幸運を象徴する四葉のクローバーは、可愛らしい花を咲かせることで知られる人気のある植物です。
子供の頃、たくさんのお花をつなげて王冠やネックレスを作ったりした思い出はありませんか?
おそらく、誰もが一度は広い草原にしゃがみ込み、四葉のクローバーを探した経験があることでしょう。
このように身近な存在であるクローバーですが、実は庭で芝生を手入れしている方々にとっては、少し厄介な雑草でもあるのです。
可愛いお花だと摘んで家に持ち帰ると…
クローバーを芝生に放置すると
結論から言うと、クローバーが繁殖すると芝生が侵食されてしまい、最終的には芝生がなくなってしまう場合もあります。
このクローバーは非常に強い繁殖力を持っており、芝生の中に生えると、除草を行ってもすぐに再生し、どんどん増えていくのです。
一度クローバーが生え始めると、あっという間に芝生だった庭がクローバーに覆い尽くされてしまいます。
芝生がクローバーに負けて枯れてしまうこともあるため、クローバーが繁殖する前にどのような対策を立てれば良いのでしょうか。
クローバーの特性を理解し、それに基づいて対策法をまとめてみました。
クローバーの特徴
クローバーはヨーロッパ原産のマメ科に属する多年草です。
名称の由来は、江戸時代にヨーロッパから輸入されたガラス製品が割れないように、乾燥させたクローバーを緩衝材として箱の中に詰められていたことにあります。
白い花を咲かせるシロツメクサの他にも、赤い花を咲かせるアカツメクサ、ムラサキツメクサ、キバナツメクサ、モモイロツメクサなど、さまざまな種類があります。
シロツメクサは、種子やランナー(地表に近い位置を這って伸びる茎)によって繁殖します。
このランナーは、なんと50㎝にも達し、その強靭さから素手で簡単に切れるものではありません。
さらに、ランナーを切断しても、その節から根が出て新たに育ち、独立した株として増えていくのです。
踏みつけにも強く、地上に出た草を刈っても根に蓄えた栄養を利用して回復し、完全に根絶することは非常に困難です。
花が咲く6月以降に刈り込むことで、種子からの繁殖を抑えることができるため、適切なタイミングでの手入れが重要です。
アカツメクサは主に種子で繁殖します。
このため、刈り込みによって効果的に根絶することが可能です。
クローバーにそっくり?
クローバーによく似た植物にタカバミというものがあります。
タカバミもクローバーも三つ葉ですが、クローバーはマメ科、タカバミはタカバミ科という全く異なる植物です。
シロツメクサに効く除草剤は
芝生にクローバーが生えた場合、葉茎処理剤の中でも主成分がMCPP(メコプロップ)であるものが効果的です。
MCPP(メコプロップ)は、植物ホルモンの作用により細胞分裂を促進し、効果的に除草します。
特にスギナ、クローバー、カタバミに対して非常に高い効果を示します。
一方で、イネ科の植物にはほとんど効果がないため、芝生と共に生えているクローバーにも安心して使用することができます。
MCPPの除草剤は、クローバーの生え始めから生育初期に特に効果的で、浸透移行性があるため、長期間にわたって効果を発揮し続けます。
日本芝(高麗芝や野芝)やバミューダグラス、ケンタッキーブルーグラスなど、さまざまな芝で使用可能です。
日本芝に比べ、西洋芝は除草剤散布後、少しずつクローバーが減少していくのが特徴です。
四葉のクローバー
四葉になる主な原因は、突然変異や、人や動物による踏みつけといった外的刺激、そして肥料などによる栄養過多といった刺激によるものです。
まとめ
美しい芝生の庭を維持したい方は、気軽にクローバーを持ち込まない方が賢明です。
かつて我が家でも、子どもと一緒に川原でシロツメクサの花冠を作り、それを喜んで家に持ち帰りました。
その数日後、庭の芝生に小さなクローバーが芽吹き始め、あっという間に芝生がクローバーに覆われてしまいました。
初めのうちは懸命に手で除草していましたが、強力なランナーを抜こうとしても、地中を這い回っていて、再び地上に茎を伸ばしてくるのです。
しかし、悪いことばかりではありませんでした。
芝生は減少しましたが、クローバーが盛んに繁殖するおかげで、他の雑草はほとんど生えなくなりました。
グランドカバーとして好まれることもあるため、他の雑草を避ける目的で、あえてクローバーに頑張ってもらうのも、一つの方法かもしれませんね。
皆さんが四葉のクローバーを見つけて、幸せに恵まれますように!
コメント