買ってはいけない山!その理由は?

最近、山を購入する人々が増加しているという話を耳にします。

その主な目的は、プライベートな空間でキャンプを楽しむためだとされています。

実際、キャンプ場に出かけると、訪れる人が多く、他のキャンパーの目が気になったり、周囲の騒音やマナー違反が発生することがしばしばあり、思うように楽しむことができないことがありますよね。

このような点からも、自分だけの土地で自由にキャンプを楽しめるというのは、多くの人にとって非常に魅力的な選択肢となっているのでしょう。

しかし、山を所有することにはいくつかのデメリットも存在します。

ここでは、そのデメリットについて詳しくお話ししましょう。

山を購入した際のデメリットとは?

草刈りが大変


日本の山は、放置すると草が茂り、さらに低木も生い茂るため、定期的に刈る必要があります。

例えば、月に1回キャンプを行う場合、その都度草刈りに時間を費やさなければならないのです。

また、木を伐採する際も、注意を怠ると事故につながる恐れがありますので、慎重に行う必要があります。

野生動物や虫の出現


イノシシやクマなどの野生動物が出没することがあります。特に、食べ物を外に置いたり、食べ残しをそのまま捨てたりすると、匂いに引き寄せられて近づいてくることがあるため注意が必要です。埋めても掘り返されたり、簡単にネットや柵が壊されたりすることもあります。

さらに、ヒルが大量に発生することもあり、虫の多さにうんざりすることもしばしばあります。

焚火の問題


焚火を行うと、煙が立ち上がり、近隣の人々が山火事と勘違いして通報することや、怒鳴り込んでくることも少なくないようです。

そのため、事前に「ここでキャンプを行い、焚火もする予定です」と周囲に伝えておくことが重要です。

水の確保


沢があるからといって勝手に水を引くと、地元の水利権に違反する可能性があります。

また、平坦な土地は、雨が降るとすぐに水浸しになることもあるため、注意が必要です。

大雨による賠償問題の可能性


台風や大雨が原因で土砂崩れが起こったり、森林が崩れて他人の土地を傷つけたり、道を塞ぐ事故が発生する可能性もあります。また、倒木が電線を切断したり電話回線を妨害したりすることで、賠償責任が生じる危険性もあります。

購入後に行うべきこと

税金の支払い

山を手に入れると、購入費用とは別に税金が発生します。

  • 『不動産取得税』

この税金は、土地や家屋を購入したり、贈与を受けたり、家屋を建設したりする際に課税されるもので、有償・無償の別や登記の有無に関わらず発生します。

不動産取得税の税額は『不動産価格×税率』で計算されます。この場合の『不動産価格』は、実際の購入価格ではなく、固定資産評価基準に基づいて決定された評価額になります。

  • 『固定資産税』

毎年発生する税金です。

固定資産税は『固定資産課税基準額×1.4%』で計算され、課税標準額が大きいほど税金が高くなります。『田』『畑』『宅地』などの地目ごとに評価方法が定められ、地方自治体によってその評価が決まります。

『山林』も地目の一つであり、宅地などよりも評価額は低くなる傾向にありますが、実際の利用状況によって評価が異なることがあります。

また、土地が山であっても、住居を建てると『宅地』として評価されることになります。

通常の山林の場合には、固定資産税が0になることもあります。

土地は30万円、家屋は20万円という『免税点』が設けられており、所有している山林の固定資産課税基準額が30万円未満であれば、課税はされません。

山の相続について

相続によって山を譲り受けた場合、面倒くさいからといってそのまま放置することは『非常に危険』です!『そのまま』の状態では、将来的に『山を売却する』ことや『担保設定する』ことができなくなってしまいます。

さらに、『固定資産税の支払い』や『山林の管理責任』は、放置しておいても消えるわけではありません。

ちなみに、『相続放棄をする』という選択肢もありますが、そうすると他の財産もすべて受け取ることができなくなるため注意が必要です。

民法に則り、相続権を持つ人(法定相続人)には、相続の順位が定められています。

『第1順位』には、被相続人の配偶者と子どもが含まれます。

『第2順位』には、配偶者と親、または祖父母が該当します。

『第3順位』には、配偶者と兄弟姉妹が含まれます。

相続放棄をすると、『相続人でなくなる』という意味になり、もし第1順位の人が放棄をすると、第2順位、第3順位と順番に権利が移行していくため、後々親族間でのトラブルを引き起こす可能性があります。

さらに、相続放棄には『相続の開始があると知った時から3か月以内』という期限があります。一度認められた相続放棄は原則として取り消すことができないため、注意が必要です。

また、相続全員が相続放棄をした場合でも『管理責任』は残ります。万が一、近隣に被害が発生した場合には、損害賠償が発生したり、刑事責任が問われたりすることもあります。管理責任から解放されるためには、相続人に代わる誰かを見つける必要があります。

  • 相続財産管理人

利害関係者や検察官が家庭裁判所に請求することで選任される新たな『管理人』に管理を引き継ぐことで、その不動産に関する一切の責任から解放されることができます。

しかし、相続財産管理人の選任には数十万円の費用がかかることがあります。

相続したくない不動産には『相続放棄』という手段もありますが、財産に候補が含まれる場合には、相続が始まる前に親族間で話し合いを行っておくことが重要です。その際には、必要に応じて相続に詳しい税理士などの専門家のサポートを検討することも賢明でしょう。

まとめ

一時的な楽しみのためだけに山を購入することには、さまざまなリスクが伴います。

後々後悔することになったり、地域社会に迷惑をかけてしまうこともあるため、長期的なビジョンを持ち、覚悟をもって山を購入することが大切です。

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