「カセットボンベ」は、スーパーやホームセンター、さらには100均など、非常に手軽に手に入るようになってきました。
アウトドアシーンでは、料理や照明に使われる他、家庭内では卓上で熱々のお鍋を楽しむための必需品として重宝されています。また、暖房や発電のためにも利用されることが多く、その用途は多岐にわたります。
特に最近では、緊急時における利便性が注目され、災害対策として備蓄する方が増えているのです。
先日、何気なく防災用のストック品をチェックしていると、何年前に購入したのかも分からないサビの入った「カセットボンベ」が見つかりました。
その処理方法が分からず、いろいろ調べてみた結果、処分方法とともに重要な情報を得ることができました。
多くの「カセットボンベ」の中には、購入してはいけないタイプが存在することも分かりました。
そこで今回は、購入しても使用できない、あるいは避けるべき「カセットボンベ」について詳しく説明したいと思います。
カセットボンベって、どれでも同じじゃないの？
普段はあまり気にされないかもしれませんが、カセットボンベの内容量や用途に応じてさまざまな種類があることをご存知でしょうか。
内容量は２種類
一般的な「カセットボンベ」の内容量は250gですが、実はそれよりも少ない120gタイプも存在します。
通常、250gタイプは3本、120gタイプは2本セットで売られることが多く、コンパクトな120gタイプは小型の「カセットコンロ」に使用されるショートタイプです。
用途によって仕様も様々です
「カセットボンベ」には、ブタン、イソブタン、プロパンなどの液化石油ガスが充填されています。
これらのガスは、特定の温度以下で冷却されると液体になり、また一定以上の圧力がかかると気化します。
低温仕様のガスは、イソブタンの割合を増やすことで低温でも気化しやすくなっています。
そのガス成分の割合を調整することで、ノーマルタイプや寒冷地でも使用可能なタイプ、さらにエンジン用にオイルを加えたタイプなど、さまざまな仕様が展開されています。
・ノーマルタイプ
一般的に室内で使用される、カセットコンロ用のスタンダードなタイプです。
・ハイパワータイプ
低温での使用に対応した、イソブタンの割合を増加させたタイプです。
・バーナー（トーチ）専用タイプ
逆さまにしても使用できるように設計されており、取り付け口がねじ式の特別なタイプです。
・エンジン草刈機専用タイプ
草刈機用のノーマルタイプのガスにオイルが添加された、エンジン専用のタイプです。
・防サビタイプ
通常のノーマルタイプを長期間保存するために、ボンベが防サビ加工されたものです。
形状は同じ「JIS規格」、安全性は「JIA認証」
形状は、「JIS（日本工業規格）」に基づいて許容範囲が定められていますが、細部にわたって厳密に規定されているため、基本的に同じと考えて良いでしょう。
さらに、「JIA（日本ガス機器検査協会）」による認証マークも付いており、安全性も同等とみなすことができます。
そのため、基本的に多くのメーカーの製品は、互換性があるものが多いのです。
ただし、安全確認は「指定された器具」と「カセットボンベ」の組み合わせに基づいて行うべきであり、異なる組み合わせでの使用は避けるように強く推奨されています。
ストーブや発電機にも使える
「カセットボンベ」が利用できる器具は年々増加している傾向にあります。
かつてのアウトドアシーンでは、ずんぐりした「OD缶」と呼ばれるカセットボンベが主流でしたが、
現在では、より一般的な「CB缶」が使えるアウトドア機器が増え、「カセットコンロ」をはじめ、「ストーブ」や「ファンヒーター」、さらには「炊飯器」や「発電機」に至るまで、様々な器具が展開されています。
その中でも、電源を必要としない屋外でも使用でき、遠赤外線で温めてくれる「カセットガスストーブ」は、最近特に人気を集めています。
気になる安全性
防災意識が高まる中、多くの方が備蓄品として「カセットボンベ」を加えるようになっています。
しかし、長年保存していた結果、サビや変形が生じてしまい、処分に困ることもあります。
そんな時、どのように対処すればよいのかを調べてみました。
使用期限はどれくらい？
各メーカーや日本ガス石油機器工業会によると、使用期限はおよそ7年とされています。
この期限は、「ガスパッキン」などのガス漏れ防止部品の耐用年数に基づいており、使用済みか未使用かに関わらず適用されます。
購入時には、製造年月日が「カセットボンベ」の底に印字されていますので、確認することを強くお勧めいたします。
以前、使用期限が残りわずか1年のものを知らずに購入してしまい、無駄に廃棄することになってしまった経験があります。
そのため、私はパッケージに期限の年と月を書いて、分かりやすくしています。
また、使用期限が切れていなくても、容器の変形や破損、またはサビが発生している「カセットボンベ」は、安全のために使用を中止することをお勧めします。
サビたり、期限切れのカセットボンベはどうしたらいい？
業者さんに依頼する
料金が発生しますが、業者に依頼して処分してもらう方法があります。
宅急便などで送って処分してもらうことが可能ですが、費用よりも運送を引き受けてくれる業者を見つける方が難しい場合があるようです。
自分でガスを抜く
1. 必ず屋外の火の気のない、風通しの良い場所でガスを抜く作業を行います。
2. プラスチックのキャップを外し、先端の細いノズルを固いコンクリートなどに押し付けます。
3. しっかりと押し付けると、ガスが「シュー」と音を立てて出てきますので、その音がしなくなるまで続けてください。
4. ガスを出し切ったら「カセットボンベ」を振って、音がすればまだガスが残っているので再度ガスを抜きましょう。
5. 空になった容器は、自治体の規則に従って適切に処分すれば問題ありません。
まとめ
やはり、私のように使い残した「カセットボンベ」の処分に困っている方は多いようです。
「日本ガス石油機器工業会」のホームページでも、さまざまな情報が掲載されているので、ぜひ参考にしてください。
ここで購入してはいけないタイプをまとめると
今回、自宅にあった古いサビた「カセットボンベ」は、自分でガスを抜いて無事に処分することができました。
処分は成功しましたが、風向きによっては近隣に迷惑をかける可能性があることに気をつけるべきでした。
あなたもそのような事態を避けるために、適切な場所でガスを抜くことを強くお勧めします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたも、ローリングストックなどを活用しながら、上手にカセットボンベを使ってくださいね。
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