ニンニクは買ってはいけない?

私たちの日常の食生活で非常に身近な存在である「ニンニク」。

料理に加えると風味が一層豊かになり、日々の食卓での利用機会も多いのではないでしょうか。

その独特の香りと風味は食欲を刺激し、さまざまな効果や効能があるとされています。

しかし、その「ニンニク」が体調不良の原因となることがあるということをご存知ですか?

この記事では、ニンニクに潜む危険性について詳しくご紹介していきます。

ニンニクの主成分

ニンニクの主な成分には、アリインアリナーゼアリシンジアリルジスルフィドアホエンアリチアミンスコルジニンゲルマニウム、メチルアリルトリスルフィドなどが含まれています。

その中でも特に「アリイン」という物質は他の野菜に比べて圧倒的に多く含まれています。ニンニクを擦り下ろしたり切ったりすることで、酵素と反応し「アリシン」が生成され、このアリシンがニンニク特有の香りの元となります。

さらに、ニンニクには抗酸化作用を持つスコルジニンや、身体の調子を整えるビタミンB群やビタミンCなどの栄養素も豊富に含まれています。

したがって、ニンニク一つで多くの種類の栄養素を効率的に摂取できる非常に優れた食材なのです。

しかし、優秀な食材とされているものでも、過剰に摂取することで体に悪影響を及ぼすことがあるということを覚えておいてください。

食べ過ぎによる体への影響

焼肉やバーベキューなどで、ニンニクを丸焼きにして楽しむ方も多いかもしれません。

その際、うっかり食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。また、普段からニンニク料理を頻繁に食べている方も注意が必要です。

悪影響①体臭

ニンニクに含まれる香りの成分は腸から吸収され血液に入ります。その結果、全身に運ばれ、汗として体全体から臭いを発生させることになります。

体臭は、これらの成分が完全に代謝されるまで消えず、24時間以上続くこともあります。

食べる量が多くなると、当然その分臭いも強くなってしまうため、注意が必要です。

悪影響②赤血球の破壊

「アリイン」の成分は、ホイル焼きのように丸ごとニンニクを食べることで「アリシン」に変化することなく、体内に「アリイン」として吸収されてしまいます。

これが大量に体内に取り込まれると、血中の赤血球の大部分を占めるヘモグロビンが減少し、さらに赤血球を破壊することで血圧低下貧血めまい嘔吐といった症状を引き起こす原因となります。

悪影響③胃腸の不調

ニンニクに含まれる「アリシン」は強力な殺菌作用を持つ成分ですが、非常に強い刺激性も持っています。

腸内の悪玉菌だけでなく善玉菌も殺してしまうため、腸内環境を悪化させ、腹痛や下痢、便秘などの症状を引き起こす恐れがあります。

また、強烈な刺激により胃腸の粘膜が傷つき、胸やけや腹痛などの不快な症状を引き起こすこともあります。

特に元々お腹が弱い方は、下痢などの症状が出やすくなるため、十分に注意が必要です。

食べ過ぎの基準は?

どの症状も、過剰摂取によって引き起こされる危険性がほとんどです。

適量であれば基本的には害がない食べ物です。

一般的にはニンニクの過剰摂取は「10片以上」または「50g以上」とされています。

適量は個人差がありますが、生の状態では5〜7g(1片)、加熱した場合は10〜15g(2片)を1日分と考えれば、過剰摂取にはならないでしょう。

ただし、ニンニクの成分は2〜3日体内に残るため、「おいしいから」と言って毎日食べることは避けた方が賢明です。

ニンニクの摂取に注意が必要な人

①小さい子供

子どもは体が小さいため、適量は成人よりも少なくなります。1日あたりの摂取量は成人の半分程度です。幼児期は消化器官が未熟なため、嘔吐や腹痛、下痢などを起こしやすいので特に注意が必要です。

②体質に合わないことも

どんなに気を付けていても、ニンニク自体が体質に合わない場合もあります。

少量しか食べていないのに腹痛や下痢を引き起こす方や、ニンニクに対してアレルギー反応を示す方もいます。ニンニクを摂取して息苦しさや身体のかゆみ、発熱などを感じた場合は、専門医の検査をお勧めします。

③妊娠中

ニンニクの過剰摂取は、出血が止まりにくくなることがあるため、妊娠中の女性は特に注意が必要です。また、ニンニクの影響による吐き気や下痢は、お腹に強い負担をかけることになるため、危険な場合があります。

④授乳中

授乳中にニンニクを多く摂取すると、母乳の匂いや味が変わる可能性があります。そのため、赤ちゃんが母乳を嫌がり、飲まなくなることもあります。

ただし、母乳の成分自体に変化があるわけではないため、子どもに直接的な影響はありません。

ニンニクによる良い効果

ニンニクは過剰に摂取すると悪影響がある一方で、適量を摂取すれば体に嬉しい効果も期待できます。

心臓病のリスク低下

ニンニクを食べることで、血圧を調整したり、コレステロール値を低下させることが可能です。

ニンニクの有益な効果を最大限に引き出すためには、ニンニクを調理する際は細かく切り刻み、生のままや軽く加熱するだけにしておくことをお勧めします。

免疫力を上げる

ニンニクは免疫力を高める効果がある食品として知られています。

にんにくに含まれるアリシンや硫化アリル類は強力な殺菌作用を持ち、免疫力を向上させる手助けをしてくれます。

これにより、ウイルスや細菌から体を守り、風邪をはじめとしたさまざまな病気の予防に役立つのです。

冷え解消

ニンニクは冷えの解消にも効果があります。

ニンニクを摂取することで血液がサラサラになり、手足の末端まで血液がしっかりと行き渡るため、血行が促進され冷えの改善が期待できます。

冷えによるむくみがある方も、ニンニクの摂取によってむくみが改善される可能性があります。

動脈硬化予防

ニンニクに含まれるアリシンという成分は、血流を改善し、善玉コレステロールの増加にも寄与します。

動脈硬化は血流の悪化や悪玉コレステロールの増加が原因で進行するため、ニンニクの摂取によって動脈硬化の予防が期待できるでしょう。

まとめ

さまざまな良い効果が期待でき、体にポジティブな影響を与えるニンニクですが、一度に大量に摂取することで危険な食材に変わることもあります。

ニンニクが大好きだからといって、大量に食べることは避けるべきです。

また、妊娠中の方や小さなお子様の摂取には特に注意が必要ですので、少量を定期的に摂取するのが理想的です。

ついつい食べ過ぎてしまう方は、ニンニクを買いだめしないように心掛けましょう。

健康上のメリットが豊富なニンニクですが、正しく適量を摂取して、健康維持に役立ててください。

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