買ってはいけないチリサーモン

スーパーの鮮魚売り場に足を運ぶと、現在の時代においては、サーモンが常に目に留まる存在となっています。さまざまな産地からのサーモンが取り扱われており、特にチリサーモンやノルウェーサーモンなど、選択肢は豊富です。

イオンやライフなどの大手スーパーをはじめ、名の知れた他のスーパーでも、サーモンは容易に手に入ります。しかし、実はそのすべてが安全であるとは限らないことをご存知でしょうか?

この記事では、まずサーモンとサケの違いや、養殖された産地による違い、特にチリサーモンが抱える危険性について詳しく説明していきたいと思います。

まず、サーモンとサケの違いは?

さて、そもそもなぜ国産のサケを生食することが推奨されないのか、その理由を考えたことはありますか?実は、サケにはアニサキスなどの寄生虫が寄生しており、そのため生で食べることができないのです。 そのため、輸入サーモンが日本に入ってくるまでは、私たちの国ではサケを生で楽しむ文化が存在しませんでした。

しかし、輸送技術の進歩により、ノルウェーやチリで養殖されたサーモンが日本に入るようになりました。養殖されたサケ、つまりサーモンは寄生虫を一切持たないため、日本のサケとは異なり生で食べることが可能です。サーモンは完全に養殖された生で食べられる魚である一方、サケは野生で生息し寄生虫を多く持っているため食することができないという明確な違いがあります。

エサにも危険性がある?

養殖サーモンは、自然の海で自らエサを捕獲するのではなく、人間が与えるエサによって育てられています。そのエサにはさまざまな種類があり、特にエサの質には注意が必要です。

かつては、サケのエサの約65%が海洋生物由来のタンパク質で構成されていましたが、2013年にはその割合が約18%にまで減少しています。代わりに投入されたのは、植物性タンパク質やオイル、さらには小麦由来のデンプンで、これらが全体の70%を占める結果となっています。これは、牛や豚などの家畜に与えられるエサと類似した成分であり、こうしたカロリーの高いエサを摂取したサーモンは脂肪分が増え、健康的とは言えない状態に変わってしまうのです。

さらに、このエサの原材料となる穀物類には大量の農薬が使用されており、加えて感染症を予防するための抗生物質や、サーモンの身を美しいピンク色に染めるための着色料などが含まれています。これにより、こうした化学物質が人体に悪影響を及ぼすという懸念が存在します。

サーモンの中でもチリサーモンにおける問題

チリサーモンに使用されている抗生物質量

先に述べた通り、サケの感染症予防のために抗生物質が与えられていますが、チリの養殖サーモンにおいては、その使用量が非常に多いとの情報があります。その量は、一般的に流通しているノルウェーサーモンの500倍に達するとされています。

チリサーモンに使用されている殺虫剤

サーモンを危険にさらす寄生虫、海ジラミに対抗するために定期的に殺虫剤が使用されますが、チリではその使用量もノルウェーと比較して多いとされています。その使用量は、驚くべきことにノルウェーサーモンの5倍に上ると言われています。

チリにおける抗生物質、殺虫剤の他の影響

抗生物質や殺虫剤が使用されているという事実は、もちろんその影響が周囲の海にも及ぶことを意味します。その結果、他の生物も抗生物質や殺虫剤に汚染され、駆逐されてしまう恐れがあります。漁業を生業とする地域では、魚や貝、カニ、エビなどの他の生物が獲れなくなり、漁業が衰退するという深刻な事態に直面しています。

薬剤耐性菌の発生

上述したように、多量の抗生物質が使用されることで、サケに感染する細菌に対して耐性を持つ薬剤耐性菌が発生するリスクが高まります。最近では、ヒトにおいても問題となっている薬が効かない細菌が出現しているのです。これは、つまり過去に効いていた薬が無効になってしまうことを意味し、最終的にはサーモンたちが細菌感染によって命を落とす危険性が高まることを示唆しています。

チリサーモンによって職を失うチリの漁業の人たち

ここまで述べてきたように、チリではサーモンを大量に養殖するために抗生物質や殺虫剤が大量に使用されています。その結果、他の海産物が生命を奪われ、チリの漁業に従事する人々が商売道具である他の生物を獲ることが難しくなっているという問題も浮上しています。

また、2017年にはチリサーモンの養殖が引き起こした環境への影響により、赤潮が発生しました。この赤潮の発生原因は解明されておらず、赤潮の影響でサーモンが2300万匹失われるという問題が発生しています。この事態は経済的損失としておよそ1000億円以上にのぼるとされており、環境問題だけでなく、経済的な側面でも深刻な影響が表れています。

最後に

サーモンはお寿司の定番ネタであり、多くの人にとって人気のある食材ですが、アメリカや日本が手に入れるために大量に購入することで、チリやノルウェーでの養殖が進行しています。

しかし、その結果としてチリでは職を失う人たちが出てきており、また深刻な環境問題も発生しています。私たちが食べるものに含まれる成分には、消費に適さないものが多く使われているのが実情です。安価にサーモンを手に入れることができるのは嬉しいことですが、それに伴う他の問題についても考慮することが重要なのかもしれません。

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