霜降りのお肉は本当に美味しいですよね。
あの脂がしっかりとのった肉の食感がたまりません。
そして、焼いている際に広がる香ばしい香りや、柔らかな舌触り。
考えるだけでも、食欲が刺激されてきます。
特にバーベキューの場では、脂の多いお肉は格別に美味しいですよね。
しかし、そんな肉の脂身には潜在的な危険性があることを知っていますか?
え?あんなに美味しいのに、本当にそんなことがあるの?
これまで何度も食べてきたけれど、特に健康に問題が出ていないという方も多いでしょう。
そうした考えを持っている方も少なくないと思います。
今回はその危険性と安全性の両面について、詳しくお話ししたいと思います。
この記事をお読みいただくことで、以下の情報を得ることができます。
それでは、どうぞ最後までお付き合いください。
赤身肉と脂身の危険性
まず、赤身肉とその脂身を食べることに伴う危険性について詳しくご説明いたします。
赤身肉に関しては、2015年にWHOの付属機関であるIARC(国際がん研究機関)からの発表により、この赤身肉が「体に悪影響を及ぼす」ということが明言されています。その理由として、IARCでは食材の発がん性に基づいたランク付けを行っており、赤身肉はグループ2A(おそらく発がん性がある)に分類されています。
この研究以外にも多くの研究結果が報告されており、「1日に65グラムの赤身肉を増やすごとに、子宮がん、肺がん、食道がん、大腸がん、糖尿病などのリスクが上昇する」ということが示されています。
まだ因果関係は完全には解明されていないものの、赤身肉の色素成分である「ヘム」が大腸がんのリスクを高めているという説も存在します。大腸がんに関して言えば、脂肪分が多く赤身が少ないバラ肉よりも、赤身が豊富なヒレ肉の方がリスクが高いかもしれません。
さらに、167万人のデータを用いて赤身肉や加工肉と白身肉が健康に与える影響を調査した研究では、「赤身肉を多く摂取していた人は心臓病や死亡リスクが増加した一方、鶏肉などの白身肉を食べていた人には特に変化が見られなかった」という結果も示されています。
また、脂肪や油脂はエネルギー源として体内に脂肪を優先的に蓄えやすいと考えられています。過剰な脂質の摂取は、肥満や心筋梗塞などの循環器疾患のリスクを高める可能性があるのです。
これにより血液中のLDLコレステロールが増加し、このことが循環器疾患のリスクをさらに高める要因となります。脂質の過剰摂取は肥満や生活習慣病を引き起こす可能性が高まります。特に動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸を過剰に摂取すると、血液中のLDLコレステロールが増加し、その結果、循環器疾患のリスクも増加すると示されています。
赤身肉と脂身を摂取することのメリット
このように、赤身肉と脂身には身体に良くないという報告もありますが、その一方で摂取することのメリットも数多く指摘されています。
ここでは、赤身肉や脂身を摂取することの利点について詳しくご説明いたします。
まず、質の良い牛肉の脂には、血中のコレステロールを下げ、動脈硬化の予防に寄与することが報告されています。
コレステロールには、善玉コレステロールであるHDLと悪玉コレステロールであるLDLが存在します。質の高い牛肉の脂肪には、血液中のLDLを減少させ、HDLを増加させる働きがあると言われています。
良質な牛肉の脂肪成分は、オリーブオイルや青魚に含まれる脂肪成分に似ているとも言われています。
普段から健康を意識してオリーブオイルや魚を摂取している方も多いと思いますが、実は牛肉にも似たような脂肪が含まれているのです。
さらに、牛肉の脂身は人間の体内におけるエネルギー源として非常に重要な役割を果たしています。エネルギーは一般的に糖質やタンパク質、脂質から得られますが、その中でも脂質は最も効率的なエネルギー源とされています。私たちの活動を支える源泉となるのです。
この脂身に含まれる油脂は、液体の「油」と固体の「脂」に分けられますが、まとめて「油脂」と呼ばれています。
油脂は脂肪酸とグリセリンから構成されており、ここでは脂肪酸について詳しく解説します。
脂肪酸は主に「飽和脂肪酸」であり、特にステアリン酸が比較的多く含まれています。
飽和脂肪酸は肥満や高脂血症の原因となるとして、忌み嫌われることが多かったですが、最近の研究によってステアリン酸はHDL(善玉コレステロール)の働きを促進し、LDL(悪玉コレステロール)を減少させる性質があることが明らかにされています。
まとめ
このように、赤身肉とその脂身には危険性とメリットの両面に関する数多くの報告が世界中でなされています。
様々な情報の中で、私たちは自身の健康を維持するために、やはりバランスの取れた食事が重要であると考えます。
インターネットの普及により、どの情報が正確であるかを見極めるのが難しい時代となっていますが、必要な情報をしっかりと見つけ出したいものです。
人生100年時代に突入した今、いつまでも健康な生活を送り続けていきましょう。
最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。
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