女性にとって欠かせない生理用品ですが、その中には使用時に特に注意が必要な製品が存在することをご存知でしょうか?この記事では、購入を避けるべき生理用品とその理由について詳しく解説していきます。
買ってはいけないタンポン
女性の体には毎月生理が訪れます。この生理のタイミングが長時間のドライブや旅行と重なってしまうと、気持ちが憂鬱になり、トイレのことばかり考えてしまうため、せっかくの旅行が思うように楽しめなくなってしまうこともありますよね。そんな状況で、多くの女性が利用するのがタンポンです。タンポンは装着している感覚がほとんどないため、非常に快適ですが、一方で、重大な疾患を引き起こす恐れがあることをご存知でしたか?今回は、その危険性について詳しく紹介します。
TSS(トキシックショック症候群)とは?
TSS、すなわちトキシックショック症候群は、体内で黄色ブドウ球菌が繁殖することが原因で発症します。黄色ブドウ球菌が増殖すると、敗血症の一形態であるTSSを引き起こすことがあり、TSSが発症すると、短時間で非常に重篤な症状が現れることがあります。黄色ブドウ球菌が繁殖する理由には、手指が不潔であったり、タンポンを長時間連続して使用したり、取り出しを忘れてしまったりすることが含まれます。TSSは非常にまれな疾患ではありますが、一旦発症すると以下のような症状が急激に現れることがあります。
– 急な発熱
– 吐き気
– 日焼けのような発疹
– めまい
– 低血圧
– 意識混濁
– 下痢
– 多臓器不全
このような症状が短時間で現れるため、長時間タンポンを使用していた場合は、TSSの可能性を考慮し、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。
両足を切り落としたモデル
実際にTSSにかかった場合、どのような事態が起こるのでしょうか。ここでは二つの事例を紹介します。2012年、カリフォルニアに住むローレン・ワッサーさんは、タンポンを所定の使用時間内で使用していたにもかかわらず、急激に体調が悪化し、ベッドに倒れ込むように寝てしまいました。連絡が取れないことを心配した母親が電話をかけても、彼女はあまりの体調不良で救急車を呼ぶ余裕もなく、意識を失って病院に運ばれたときには、すでに多臓器不全に陥っており、心臓発作を起こしていました。もし救急車が到着するのが10分遅れていたら、命を落としていた可能性もあると言われています。多臓器不全が生じたため、彼女の末端神経まで酸素や血液が行き渡らず、その結果、モデルとしてのキャリアを持つ彼女は両足を切断しなければならないという悲劇的な結果になってしまったのです。
死亡した女子高生
2017年、カナダ在住のサラ・マニトスキさんは修学旅行中にTSSにより命を失いました。日中は元気に学校行事に参加していたものの、夕方になると具合が悪くなり、下腹部の痛みを訴えて早めに就寝したとのことでした。そして翌朝、彼女が起きてこなかったため確認したところ、すでに心肺停止の状態だったそうです。下腹部の痛みは生理痛としてよくある症状であるため、TSSだとは思わずに放置してしまうケースは十分に考えられます。
経血カップも危険
ここまでタンポンの危険性について触れてきましたが、膣内に装着して使用する生理用品はすべてTSSを引き起こす可能性があります。エシカルな生活やミニマリストの影響で、廃棄物が出ない、何度でも使用可能な経血カップが注目を集めています。この経血カップは医療用シリコンで作られており、繰り返し洗って使うことができます。しかし、タンポンと同様に、膣内に長時間(8~12時間連続使用可能)留まるため、黄色ブドウ球菌が繁殖するリスクは変わらないのです。経血カップを使用する際にも、十分に注意を払う必要があります。
タンポン、経血カップを使うならどうすればいい?
ここまで、タンポンや経血カップの危険性についてお伝えしてきましたが、これらの生理用品をどうしても使いたい場合は、どのようにすれば安全に使えるのでしょうか?
手指を清潔にする
まず最初に行うべきは、生理用品を使用する前に手指を清潔にすることです。トイレの後に手を洗うのは常識ですが、トイレをする前に手を洗うことはつい忘れてしまうこともあります。すでに個室に入ってしまった場合は、携帯用のアルコール消毒でも構いませんので、手を清潔にしてから生理用品を交換することが大切です。また、経血カップの場合は、使用後にカップ自体の消毒も必ず行うようにしましょう。
使用時間を守り、最低限の使用にとどめる
タンポンや経血カップを使う際にTSSが発症する原因の一つは、長時間の使用です。そのため、使用を最小限にとどめ、生理が特に重い2、3日目だけ使用する、あるいは外出時のみ利用するなど、長時間の連続使用を避けることがTSS発症の予防に非常に効果的です。
買ってはいけない生理用品まとめ
TSSは100万人に一人の確率で発生すると言われており、過度に心配する必要はありません。しかし、生理用品を使用する女性には、誰にでもTSSが起こる可能性があることを忘れてはいけません。TSSを発症した場合、多くのケースでは、最初は重い風邪のような症状と思い込み、寝込んでしまうことが多いそうです。気が付いたときには、容態が悪化していることが一般的です。万が一TSSを発症してしまった場合でも、早期に発見し、黄色ブドウ球菌を殺す抗生物質やその他の医薬品を使用することで治療が可能です。まずは、定められた使用時間を守り、必要最低限の使用にとどめることが重要です。もし、使用中に体に異変を感じたり、タンポンや経血カップを長時間使用していた場合は、TSSの可能性を考慮し、早急に医療機関を受診することを強くお勧めします。
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