最近では、「食」に対する健康志向がますます高まっています。
そこで今回は、特に若者に人気のある“ピザ”について詳しくご紹介します。テイクアウト食品の先駆けとも言える宅配ピザは、多くの人々に支持され、広く愛される存在となりました。しかし、宅配ピザの価格は高いため、毎日楽しむことは難しいのが現実です。
そこで注目したいのが、スーパーで手軽に購入でき、いつでも楽しめる冷凍ピザです。
危険!スーパーで手に入る超加工食品
冷凍ピザなどの「超加工食品」は、砂糖や塩、油脂を豊富に含み、保存料なども添加されているため、「密閉包装されて日持ちが良い食品」と定義されます。このような食品はウルトラ加工食品とも呼ばれ、注意が必要です。
これらの超加工食品は、多くの脂肪や飽和脂肪酸、砂糖、塩を含む一方で、食物繊維やビタミンが貧弱であり、加熱により発がん性物質が生成される成分を含むこともあります。
さらに、食品に直接接触する包装資材には、発がん性物質や内分泌かく乱物質が含まれているケースもあるため、注意が必要です。
このような理由から、超加工食品が人体に与える影響、特にがんリスクを高める可能性についての懸念が高まっています。
摂取量が10%増えるとがんリスクが12%上昇
フランス国立保健医学研究所(INSERM)の研究者たちは、フランスに住む約10万5000人を対象に超加工食品の摂取量と、それに伴う5年間のがん発症状況を調査し、2018年にその結果を論文として発表しました(BMJ、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌に掲載)。
その結果、摂取した食物の総量に占める超加工食品の割合が10ポイント増加するごとに、がんのリスクが12%高まることが明らかになりました。
特に乳がんについては、超加工食品の割合が10ポイント増加するごとに11%のリスク上昇が見られ、特に閉経後の女性においてその傾向が顕著でした。
私たちの食卓に近い存在の超加工食品ですが、摂取量には十分に気をつける必要がありそうです。
宅配ピザのMサイズ1枚が1日のカロリーの半分を占める
忙しい時や疲れた時に頼りがちな宅配ピザですが、実は体に良くない食べ物であることが多いのです。その理由の一つに、非常に高いカロリーが挙げられます。
ピザ1ピースあたりのカロリーは150〜180kcalで、Mサイズのピザ1枚は1,000kcalを超えてしまいます。成人女性が一日に必要とするカロリーは1,800〜2,200kcalであるため、ピザ1枚で日々の摂取カロリーの半分以上を摂取してしまうことになります。
また、宅配ピザに使用されるチーズは、チーズフードと呼ばれるもので、原材料のチーズに小麦粉や水を混ぜて量を増やし、植物性の油を加え、香料で風味をつけたものです。
健康的に美味しく楽しむためには
家庭でも作れる美味しいピザ
ピザの基本となる材料は、クラスト(ピザ生地)に使う小麦粉、チーズ、そしてトマトです。これらはほとんどの人に好まれる食材です。小麦粉は主食としてエネルギーの源となる炭水化物と、質の良い植物性たんぱく質を提供します。ソースに使うトマトは、ビタミンが豊富な野菜であり、チーズは質の高い動物性たんぱく質と吸収率の良いカルシウムをたっぷり含んでいます。
これらの材料を使用して自宅で作るピザは、栄養バランスの取れた食事となります。さらに、ピザのトッピングは自由に選べるため、野菜を加えることで食物繊維も補充でき、よりヘルシーになります。
健康に良いトッピング
がんや生活習慣病、さらには老化の原因の一つとされる活性酸素。トマトの赤色成分であるリコピンは、活性酸素を除去する力があるとして注目されています。
活性酸素を消去する成分としてはβカロチンが有名ですが、抗酸化能力ではリコピンはβカロチンのなんと2倍です。
アメリカの最新の研究(ハーバード大学公衆衛生学大学院、1995年12月)によれば、リコピンを多く含むトマトソースを使用した料理は、がん予防に効果的であると報告されています。
「チーズたっぷり」はがん予防にも期待
日本人の栄養素摂取量の中で、唯一不足しているのがカルシウムです。1日に必要なカルシウム量の約10%が不足しているとのデータがあります。
保健所では、カルシウムの1日当たりの摂取基準を平均600mgと定めていますが、ピザにトッピングされたチーズを食べることで、日本人のカルシウム不足を解消する手助けができるでしょう。
さらに、防衛医科大学校の鶴純明教授による最新の研究成果では、チーズに含まれるラクトフェリンという成分が、がんの増殖を抑える効果があることがわかっており、再びチーズの健康食としての注目が集まっています。
まとめ
冷凍ピザは超加工食品とされることが多く、実際に私たちの食事の一部となっている現実があります。手軽に調理ができ、価格も手頃で、長期間保存が可能なため、非常に便利な食品として広く利用されています。
しかしながら、超加工食品には、原材料や包装資材から加熱によって生成される可能性のある発がん性物質が含まれている場合もあります。これらを多く摂取することで、人体に何らかの影響を及ぼす可能性があることが明らかになっています。
私たちの毎日の食事において、超加工食品の摂取には十分に注意を払う必要があります。
コメント
イタリア人はパスタやピザを良く食べていますが、大丈夫なのは何故ですか?
消費期限の短いチルドのピザも危ないですか?