ボタンを付けたり、裾上げを行ったり、スカートやパンツの丈を調整するなど、日常生活の中で針と糸が必要となる場面は意外と多いものです。しかし、裁縫が得意な方ばかりではありません。そこで、手軽に裁縫作業を行える機械があれば便利だと感じる方も多いでしょう。
ハンディミシンとは？
もし卓上型のミシンを購入するには躊躇しているが、裁縫がうまくできる自信がないと感じている場合、ハンディミシンが一つの解決策として浮かぶかもしれません。
「ハンディミシン」と検索すると、時には買ってはいけない、うまく縫えない、糸が抜けてしまうといった否定的な意見が目につくこともあります。それでは、実際にハンディミシンはどのような特徴を持つものでしょうか。
ホッチキスのような形
ハンディミシンは、文房具のホッチキスを大きくしたような形状をしている便利な機械です。大体のサイズは20cmから30cmほどで、コンパクトに設計されています。
本体の横には、糸を巻いたボビンが取り付けられています。縫いたい部分を押さえの部分に挟み込み、針を留めるためにホッチキスの要領で押すことで縫い進めることができます。
布を台の上に置かずとも、直立した状態で縫うことができるため、カーテンを取り付けたままほつれを直すことや、スカートやパンツを履いたまま裾上げを行うことが可能です。
手動と電動がある
ハンディミシンには、手動と電動の2種類が存在します。それぞれの特徴を以下にまとめました。
- 手動のハンディミシン
- 価格:500円～1,000円程度
- 向くもの:薄手の布地
- 特徴:小型で持ち運びが簡単。均等に力をかけるなどのコツが必要
- 電動のハンディミシン
- 価格:1,000円～3,500円程度。電池式が安価で、アダプタやUSBケーブルからの給電が可能なものは価格が高くなる傾向があります。
- 向くもの:薄手から厚手まで対応可能。デニムを縫えるものも存在します。
- 特徴:強力な馬力を持っており、低速と高速の選択が可能なモデルもあり、子供でも扱いやすいです。
普通のミシンのように上糸と下糸がない
一般的なミシンは上糸と下糸の2種類が存在し、これらの糸が絡み合うことで、返し縫いを行う際に糸が抜けにくくなっています。しかし、ハンディミシンの場合は一種類の糸のみを使用します。チェーンステッチのような縫い目が特徴で、縫い始めと終わりには糸をしっかりと留める必要があり、留めないと縫い目が抜けてしまいます。
さらに、手動のハンディミシンを使用する際には、上から押すときに均等に力を入れないと縫い目が飛びやすく、ほどけることもあります。使いこなすためには、ある程度の練習が必要です。
ハンディミシンを買ってはいけない人
それでは、どのような人がハンディミシンを購入するべきではないのでしょうか。
玉止めや玉結びができない人
糸が抜けるのを防ぐためには、縫い始めと縫い終わりにしっかりと糸の始末を行う必要があります。玉止めや玉結びができない方には、ハンディミシンは扱いが難しいと言えるでしょう。
ハンディミシンには、簡易的な説明書が付いていることが多いですが、使い方について詳しい説明がない場合もあります。動画サイトでは、ハンディミシンの使い方を紹介しているものもありますので、参考にしてみるのも良いかもしれません。
ただし、糸がすぐに抜けるということは、生地を傷めることなくすぐに糸がほどけることを意味します。しつけ糸のように仮縫いでの使用を考えている場合には、糸を留める必要はありません。
大きいものを作りたい人
ハンディミシンは、裾上げやちょっとした修繕、またマスクなどの小物を作るのには向いています。しかし、縫い目の強度が弱いため、耐久性を求められるものを作るのは難しいでしょう。特に洋服などの大きな作品を作ることは避けた方が無難です。
購入する際の注意
ハンディミシンを購入する際には、いくつか注意すべき点があります。これから紹介するポイントをしっかりと把握して、商品選びの参考にしてください。
手動のハンディミシンは用途がかなり限られる
薄手の布の裾上げ程度でハンディミシンを使用するのであれば、持ち運びが便利な手動タイプでも問題ありません。しかし、力を必要とするため、小学生などの子供が使用するには難易度が高い場合があります。
特に、手動の場合は厚手の生地に対しては難易度が上がり、雑巾を縫うことすら苦労することがあります。一方で、デニムなどのある程度の厚さを持つ生地を縫う場合には、電動タイプを選ぶと良いでしょう。
また、低速・高速のモードを選べる場合は、慣れない人でもゆっくりとしっかりと縫い進めることができ、縫いにくい部分を確認しながら作業を進めることが可能です。
電池式は電源がない場所でも使用できるため非常に便利ですが、使用頻度が高いと電池が消耗し、電力が不足すると力が落ちることも考えられます。長時間の使用を考慮するのであれば、アダプタやUSBケーブルで給電ができるタイプの方が適しています。
糸や針など道具が一式付いていた方がいい場合も
ハンディミシンの中には、必要な道具が一式セットになっている製品もあります。少々価格は高くなるかもしれませんが、ミシン糸やミシン針、替えのボビン、糸通しが同梱されていると非常に便利です。
布に応じて糸の色を選択できるほか、替えのボビンがあれば事前に使う糸を巻いておくことができ、予備のミシン針があれば、万が一の折れた場合にも安心です。糸通しがあれば、視力に不安のある方でも容易にセットアップできるため、必要な時にすぐに作業に取り掛かりやすく、ストレスを感じにくいでしょう。
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