お世話になった職場の上司や先輩、後輩、さらには部下などの同僚に対して、退職祝いを渡した経験はありますか?職場の仲間が集まって一緒に品物を決めて渡す場合は、比較的失敗が少ないかもしれませんが、個人的に贈るとなると、何を選べばいいのか迷ってしまうことも多いですよね。相手との親しい関係性があればまだしも、あまり好みを知らない相手に対して贈り物を選ぶのは特に難しいものです。特に、定年退職を迎えるような目上の方に対するプレゼントは、選び方に細心の注意を払う必要があります。その理由を詳しくご説明いたします。
それ以降、退職祝いを選ぶ際には慎重になるよう心がけています。現代では年配の方でもそれほど気にしない方が増えているようですが、若い世代だから知らないということで済む場合がほとんどです。しかし、贈る側の意図とは裏腹に、受け取る側の年代や関係性によっては「悪意がある」と捉えられ、悲しい思いをさせてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
ここでは、つい選びがちですが、目上の方への退職祝いとしてはふさわしくないとされる品物について見ていきましょう。相手との関係性を考慮しながら、退職祝いを選ぶ際の参考にしてみてください。
退職祝いにふさわしくない品物とその理由
スリッパ・靴下
冒頭で触れた筆者の失敗談でも述べたように、足元で使用するものは避けるべきとされています。また、マットなどの足で踏みつけるものも贈り物としては不適切です。
現金
個人的には嬉しい贈り物ですが、目上の方に現金を渡すことは、やはりマナー違反とされています。これは、「お金に困っているだろう」というメッセージに捉えられる可能性があり、退職祝いには適さないと考えた方が良いでしょう。
万年筆・ボールペン
高級ブランドの筆記具などはつい贈りたくなりますが、「勤勉であってほしい」のメッセージと受け取られるリスクがあります。筆記用具は年下から贈るには難しい品物です。
紅茶・お茶
退職後にゆっくりしてほしいという気持ちから、紅茶やお茶を選びがちですが、お茶は香典返しなどのお悔みのシーンで使われることが多く、お祝いの席には不向きとされています。
ハンカチ
ハンカチは「手巾(てぎれ)」とも称され、「手切れ」と同じ意味を持つことから、縁切りを連想させる可能性があると言われています。ハンカチは、贈り物として選びがちな品物の一つです。
ここまで、一般的に退職祝いとして避けた方が良いとされる品物をいくつか見てきました。意外にも、プレゼントとして選ばれがちなものが多いと思いませんか?
他にも、あまり退職祝いとして選ばれることは少ないかもしれませんが、「苦(く)」「死(し)」を連想させる櫛(くし)や、「生活に困っているかもしれない」というメッセージとなる下着や肌着も失礼に当たるため、避けた方が無難でしょう。
逆に、「これを渡したら失礼ではないか」と心配になるかもしれませんが、意外と許可される品物も存在します。ここではそのような品物を見ていきましょう。
失礼にはならない!男女問わず喜ばれる退職祝い
カタログギフト
「注文する手間をかけさせてしまって申し訳ない」と不安に思うかもしれませんが、一般的には失礼ではありません。カタログギフトの種類も「グルメ」「旅」などの体験系が増えてきましたよね。「グルメな○○さんに」「旅行好きの○○さんに」といったメッセージを込めれば、より喜ばれるのではないでしょうか。価格帯も幅広く、選びやすいのも贈る側にとっては嬉しいポイントです。
商品券・金券
目上の方への現金は避けるべきですが、商品券や金券は問題ありません。ただし、「何にでも使える」金券だけでは少し味気ないため、「ビール券」「旅行券」「図書券」など、その方の趣味や好みに合ったものを選ぶと良いかもしれません。紙のギフト券にメッセージを添えられるものもありますので、使用後も記念になるかもしれませんね。
タオル
確かにタオルは一般的で、「もらって嬉しいのかな」と心配に思う方もいるかもしれません。しかし、結論としてハンカチとは異なり、タオルは特にお餞別の品として問題がないとされています。日常的に使うアイテムですし、普段自分では買わないような高級なものを贈れば喜ばれることでしょう。
ドライフラワー・プリザーブドフラワー
花束はもちろん喜ばれますが、「生け花でなければならないか」と心配になる方もいるかもしれません。マナーとして生け花以外がダメというルールは存在しません。ただし、中には「枯れた花を贈られた」と感じる方もいるかもしれませんので、ドライフラワーやプリザーブドフラワーを選ぶ際は、華やかな見た目や、ケースに入った美しく整えられたものを選ぶことをお勧めします。カサカサしてポロポロ落ちるものは避ける方が良いでしょう。
退職祝いで感謝の気持ちを伝えるために
いかがでしたか?一般的に避けた方が良い品物と、喜ばれる品物についておさらいしてみました。
しかし、最も重要なのは退職される方との関係性をよく考慮することではないでしょうか。ここでマナー違反とされる商品でも、もしご本人がそれを希望されているのであれば、もちろん贈った方が喜ばれるでしょう。また、どうしてもNGな品物を渡したい場合は、メッセージを添えたり、他の品物と組み合わせるなどして、意図しないメッセージで相手を傷つけないよう配慮することも大切です。
そういえば、筆者の失敗談の裏話ですが、靴下の他にメッセージカードも添えました。
このようなメッセージをお伝えしたことを、今でも覚えています。
また、退職される方にご家族がいらっしゃる場合は、ご家族にも喜ばれるような品物を選ぶことができれば、さらに良いでしょう。家庭でも「大変だったけど、良い職場で働いていたね」といった思い出話に花が咲くことでしょう。
何を選べば良いのか分からない場合には、親しい方や、さりげなくご本人の意見を聞いてみるのも良いかもしれません。あなたの退職祝い選びが、今までお世話になった方々との交流を振り返る心温まるものとなりますように。
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