と呼ばれる存在があり、トラブルが発生するケースが多いため、消費者庁や国民生活センターも、ウェブサイトやチラシなどを通じて注意喚起を行っています。

他にこんな手口も

「鍵を紛失してしまい、業者に解錠を依頼したところ、出張作業料として10万円請求された。払えないと告げると、『お宅の鍵のコピーを作って空き巣に販売することもできる』と脅された」という被害も報告されています。

「無料水質検査に来たと言われて作業を依頼したところ、『飲料水の基準を満たさないほど水質が悪い。浄水器を取り付ければ基準をクリアできる』と告げられ、浄水器の取り付けで5万円の費用を請求された」という例もあります。また、「風呂の排水溝が詰まったので修理業者を呼んだところ、『床下の排水管にひび割れがあるので交換が必要です』と言われ、工事費用として30万円を請求されたが、後日別の業者に調査してもらったところ元の排水管に防水パテを塗っただけだった」といったケースもあります。

こうした詐欺行為の被害に遭うのは特に高齢者が多く、わざわざ高齢者をターゲットにしている悪徳業者も存在します。もちろん、全ての業者がこのような不正行為を行っているわけではありませんが、もし住まいにトラブルが発生した場合は、信頼できる業者を知り合いから紹介してもらうなどして相談することが重要です。悪質な業者のサービスは、決して利用してはいけません。

悪徳業者にだまされないためには

もし紹介してもらえる業者がない場合は、契約している火災保険などに住まいのトラブル解決サービスが付帯していることがあるため、確認してみることをお勧めします。このようなサービスを利用すれば、作業内容によっては無料で対応してもらえることもありますし、有料であったとしても、保険会社と提携している業者であれば詐欺に遭う心配も少なくなります。

残念ながら保険にもそのような付帯サービスがない場合や、どうしても自分で調査しなければならない状況にある場合には、以下の点に注意しましょう。

・業者に訪問を依頼する前に、電話などで作業内容や費用について詳細に確認することが重要です。「とりあえず行ってみないとわからない」と言われた場合でも、たとえば出張費用がどのくらいかかるのか、主要なケースにおける標準的な見積もりはどれくらいかなど、遠慮せずに尋ねましょう。その段階で曖昧な返答をする業者であれば、訪問を断るのが良いでしょう。

・もし無料またはあまりにも低価格なサービスが提示された場合には、その信頼性を疑うべきです。業者もボランティアではありませんので、サービスを提供するには一定の費用が必要であるはずです。

・作業前には必ず明細付きの見積もりを取得し、その内容を確認しましょう。見積もりの中に疑問点があれば、しっかりと説明を求めることが大切です。

まとめ

以上で本記事を締めくくります。住まいにトラブルが発生した際には、焦って早急にサービス業者を頼みたくなる気持ちが理解できますが、悪質な業者にだまされないためにも、信頼のおける業者に依頼するか、事前にしっかりと契約内容を確認することが重要です。

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