買っても使えない?買ってはいけないカセットボンベ発電機

子供のころ、電池を使って小型のモーターを回し、車のおもちゃを動かした経験はありませんか?

実は、そのモーターは逆に、軸を回すことによって電気を生成することができるのです。

このメカニズムを利用して作られたのが発電機です。最近では、この発電機は小型化と軽量化が進み、災害時のみならず、アウトドアやキャンプでも非常に役立っています。

かつての発電機はガソリンを燃料としていたため、持ち運びが難しいという問題がありました。しかし、最近では携帯性に優れたLPガスやカセットガスを利用する発電機も増えてきており、選択肢が広がっています。

特に、家庭にあるカセットボンベを使って発電できるのは非常に便利です。給油の手間もなく、汚れる心配も少ないカセットボンベ発電機は、手軽に電気を提供してくれます。

ただし、便利さは感じられるものの、出力が小さいことや、長時間の使用に適さないことがあるため、状況によっては利用できないこともあります。

今回は、購入を避けるべきカセットボンベ発電機について詳しく考えてみたいと思います。

カセットボンベ発電機が選ばれる理由

カセットボンベ発電機は、いくつかのデメリットを抱えつつも、その人気は日々高まってきています。

人気の秘密① 「手軽さ」

災害時やイベントで使用するユーザーが増えたことから、「手軽さ」が注目されるようになりました。

カセットボンベ発電機は、保管しやすく、持ち運びも容易であり、「使いやすさ」も兼ね備えた特徴があるため、非常に適しています。

人気の秘密② 「スタイリッシュ」

昔ながらの発電機は、デザインが単調で、電源コードに引っ張られても転倒しないような形状が求められました。

一方で、カセットボンベ発電機はカラフルで、スリムであり、スタイリッシュなデザインが魅力です。

人気の秘密③ 「燃料の保管や管理が簡単」

たとえば、ガソリン式の発電機では、1か月以上使用しない場合は燃料を抜く必要があるなど手間がかかります。また、燃料の購入や保存も難しい場合があります。

しかし、カセットボンベの場合は、ボンベを取り外すだけで完了します。

さらに、スーパーマーケットなどで簡単に購入でき、直射日光や高温にさえ気をつければ、保管もそれほど気を使わずに済むため、多くの人に好まれています。

カセットボンベ発電機で家電製品は何でも使用できるのか?

お家のコンセントから家電製品を使用する際、電気の質について気にしたことはありますか?

パソコンやテレビなどの精密機器は、「正弦波」と呼ばれる滑らかな波形の電気で動作するように設計されています。

家電製品を使用する際には「正弦波」タイプが必要不可欠

工事現場や屋外で使用する際には、以前は単純な照明や工具類のモーター機器が多かったため、「電気の波形」を気にすることはあまりありませんでした。

しかし、発電機の使用が広がるにつれて、家庭用の電気製品を安全に使用するための電気を供給できる発電機の必要性が生まれました。

これが「正弦波」タイプのインバーター発電機の登場につながります。

日本製のカセットボンベ発電機はインバーターを搭載


「インバーター」とは、発電した電気を家庭用の電気製品が問題なく使用できるように、きれいな波形の電気、すなわち「正弦波」に変換する装置を指します。

この「正弦波」以外の波形の電気は、パソコンやデリケートな家電製品には適さず、使えないどころか、故障の原因になることもあります。

家庭での停電時やアウトドアに使用する発電機は、当然ながら家電製品が使用できることが求められますよね。

つまり、インバーターが搭載されていない発電機は、家電製品を使用する際には不適格な発電機と言えます。

最近のカセットボンベ発電機は、基本的にインバーターを搭載しているため、安心して使用できます。

電気の交流(AC)には、「正弦波」「擬似正弦波」「矩形波(方形波)」の3種類があります。
一部の製品では「正弦波」として販売されていても、実際には「疑似正弦波」の場合があるため、注意が必要です。

カセットボンベ発電機にはいくつかの弱点が存在します

カセットボンベという燃料の特性により、発電量や使用時間、使用環境によっていくつかの制限が生じます。

カセットボンベ発電機は、大量の家電製品や長時間の使用には不向き

ガソリンなどを燃料とする発電機と比較して、国内メーカーのカセットボンベ発電機は、発電能力が最大で700VAから900VAのものが多く見られます。

1VAは1wに相当するため、消費電力が大きい家電製品や、起動時に高い電力を必要とする機器には能力が不足し、さらに小型の機器でも数が多いと電力不足になることがあります。

つまり、カセットボンベ発電機を使用する際は、消費電力をしっかり考慮しながら、使用する家電製品を選ぶ必要があります。

さらに、携帯性に優れたカセットボンベ発電機は、2本のカセットボンベを同時に使用した場合でも、最大稼働時は燃料補充から約1時間程度しか持ちません。

他の燃料方式の発電機に比べ、一度の補充で数時間使用できるものが多い中、容量の小さいカセットボンベは交換の頻度が高くなります。

このため、カセットボンベ発電機は短時間の発電やアウトドアでの一時的な電源供給としての役割が大きいと言えます。

使用する電気製品を選定しないと、電力不足によって使えないという事例も出てくるでしょう。

したがって、ガスボンベ発電機は他の燃料方式と比べて、短時間利用や軽作業に適した発電機であることを理解しておくべきです。

カセットボンベは「寒さ」に弱いという特性

カセットボンベは、温度が10℃を下回ると気化しにくくなり、さらに気温が下がると必要なガスが供給されず、発電機が停止することもあります。

ただし、この弱点も、オプション装置を使用してカセットボンベを温めたり、液体状態でガスを使用する技術が進んでおり、低温でも利用できるよう改善が進んでいます。

その他にも、低温で使えるカセットボンベが使用禁止だったり、特定のカセットボンベが必要な発電機もあり、燃料に対する制約があることも理解しておくべきです。

まとめ

従来の発電機は、ガソリンや軽油などの液体燃料を使用し、エンジン式の音も大きく、一般的にはそのような発電機が主流でした。

しかし、近年では同じエンジン系の発電機でも、便利さを追求したカセットボンベ発電機が登場し、さらに太陽光や風力を利用したポータブル発電機も増えてきています。

高い出力やオールインワンの便利さも魅力ですが、利便性が高く小型化が進んだ機器の不足している部分を他の方法で補うことも一つの選択肢です。

発電能力が低い場合は、ポータブル電源や太陽光パネルを併用することで、利便性を損なうことなく対応できるでしょう。

便利な商品には必ずメリットとデメリットが存在します。内容を理解し、効率よく組み合わせることが重要です。

ここで注意すべき「カセットボンベ発電機」の購入ポイントをまとめておきます。

1. インバーターが搭載されていない「正弦波」以外の電気を生成するタイプ(特に海外製には要注意)
2. 低温環境で発電できないタイプ(寒冷地や冬季に使用したい場合)
3. エンジン音が大きいタイプ(キャンプ場や市街地での使用を考えている場合)
4. 特定のカセットボンベの使用が必要なタイプ(指定品が手に入れにくい場合)

最後までお読みいただき感謝いたします。

カセットボンベ発電機に限らず、エンジン式の発電機は排気ガスによる中毒などの危険を伴いますので、室内での使用は絶対に避けてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました