メープルシロップは、パンケーキやワッフルのトッピングとして一般的に使われていますが、その魅力や安全性について詳しく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、メープルシロップの多様な種類や特徴、さらにどのようなメープルシロップを避けるべきかについて詳しくご紹介いたします。
そもそもメープルシロップとは？
メープルシロップは、サトウカエデという特定のカエデの木から得られる樹液を煮詰めて作られる天然の甘味料です。
その色合いは琥珀色や褐色で、特有の風味と高い栄養価が際立っています。
さらに、サトウカエデの自生する地域は世界的に見ても限られているため、特にカナダの名産品として広く知られています。
メープルシロップの特徴
カエデの樹液から作られるメープルシロップについて、続いてその特徴を詳しく見ていきましょう。
①栄養素が豊富
サトウカエデの樹液を煮詰めることで生成されるメープルシロップには、さまざまな栄養素が豊富に含まれています。
メープルシロップ100gあたりの成分値
・カルシウム(mg)：75
・カリウム(mg)：230
・マグネシウム(mg)：18
・マンガン(mg)：2.01
・亜鉛(mg)：1.5
（日本食品標準成分表2015年版(七訂) より引用）
このように、メープルシロップは現代の日本人にとって不足しがちなミネラルやビタミンをバランスよく提供してくれます。
②炎症を抑制してくれる
メープルシロップは、採取されたメープルウォーターを煮詰める過程で生成される特有のポリフェノールを含んでいることが研究で明らかになっています。
ポリフェノールは多くの植物に存在する成分で、苦味や色素の源となり、強い抗酸化作用を持ちます。これにより、活性酸素などの有害物質を無害化する効果があります。
メープルシロップに含まれるポリフェノールの抗酸化作用は、体内での炎症を抑える助けとなります。
③無添加・無着色で安心安全
メープルシロップは、農薬や着色料、さらには添加物などの化学物質を一切含まない自然の産物です。
高温で煮詰めることにより殺菌されるため、赤ちゃんでも安心して食べられる安全な甘味料として知られています。
④肝臓保護効果と肥満を抑制する可能性がある
東京大学大学院の研究チームによる動物実験では、メープルシロップが肝臓を保護する効果や、肥満を抑制する可能性があることが世界で初めて報告されました。
メープルシロップの種類
日本国内で流通しているメープルシロップのほとんどは、カナダから輸入されたものです。
現在、販売されているカナダ産メープルシロップはすべて「グレードA」に分類されており、厳しい品質基準を満たしています。
メープルシロップは樹液の採取時期によって色や風味が異なり、「グレードA」に分類されるカナダ産メープルシロップは、光の透過率やメープルシロップ特有の風味の強さによってさらに4つの「グレード」に細分化されています。
①ゴールデン（デリケートテイスト）
最も淡い色合いのメープルシロップで、初期に採取された樹液から作られます。
ポチップその繊細な味わいは特徴的で、料理にそのままかけて楽しむのに最適です。
②アンバー（リッチテイスト）
透明感のある美しい琥珀色をしたメープルシロップです。
ポチップゴールデンの次に採取されたメープルウォーターから作られるこのシロップは、最も多く流通しているため、スーパーなどで目にしたことがある方も多いでしょう。
③ダーク（ロバストテイスト）
アンバーよりも暗い褐色のメープルシロップです。
このシロップは、アンバーの後に採取された樹液を煮詰めて作られ、メープル独特の風味が一層強くなっています。
④ベリーダーク（ストロングテイスト）
コーヒーのような深い色合いを持つメープルシロップです。
ポチップこのシロップは、樹液の採取が最も遅い時期に作られ、濃厚なメープルの風味が特徴的です。
そのため、味わいは非常に濃厚で、メープルの風味が最も強く感じられるグレードとなっています。
買ってはいけないメープルシロップとは？
これまでにメープルシロップの特性やその種類について詳しくご紹介してきました。
メープルシロップ自体は健康に良い食品として知られていますが、類似品が多く流通しているため、選ぶ際に注意が必要です。
ここでは、買ってはいけないメープルシロップのポイントをいくつかお伝えします。
①メープル「風味」のシロップ
価格が安いもので、砂糖や水あめ、ぶどう糖果糖液糖をベースに、香料を加えてメープルシロップ風に仕上げた製品が販売されています。
これらの製品には、実際には1滴たりともメープルシロップが含まれていないことが多いのです。
商品名に「メープル」や「メープルシロップ」と記載されている場合は、まずは原材料表示を確認することをお勧めします。
②容量の多すぎるメープルシロップ
最近では、食品をインターネットで購入する方が増加しています。
オンラインショップでは、大容量のメープルシロップをお得に入手できることが多いですが、開封後は冷蔵保存が必須であることに注意が必要です。
メープルシロップは、はちみつとは異なり、常温保存をするとカビが生えるリスクがあります。
また、大きな容器では内部で結露が生じ、それがカビの繁殖を引き起こす原因となることもあります。
冷蔵庫での保存スペースが必要になりますし、頻繁には使わない方は小さめの瓶に入ったものを購入することをお勧めします。
最後に
メープルシロップは、その栄養価が高く、濃厚な味わいが日常の食事に華やかさを加えてくれます。
また、グレードや産地による微妙な風味の違いも楽しむことができます。
ぜひメープルシロップを生活に取り入れて、日常生活に新たな深みを加えてみてはいかがでしょうか？
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