現在、日本は人口減少や長期的な経済の低迷という厳しい状況に直面しています。
そのため、日本における中古マンション市場の展望はあまり明るいとは言えないのが実情です。
中古マンションを手放したいと考えていても、買い手が見つからず、ローンだけが残ってしまうというケースが増えているのです。
また、設備が古くなり、快適な生活が送れなくなることもあります。
さらに、ローンの支払いが終わっても、修繕費や管理費の値上げに苦しむことも考えられます。
家を購入するという行為は、人生において何度も経験することではないため、慎重に検討する必要があります。
特に、中古マンションという大きな買い物をする際には、さまざまなメリットとデメリットをしっかりと見極めることが求められます。
そこで、今回は購入を避けるべき中古マンションの特徴について詳しくお伝えしたいと思います。
ぜひ、今後の参考にしてください!
購入を避けるべき中古マンションの特徴
立地条件が悪い
水道管や下水管に欠陥がある
戸数が少ない
ワンルームなどの間取りが混在している
旧耐震基準のマンション
水害懸念がある
これらの条件に該当しない中古マンションであれば、長期的に見ても有利な条件を備えた物件であると言えるでしょう。
立地条件が悪い
立地条件が悪いというのは、人口が減少している地域や、災害の発生リスクが高い地域を指します。
このような場所での中古マンションの購入は避けるべきです。
理由としては、その中古マンションを売却しようとした際に、買い手が見つからない可能性が高くなるからです。
さらに、人口が維持されている東京圏、名古屋圏、大阪圏といった三大都市圏においても、駅から徒歩10分以上かかる場所は立地が良いとは言えません。
また、駅までバスを利用しなければならない中古マンションも避けた方が良いでしょう。
水道管や下水管に欠陥がある
水道管や受水槽、下水管などの配水管や排水管に問題があると、建物の寿命を縮める恐れがあります。
水漏れは初期段階では見つけにくく、雨漏れも発見までに時間がかかることがあります。
雨漏れの発生場所を特定するのも難しいことがあります。
外壁に雨漏りの履歴がある場合は、管理組合の議事録に記録されていることがあるため、契約前に必ず確認することをお勧めします。
ご自身でも現地をしっかり確認し、仲介会社や管理会社、売主に物件の状態を十分に確認してから購入を検討してください。
戸数が少ないマンション
小規模なマンションは、住民同士の顔が見えやすく、安心して生活できる面があります。
しかしながら、維持費の観点から見ると、それがデメリットとなることもあります。
マンションの住民は、管理費や修繕費を負担する必要があり、住民の数が少ないと、一人当たりの負担が大きくなります。
中には、管理費や修繕費が7万~8万かかる場合もあります。
不動産会社は必ずマンションの総戸数を明記していますので、購入を検討する際には必ず確認しましょう。
特に50戸以下の小規模マンションはできるだけ避けることをお勧めします。
ワンルームなどの間取りが混在している
都心部では、ワンルームや1LDK、3LDKなどの多様な間取りが混在しているマンションが多く見られます。
特にワンルームが全体の半数以上を占めるマンションは、分譲会社が投資用として販売しているケースが多いです。
投資用ということは、オーナーが自分で住まず、他人に貸していることが多いということを意味します。
そのため、投資用のマンションのオーナーは、自身が住んでいないため管理体制に無関心な傾向があります。
さらに、投資用のオーナーはランニングコスト、つまり管理費や維持費を抑えることを優先するため、いざ修繕が必要になった際に、費用を出し渋ることや意見がまとまらずに修繕が進まないことも少なくありません。
また、3LDKなどのファミリータイプに住む人とワンルームに住む人では、生活スタイルや家族構成が異なるため、活動時間やライフスタイルが異なる住民同士の間でご近所トラブルが発生する可能性も高まります。
旧耐震基準のマンション
日本は地震が多発する国であるため、マンションの耐震性は必ず確認すべき重要なポイントです。
多くの方が「古い建物は、現在の耐震基準とは異なる」という事実を知っていますが、確認すべきポイントは、建築確認を受けた日が1981年(昭和56年)5月以前か、それ以降かということです。
1981年6月に大規模な法改正が行われ、耐震基準が見直されました。
耐震基準の適用日は建築確認を受けた日となるため、同年に竣工した物件は旧耐震か新耐震かを確認する必要があります。
築39年以内(2021年現在)のマンションは、すべて新耐震基準が適用されています。
ただし、旧耐震基準の建物すべてが危険というわけではなく、現在の新築マンションよりも頑丈に作られている物件も存在します。
地盤の状態によっても耐震性は変わるため、注意が必要です。
とはいえ、耐震基準は中古マンションを購入する際の大変重要な指標となりますので、必ず確認することが大切です。
水害懸念がある
過去に浸水した経験のあるマンションは、その立地特性から再び浸水する可能性があると言えます。
契約前には、必ず重要事項説明や地域のハザードマップを確認し、浸水のリスクについて確認することが必要です。
もし浸水があった場合、そのマンションを売却する際に重要事項説明書にその情報が記載されることになり、資産価値にも影響を及ぼします。
河川沿いや海岸沿いに位置する物件を検討する際には、必ずその地域の自治体が発行しているハザードマップを確認することをお勧めします。
管理状態も確認しましょう
実際に中古マンションを内覧する際には、以下の点をしっかりと確認することが重要です。
外壁・廊下・バルコニー部分のひび割れ
塗装剥がれ
タイルの浮きが放置されていないか
さらに、共有設備の利用状況や日常の手入れ状態も重要なチェックポイントです。
駐車場や駐輪場、エントランス、ごみ捨て場の清掃状態なども併せて確認しておくと良いでしょう。
まとめ
中古マンションを購入する際に注意すべきポイントをまとめましたが、皆さんはいかが感じたでしょうか。
ライフスタイルや価値観によって、良いマンションと悪いマンションの基準は人それぞれ異なるかと思います。
それでも、上記のように売れやすいマンションと売れにくいマンションが存在することは明らかです。
中古マンションを購入する際には、資産価値をしっかりと見極めることが重要です。
そして、10年後にこのマンションを売却できるのかという視点からも購入を考えることが求められます。

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