カメラ・レンズ保管はドライボックスではいけない。防湿庫をお勧めします。

ドライボックスとは

カメラのドライボックスとは、乾燥剤を利用して電気を使用せずに手軽に乾燥を行うことができるボックスのことです。このドライボックスは、特にカメラやレンズの保管において重要な役割を果たします。

では、なぜカメラやレンズを乾燥させる必要があるのでしょうか。それは、湿度が高い環境ではカメラが腐食し、レンズにカビが発生する危険性があるからです。高価なデジタル一眼レフカメラを手に入れたとしても、適切な保管方法を守らなければ、レンズにカビが生えてしまうことがあります。

レンズにカビが生えるのはどうして?

レンズにカビが発生する理由は、湿度が60%から80%、気温が25度から30度の条件下ではレンズの表面に付着した汚れや皮脂が栄養源となり、カビが繁殖しやすくなるからですこのため、カメラやレンズの保管環境は湿度35%から50%を維持する必要があります

もしもカメラやレンズを押し入れやカメラバッグにしまいっぱなしにしていると、次第にカビが繁殖してしまい、最終的には使用できなくなる恐れがあります。

ドライボックスの良いところ・悪いところ

ドライボックスの利点は、導入コストが低く、手軽に始められる点です。約1,500円程度で購入でき、乾燥剤を定期的に交換することで電気を使わずに故障の心配もなく、長期間使用することが可能です

さらに、そのサイズは小さく、コンパクトなので、収納スペースを取らないのも大きな魅力です。もし機材が増えた場合でも、手軽に追加のドライボックスを購入することができます。普段から防湿庫を使っている方が、機材が増えた場合の緊急措置としてドライボックスを追加で購入することもあります。

一方で、悪い点としては、防湿庫のように湿度を一定に保つことができないという点が挙げられます。部屋の湿度が変動すると、それに応じてドライボックス内の湿度も変動してしまいます。乾燥した日には、ドライボックス内の湿度計を確認すると、20%以下に達することもあります。

部屋用の湿度計があると、大気の湿度を把握でき、乾燥状態かどうかを判断する手助けになります。

湿度が低すぎるとカメラ・レンズはどうなるか?

ところで、湿度が低すぎるとどのような問題が生じるのでしょうか。それは、カメラやレンズの接着部が劣化して剥がれてしまう可能性があるからです。さらに、レンズのコーティングやゴム部分も傷むため、湿度管理は極めて重要です

その他の欠点として、ドライボックスが増えると湿度管理が一層複雑になることや、複数のドライボックスを持つ場合、どれに何が入っているか把握しづらくなることがあります。また、中身がスカスカの状態だとレンズが動き回り、ぶつかって傷がつく可能性もあります

乾燥剤は定期的に交換する必要があり、防湿庫のように電源を入れて湿度設定を行うだけでは済まないという点も理解しておくべきです。

カメラ・レンズに最適な湿度

カメラやレンズにとって最適な湿度は、前述の通り35%から50%の範囲です。たとえレンズが非常に清潔であっても、湿度が60%から80%、気温が25度から30度の条件下ではカビが発生しやすい状況になります

初めてカメラを購入された方は、カビの発生を防ぐためにも、湿度管理をしっかり行うことを強くお勧めします。カビが生えてからでは手遅れです。

お勧めは防湿庫

お勧めしたいアイテムとして、電気代はかかりますが防湿庫があります。この防湿庫には乾燥剤式とペルチェ素子式の2つのタイプが存在しており、特に乾燥剤式の防湿庫がよく推奨されています。なぜなら、電気代は1日あたり0.5円から1円程度と非常にリーズナブルだからです。

乾燥剤式の防湿庫は、乾燥剤の交換が不要であり、約20年の寿命を持つため、とても経済的です

一方で、ペルチェ素子を利用した防湿庫は、冷却板で結露を発生させ、それを放熱板で蒸発させることで湿度を一定に保つ仕組みです

防湿庫を使うと良い理由

防湿庫をお勧めする理由は、コンセントに接続するだけで湿度管理を自動で行ってくれるため、非常に楽に使用できる点です。ドライボックスのように、頻繁にふたを開け閉めして湿度を調整する必要がありません。

電気代も月々わずか15円から30円程度で済むため、負担になりません。また、防湿庫にはコンセント付きのモデルもあり、カメラを充電しながら保管することも可能です。さらに、光触媒機能が備わっているものもあり、抗菌や脱臭効果が期待できるため、カビや汚れの付着を防ぐことができます。

静音性も考慮されており、夜間に使用しても音が気になることはありません。

ただし、ペルチェ素子タイプの防湿庫は、乾燥剤式に比べて寿命が3年から10年と短いのがデメリットです。防湿庫を購入する際は、乾燥剤式を選ぶことをお勧めします。

まとめ

カメラやレンズは、押し入れやカメラバッグに保管しているとカビが発生し、腐食につながります。それを防ぐために必要なアイテムがドライボックスや防湿庫です。

ドライボックスは非常に安価で、約1,500円程度で購入できるため、手軽に導入できます。それに対して、防湿庫は数万円の投資が必要ですが、一定の湿度を維持し、確実にレンズのカビを防止してくれます。

ドライボックスを使用する際は、湿度が低すぎる場合にはふたを開けて湿度を上げるなどの調整が必要です

特に、カメラやレンズはカビが生えやすい5月から10月の間には、より一層の注意が求められます

確実にカビを防ぎたいのであれば、一定の湿度を保てる防湿庫をお勧めします。その中でも、電気代が安く、静音性があり、寿命が20年と長い乾燥剤式の防湿庫が特にお勧めです。

もしレンズにカビが発生してしまった場合、専門の修理業者に依頼する必要があり、その修理代は相当な額になることが予想されます。

自力でカビを取り除こうとすると、レンズに傷をつけてしまう可能性が非常に高いため、手遅れになる前に、事前にカビ防止対策を行うことが重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました