買ってはいけない!国際ロマンス投資案件

マッチングアプリを通じて出会った海外の恋人。その恋人から囁かれる情熱的な愛の言葉は、これまでの人生で経験したことがないほどのものでした。

夢心地なやりとりが続く中、突然、投資の話を持ちかけられました。「私たちの未来のために、絶対に利益が出るから出資してほしい」と恋人から頼まれるのですが、果たしてその投資案件は本当に購入してよいものなのでしょうか、それとも手を出すべきではないのでしょうか?

国際ロマンス投資詐欺が急増中

結論から申し上げますと、絶対に購入してはいけません。これは、近年急増している「国際ロマンス投資詐欺」の典型的な手口の一つです。

では、この詐欺の手法について具体的に整理してみましょう。大まかな流れは以下の通りです。

– マッチングアプリを利用して、外国人を名乗る異性から接触がある。
– 「あなたに非常に魅力を感じている」といった強い好意を示す言葉をかけられる。
– 「よりスムーズにやりとりをするために」と、LINEなどのSNSツールへ移行させられる。
– 日常的な会話を重ねることで、信頼を築く。
– 投資サイトを紹介される。
– 初めは少額の投資を勧められ、少しの利益が出る。
– さらに高額な投資を促され、大金を送金する羽目になる。
– 税金や手数料などの口実をつけて、何度も送金を強いられる。
– 最終的には相手や投資サイトの運営者と連絡が取れなくなる。

このような手口で、何千万円もだまし取られたという事例が多数報告されています。中には、騙されていることに気づかずに、突然音信不通になった恋人を心から心配し、必死に連絡を取り続けている人もいます。
「恋は盲目」という言葉が、まさにこの状況を表しているのではないでしょうか。

投資の対象は仮想通貨など

国際ロマンス投資詐欺でよく取り扱われるのが、仮想通貨(暗号資産)やFXなどの金融商品です。これらは海外での取引であるため、見破られにくいという特徴があります。また、詐欺サイトの運営者から送られてくるメールも、しばしば片言の日本語だったりします。
例えば、以下のような内容です↓

「尊敬するユーザー。私たちはあなたの出金オーダーを受信しました。取引プラットフォームは日本の行政に登録されていますが、税務は日本政府が管理していないため、投資利益が50000ドルを超える場合、20%の個人所得税が必要です。そのため、該当の金額を入金後、あなたはプラットフォームの口座の金額を支配することができます。」

詐欺メールには、元々日本語が不自然なものが多いですが、最初から海外の取引であることを前提にして、その不自然さを逆手に取っているのかもしれません。

投資案件以外の場合もある

また、マッチングアプリで出会った相手からの提案は、必ずしも投資案件に限られないこともあります。

– 「日本に行ってあなたに会いたい。先に荷物を送ったので、預かっておいてほしい」と言われ、承諾すると、後日税関を名乗るところから税金や手数料の名目で多額の費用を請求されることがあります。相手に会えば返してもらえると信じ、その費用を立て替えて支払ってしまうのです。

– 「自分には身内がいないので、結婚して自分の財産をあなたに譲りたい」と言われ、その気になっていると、「法的な問題が発生したため、解決するために弁護士費用が必要なので、一時的に立て替えてほしい。後で必ず返すから」といった話になり、多額の費用を送金することになる場合もあります。

こうした手の込んだ詐欺には驚かされますが、被害に遭う側にとっては全く洒落になりません。だまし取れる金額が大きいため、詐欺師は時間をかけてストーリーに信憑性を持たせる工夫をしているのです。

キャラクター作りにも隙がない

このような詐欺に引っかかるためには、ターゲットを「恋は盲目」という状態にしなければなりません。そのため、詐欺師は架空の恋人としてのキャラクター作りにも細心の注意を払っています。

実在の人物だと思わせるために、SNSなどから同一人物の自撮り画像をいくつも集め、まるで自分の日常生活の一部であるかのようにターゲットに送ってきます。

設定としては、実業家や資産家であることが一般的です。金銭的に余裕があると装うことで、恋人としての魅力を高めると同時に、社会的にも信頼できる人物だという印象を与えることを狙っています。

さらに、紛争地帯に派遣される兵士などを装うこともあります。恋人が戦地に赴くと、まるで映画のようなロマンティックな状況を作り出し、危険を伴う相手に対して何でもしてあげたいという気持ちを引き出す手法です。

男女とも被害に遭っている

国民生活センターに寄せられた国際ロマンス投資詐欺に関する相談件数を見ると、2020年には男性からの相談が70%を占めていましたが、2021年には女性からの相談も約40%まで増加しています。年齢層としては、やはり婚活をしている層が多いですが、高齢者が被害に遭うケースも見受けられます。

高齢者と国際ロマンスが結びつくことは少ないように思えますが、特殊詐欺の事例を見てもわかる通り、高齢者は騙されやすい傾向がありますので、特に注意が必要です。詐欺師にとっては、相手が男性であろうと女性であろうと、若者であろうと高齢者であろうと、騙されてお金を渡してくれればそれで構わないのです。
「自分の場合は違う。あの人は絶対にそんな人ではない」という思い込みは、非常に危険です。

マッチングアプリで出会った相手からお金に関する話が持ちかけられた場合、最初に詐欺の可能性を疑うことが重要です。

まとめ

以上の内容をもって、本記事は終了となります。マッチングアプリで出会った海外の異性から持ちかけられた投資案件には、絶対に手を出さないようにしましょう!

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