
スピーカーを探しているものの、どれを選べばよいか迷っている方々にお知らせです。特にBluetoothスピーカーという言葉をよく耳にし、その購入を検討している方は、少し立ち止まって考えてみてください。
「音質にこだわるのであれば、Bluetoothスピーカーは避けるべきです。」
確かに、Bluetoothスピーカーには手軽に使える充電式のモデルや、配線が不要で持ち運びが便利なコンパクトなものが多く存在します。しかし、もし自宅で常に使用するスピーカーをお探しであれば、HiFi(ハイファイ)スピーカーを選ぶ方が、音質面では確実に満足度が高いといえるでしょう。
Bluetoothスピーカーをすすめない理由
最近のBluetoothスピーカーは、パッシブラジエーターを搭載したモデルも増え、以前よりも重低音を楽しめるものが多くなりました。それでも、例えばBOSE SoundLink Revolve+Ⅱにおいても、音のバランスが完璧であるとは言い難いのが現状です。
Bluetoothスピーカーは、大きく分けてモノラルとステレオの二つのタイプが存在します。気に入ったモデルが必ずしもステレオスピーカーであるとは限らず、音の立体感や明瞭さを求めるのは難しい場合もあります。サイズに関しては、カバンに収まるほどのコンパクトなものから、床に置くことを前提にした大型のモデルまで幅広く展開されています。
Bluetoothスピーカーは、時代のニーズに応じて誕生したデバイスです。
しかし、小型で価格を抑えようとすると、必然的に本体やスピーカー自体が小さくなり、その結果音質も妥協せざるを得ません。現在は、音質において非常にコストパフォーマンスが高いHiFiスピーカーを選ぶ方が賢明です。
Bluetoothスピーカーのコーデック
Bluetoothスピーカーの購入を検討しているあなたに対して、少し申し訳ない気持ちがあります。
ここで、Bluetoothという技術について少しお話しさせてください。
「Bluetooth」とは、近距離で低速なデジタルデータを無線で接続するための規格です。
Wi-Fiと比較すると、データ量は少なく、消費電力も低く抑えられ、Wi-Fiルーターが不要であるという利点がありますが、音声や音楽データの圧縮が行われるため、一部の音声データが失われてしまう現象が発生します。つまり、聞こえるべき音の一部が消えてしまうことがあるのです。もちろん、全体としては音声データを理解することは可能ですが、音の余韻が削られるなどの弊害が生じます。
Bluetoothスピーカーの特徴や機能には、もう一つの側面があります。
Bluetoothスピーカーに搭載されているコーデックは、主に3種類に分けられます。
コーデックとは、データを圧縮し、転送するデータ量を減少させる技術のことです。
・SBC :データの圧縮率が高く、必ず搭載されているコーデックです。
・AAC :音質の劣化が少なく、動画に対する音声の遅延も少ないコーデックです。
・aptx :音質の劣化や遅延がほとんどなく、CDの原音に近い音質で転送できるコーデックです。
これらの3種類が主なコーデックとして挙げられます。
注意が必要なのは、スマートフォンがaptxに対応していても、BluetoothスピーカーがSBCにしか対応していなければ、結局はSBCの音質でしか再生できないという点です。
そのため、おすすめしたいのがHiFiスピーカーです。
HiFiスピーカーの中でも、例えばJBL STAGE A130のように、20,000円台で購入できるブックシェルフ型スピーカーが数多く存在しており、音質は確実にBluetoothスピーカーよりも優れています。

コストパフォーマンス
また、もう一つ重要なポイントとして、価格の問題があります。
価格帯を見てみると、Bluetoothスピーカーは3,000円台から40,000円台まで幅広く、対照的にHiFiスピーカーは10,000円台から130,000円台と、HiFiスピーカーの方が価格の幅が広くなっています。私自身も、一度はBluetoothスピーカーを選び、コンパクトなBOSE SoundLink Mini Ⅱや、SONY SRS-XB60という大型据え置き型スピーカーを購入しましたが、サイズが大きくなることで音質が向上するのではと期待していましたが、結果は全くの期待外れでした。
つまり、ある程度の価格を支払わなければ、良い音を手に入れることはできないということです。
HiFiスピーカーの欠点は、プリメインアンプを別途用意する必要があることです。モニタースピーカーのようにアンプ内蔵型のモデルもありますが、一般的にはアンプを準備することになります。このプリメインアンプにはBluetooth機能が搭載されているものも多く、CDをいちいち変える手間もなく、スマホから簡単に曲を選ぶことができます。そして、HiFiスピーカーのメリットは、基本的に音質が優れていて、どれを選んでも外れがないという点です。逆にBluetoothスピーカーは、性能面や音質面でどれも似たり寄ったりで、全体的に音が劣るというのが現実です。満足できる音質に出会える人は少ないでしょう。私自身の経験を踏まえると、最終的にはHiFiスピーカーに行き着きましたので、この記事を読んでいるあなたには、最初からHiFiオーディオを選ぶことを強くお勧めします。
現在は、HiFiスピーカーのコストパフォーマンスが非常に高い時代です。
私が所有しているHiFiスピーカーは、B&W607S2AEで、税込みでおおよそ10万円しました。その価格に見合うコストパフォーマンスがあるのかというと、10年前にはこの音質は30万円相当のものだったと感じます。価格は決して安くはありませんが、音質的には過去の3倍の良さを現在の価格で手に入れることが可能なのです。
このように、現在のHiFiスピーカーの性能は目覚ましく向上しています。
音質を選ぶかどうかで選択が変わる
このように考えると、求める音質によってどちらを選ぶべきかが変わってくることがわかります。
単にスピーカーがあれば良いと考えるのか、それとも音質を重視するのかによって、スピーカーの選び方は大きく異なるはずです。前者はBluetoothスピーカーを、後者はHiFiスピーカーを選ぶことになります。Bluetoothスピーカーは音質は劣るものの、購入価格は安く済み、余計な機能は省かれています。一方でHiFiスピーカーは音質が非常に良く、その分プリメインアンプなどを揃える必要があり、トータルコストが高くなる傾向があります。このように、必要のない機能が含まれていることが多いですが、最終的には高音質に繋がる要素となっています。
やはり、音質を重視するのであればBluetoothスピーカーの購入は避けるべきだと言えます。
その理由は、やはり音質の良いスピーカーに惹かれてしまうからです。買い直す手間を考えるのであれば、最初からHiFiスピーカーを選んでしまう方が賢明です。
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