超広角レンズとは
超広角レンズというのは、通常の広角レンズ(焦点距離が約24mmから35mm程度)よりもさらに焦点距離が短く、一般的には24mm未満のレンズを指します。このようなレンズを使用することで、より広い視野を捉えることができ、特に風景や建築物の撮影において非常に有効です。
ただし、広角レンズや超広角レンズを使用する際には注意が必要です。特に、レンズの端の部分では、スピーカーなどの直線的な被写体が歪んで写ることがあるため、撮影時にはその点を意識しておくことが重要です。
超広角レンズのメリット・デメリット
超広角レンズの利点
- 人間の視野角を超える広い範囲を撮影することができるため、壮大な風景を捉えるのに適しています。
- 撮影場所が狭く、後退できない状況でも広範囲を捉えられるため、実用的です。
- 奥行き感が強調され、遠近感が際立つため、印象的なパースのある写真が撮れます。
- 被写界深度が深く、広い範囲にピントが合いやすいので、全体をクリアに捉えられます。
- 広角や超広角レンズを使うことで、手ぶれが目立ちにくく、動画撮影がスムーズに行えます。
超広角レンズの欠点
- レンズの端に近い部分では被写体が歪んで写ることが多いです。
- 歪みが大きいため、特に人物の顔を撮影すると不自然に見えることがあります。
- 被写体との距離が近くなりすぎると、圧迫感を与えてしまう可能性があります。
- 被写界深度が深い分、背景がボケにくく、特に主題を際立たせるのが難しいです。
- 広範囲を撮影するため、背景に物が多すぎると写真が散漫になりやすいです。
- 広い範囲を収めるため、構図を考えるのが難しくなることがあります。
なぜ超広角レンズが、おすすめできないのか?
超広角レンズの利点と欠点について述べましたが、特にポートレート(人物)撮影においては、顔が歪むリスクが高く、また被写体との距離が近くなるため、圧迫感を与えてしまう可能性が高いです。このような状況では、良好なコミュニケーションが難しくなります。
モデルを雇って撮影する際にも、被写体との距離が近すぎると、相手に不快な思いをさせてしまうことがあるため、注意が必要です。
超広角レンズにおすすめの撮影
超広角レンズを用いて撮影する際には、特に画面の上半分または下半分に大きな空間を作るという点に注意が必要です。これにより、写真に広がりと奥行きを持たせることができます。
広大な風景を撮影する際は、水平線と垂直線を意識することが非常に重要です。これらが狂ってしまうと、「この写真は歪んでいる」と感じられたり、視覚的に不快感を与えることがあります。
パース(遠近感)を利用することも多いと思いますが、水平と垂直に気を配るだけでなく、奥行きを持たせる収束点が適切に設定されているかも大切な要素です。見た人が自然に視線を追っていけるように、目線の先に明確なゴールを作ることが必要です。
例えば、森の中で木々を撮影する際には、下から見上げることで木々の先端が収束ポイントとなります。このようにして、視線を導くためのポイントを意識するのが効果的です。この際、近くのものにピントを合わせるのではなく、木々全体に焦点を合わせることがポイントです。
超広角レンズは被写界深度が深いので、背景がボケにくい特性がありますが、意識して撮影することで良い結果が得られます。建物を撮影する際にパースを活用する場合、道路などをリーディングラインとして使うことで、視線が誘導され、遠近感が強調される効果があります。
このように超広角レンズを使う際には、視線の先に収束点があるかどうかを確認することが大切です。また、前景と後景のバランスを考慮することも重要です。前景には後景にある建物や被写体とは異なる色や形のものを配置すると、奥行き感が生まれます。しかし、似たような被写体を配置してしまうと、遠近感が失われてしまうため注意が必要です。
別のテクニックとして、カメラをローポジションに設定し、足元を写すことで臨場感を演出することもできます。例えば、低い位置から山岳道を捉えると、よりその場の雰囲気が伝わる写真が撮れるでしょう。もし山岳道がなく、斜面だけの場合は、普通に撮影すると上下が分かりにくくなることがありますので、自分自身や友人を入れるなどの工夫が必要です。
カメラ初心者には、一般的な標準レンズがおすすめ
このように、超広角レンズをカメラ初心者が扱う際には難しい点がいくつかあります。超広角レンズは、人間の視野角を超える広い範囲を捉えることができる反面、撮影した際に構図が想像しづらく、さまざまな要素が写り込みすぎてしまい、まとまりのない写真になってしまうことが多いのです。
初心者の方には、まずキットレンズ付きの一眼レフカメラから始めることをお勧めします。これにより、構図や絞り値、ISO感度といった基本的な知識を学ぶことができます。
構図は一見簡単に見えるかもしれませんが、実は非常に難しいものであり、何も考えずに撮影すると「この写真は素人っぽい」と感じさせる結果になってしまうことがあります。どんな分野でも同様ですが、少しずつ工夫を重ねながら撮影を行うことで、より良い結果が得られ、上達していくことができます。
まとめ
はっきり言って、カメラ初心者にとって超広角レンズは非常に扱いづらいものです。最初はキットレンズ付きのカメラを使い、写真の基本を学ぶことから始めましょう。
特に、ただ撮影するだけではなく、意識を持って構図を考えることが重要です。超広角レンズを使用する際には、リーディングラインやローポジションといったテクニックに注意を払い、視線を考えた収束点を画面上に設定することが必要です。視線の先にゴールを設けることで、より自然な構図の写真が作れます。
ローポジションを取り入れることで、臨場感を引き出すこともできます。このような小さな工夫が、あなたの写真を美しく仕上げる秘訣です。皆さんも、まずはキットレンズで技術を磨いた後、超広角レンズに挑戦してみてください。
コメント