日本の美しい伝統文化の象徴である着物の装い。
鎌倉や京都などの歴史的な街では街着として着物を試す機会も多く見られますが、自分自身で着付けができるようになったり、子供に着せてあげることができれば、より一層素敵な体験ができることでしょう。
しかし、着物やその関連小物を揃えるには思った以上にお金がかかることがありますし、着付け教室に通うことができるかどうか不安に思う方も少なくありません。
着物の種類は非常に豊富で、特別なシーンや行事に応じて選ぶべき着物の選択肢は無限にあります。
特に、着物初心者の方にとっては、着たいと思う気持ちはあっても、いざ購入しようとすると迷ってしまうことが多いのではないでしょうか。
そこで、今回は着物を購入したいと考えている初心者の方々に向けて、着物を販売している店舗の種類や、必要以上に高価な着物を購入しないためにチェックすべきポイントをまとめました。
着物購入や着付け教室に通うことをお考えのあなた、買ってはいけない着物の初心者が陥りがちな失敗を参考にして、ぜひ店舗へ足を運んでみてください。
着物を購入する場所によって価格は大きく変わります!
高級感が漂う印象のある百貨店では、高価な着物が多く販売されています。高島屋、伊勢丹、三越などの大手百貨店には、呉服店が併設されており、実際に着物を手に取って見ることができます。
同じ百貨店内には、チェーン展開している呉服店も存在しています。
百貨店の呉服店では、着物メーカーから商品を借りて、売れた分だけ仕入れるシステムが採用されています。
また、店名が入っているお店は百貨店の呉服専門部ではなく、大手の高級呉服チェーン店であることが多いです。
着物販売に特化して学んできた販売員が多く在籍しており、知識も豊富で、着物や小物の適切なコーディネートを提案してくれるでしょう。
多くのメーカーの着物をインターネット上で手軽に閲覧できるのがオンラインショップの大きな魅力です。
今では、100年の歴史を誇る有名な呉服店もオンラインショップを通じて商品を販売しています。
逆に、流行に敏感でおしゃれなデザイン、そして手頃な価格の着物を扱っているのが特徴です。
商品を一人でじっくりと見比べて考えたい方や、勧誘が苦手な方には、オンラインショップでの購入がストレスフリーで、軽い気持ちで呉服店を訪れる感覚が味わえるでしょう。
リサイクル着物、アンティーク着物、古着の着物や中古の帯など、百貨店での購入が予算的に難しい方に向けた着物専門のリサイクルショップがあります。
さらに、本や家電、家具、洋服などを扱うリサイクルショップにも中古着物のコーナーが設けられています。
ただし、数が少なく選択肢も限られているものの、価格は非常に安価で、着物初心者の方でも気軽に購入できる商品が多数揃っています。
買ってはいけない着物!その選択、本当に大丈夫ですか?
もっと気軽に楽しめると思っていたのに、思いもよらない高額の着物をローンで契約してしまったという経験をした方もいるでしょう。
気に入って購入したものの、着ていくシーンを間違えてしまい、恥ずかしい思いをしたこともあるかもしれません。
お出かけ会に誘われて参加したものの、毎回商品を勧められ、着物を楽しむどころではなかったということもあるでしょう。
このような失敗を避けるためにも、あなたが迷っている着物が本当にあなたを幸せにしてくれるのか、しっかりと考えてから購入して、心から着物を愛して楽しむことが大切です。
もし、こんなお店に出会ったら、着物を買うことは避けたほうが賢明です。
ちょっと試着をしてみるつもりが、瞬く間にフルコーディネートをされ、気づかぬうちに着物から小物、羽織まで着せられて、店員からお世辞を言われる状況が発生することがあります。
時には、着物を制作している先生までもが登場し、「今あなたが着ている着物は非常に価値がある」と言い、特別な価格は今日だけだとしつこく勧誘してきます。
元々20万円だった着物が、大幅値引きで数万円にまで値下げされることもありますが、それでもお店側には利益が確保できるため、その価格で販売されているのです。
元値が一体どれほどのものなのかと疑問に思いたくなるような手法に騙されて、高額な帯をローンで買ってしまう方も少なくありません。
着物や小物を次々と奥から取り出して、店員に囲まれてしつこく勧誘されたら、すぐにそのお店から逃げ出すことをお勧めします。
イベントを頻繁に開催し、ビンゴやクイズのゲームを通じて個人情報を収集しようとする店員も存在します。
そのイベントはまるで小学生のパーティーのようなゲームですが、奥には着物用品がずらりと並んでおり、ゲーム終了後には必ず名前や住所、さらには電話番号を記入するように促されます。
このような情報を書いてしまうと、後々自宅にDMが頻繁に届いたり、電話勧誘が始まることがあります。
展示会やセールの情報のハガキならまだしも、イベントに対して「行きます。」と答えるまで、個人的な予定まで確認されることがありますので、個人情報を書く際は十分な注意が必要です。
夏祭りが盛況な時期に、チェーン店の呉服店を通り過ぎると「ゆかた100円」といった破格の値段で商品が販売されていることがあります。
こんなに安いなら一つ買おうとつい興味を持ってお店に立ち寄りたくなるかもしれませんが、甘い蜜には毒があるといったように、激安には理由があります。
確かに浴衣は100円で販売されていますが、帯や小物は通常の価格よりも高く設定されていることも多いのです。
さらに、その浴衣を試着しませんか?と誘われて奥に入ってしまうと、浴衣以外の着物を勧められるケースも少なくありません。
ゆかた100円のつもりが、気づけば着物10万円の領収書を持って帰ることにならないように、あまりにも安い商品を販売しているお店には警戒が必要です。
着物は種類が非常に多く、訪問着や式典に着る留袖など、TPOに応じた選び方が求められます。
それぞれの種類によって格式の高さが異なり、年齢によっても適切な着物が変わるため、着物を扱う店舗の店員はこうした知識をしっかりと身に着けているべきです。
お客様に対して適切な商品を提案するために学ぶことは店員の責務です。
時には、ただ売ることだけに焦点を当て、無作為に着物を販売しようとする店員もいます。
そんな時には、「この着物はどのような場面で着ることができるのですか?」「これは何という種類の着物ですか?」と質問してみると良いでしょう。
「どんなシーンでも着られる着物です。」などと曖昧な返答が返ってきた場合は、一度自宅に戻り、自分で調べてから再度お店を訪れる方が賢明です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?着物には高価なものから、流行に遅れたために価値が下がってしまったものまでさまざまな種類があります。
帯の織り方や生地の種類によって、値段は大きく変動します。
しかし、着物は母親から引き継がれ、大切にされてきたものも多く、その価値は個人が決めるものだという考え方も決して間違ってはいません。
母親や祖母が愛した着物を、自分自身が着るということは、非常にロマンチックで素敵な思い出として心に残ることでしょう。
似合う着物は自分自身で見つけていくことが大切です。周囲の意見に左右されることなく、適切な知識を武器に、自分が本当に着たいと思う着物を見つけて、一生大切にしていきたいものです。

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