手書きの帳簿を利用している方々の中には、会計ソフトに移行したいと考える方も多いことでしょう。しかし、クラウド型の会計ソフトは毎月の費用負担が大きいと感じる方もいれば、インストール型のソフトは更新作業が煩わしいと感じる方もいます。サポート料が別途発生することもあり、悩みは尽きません。そんな中、実は無料で利用できる会計ソフトが存在することをご存知でしょうか。
会計ソフトは有料ではないの?
会計ソフトの中には、特にクラウド型を中心に、無料のお試し期間を設けているものが多数あります。以下に、代表的な無料期間の例を挙げてみましょう。
- freee…最大30日間
- マネーフォワード(クラウド会計・クラウド確定申告)…1ヶ月
- やよいのオンライン(弥生会計オンライン・やよいの青色申告オンライン)…1年間
一般的には30日程度の無料期間が多い中、弥生会計のクラウド型はなんと1年間も無料で利用できるという、非常に魅力的な条件を提供しています。これにより、じっくりと1年間試してみることができ、自分に本当に合っているかどうかを確認することができるでしょう。
一定の制限がある
ただし、無料の会計ソフトにはいくつかの制限が存在します。多くのソフトは、ユーザーからの利用料を取らない代わりに広告収入に頼る形をとっています。そのため、帳簿入力の画面に広告が表示されることがあるのです。また、白色申告のみを無料で対応している会計ソフトも存在します。
さらに、町内会などの非営利団体向けに開発された会計ソフトの場合、確定申告書の作成機能が含まれていないこともあります。そのため、無料で利用できるというメリットはあるものの、メールやチャット、電話による手厚いサポートは受けられず、自分で問題を解決しなければならない場面も出てくるかもしれません。
無料の会計ソフト 4選
フリーウェイ経理 無料版
フリーウェイ経理の無料版は、個人事業主や小規模な法人に最適な会計ソフトです。このソフトはダウンロードしてパソコンにインストールする形式で、Windows8.1・10・11の各バージョンのパソコンに対応しています。
フリーウェイ経理を使う際には、インターネットに接続している必要があります。ソフトウェアの不具合修正や税制の変更、機能の追加なども無料で行われ、追加費用がかかることはありません。ただし、電話やメールでのサポートは対象外となるため、解説動画やマニュアル、よくある質問を参照しながら自力で問題解決を行うことが求められます。
実際に会計事務所で使用されていることも多く、顧問先と同じ会計ソフトを利用することで、経理データのやり取りが非常にスムーズに行えるメリットもあります。
やよいの白色申告オンライン フリープラン
弥生会計には、個人で白色申告を選択している方専用の無料プランがあります。このクラウド型ソフトは、インターネットが使える環境であれば、WindowsやMacのパソコンの両方で利用可能です。
経理データは、アプリを通じてスマートフォンからでも簡単に入力できるため、非常に便利です。クラウドの特性を活かし、銀行明細やクレジットカードの利用明細をオンラインで取り込むことができます。また、レシートや領収書の画像をカメラでスキャンすることで、取引を自動的に仕訳することも可能です。
確定申告書の作成も自動で行うことができ、e-taxでの提出にも対応している点は大きな強みと言えます。ただし、分からないことがあってもメールやチャットでの質問ができないため、疑問点はよくある質問集を参考にして自分で解決する必要があります。
円簿青色申告・円簿会計
円簿青色申告は個人事業主向け、円簿会計は法人向けの会計ソフトです。このソフトは広告収入を背景に、永年無料で使用できるとされています。本格的に導入する前に体験サイトが用意されており、操作を試すことができます。
Yahooのアカウントがあれば、すぐにサイトにログインすることができますし、メールアドレスでのアカウント登録も可能です。弥生会計から会計データを取り込むこともできるため、既存のデータを活用することができるのも嬉しいポイントです。
このソフトはクラウド型であり、パソコンへのインストールは不要です。インターネットに接続さえすれば、ブラウザから簡単に利用できます。また、充実した動画マニュアルやQ&Aサイトが用意されているため、初心者でも安心して利用することができるでしょう。
さらに、データは2ヶ所のクラウドに保存されており、税制の変更に伴うアップデートも利用者が手動で設定する必要はありません。パソコン、タブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスで操作可能で、OSに依存せずWindowsでもMacでも利用できます。
確定申告の時期や締切が近づく3月中旬頃には、利用者が集中し、アクセスが難しくなることがあるため、その点には注意が必要です。取引を入力しても認識されなかったり、データが二重に登録されてしまうことがあるため、慎重に作業を進めることが求められます。
ちまたの会計
ちまたの会計は、町内会やサークル活動などの任意団体、さらには各種イベントのために設計された非営利団体向けの会計ソフトです。確定申告書の作成はできませんが、基本的な帳簿付けが可能で、簿記を始めたばかりの初心者でも取り組みやすい設計になっています。
このソフトはWindowsやMac、スマートフォンやタブレットなど、機種を選ばずに使えるクラウド型ですので、お手持ちのデバイスで気軽に利用することができるため、多くの方に人気があります。
簿記の知識がなくても、お小遣い帳や家計簿をつける感覚で簡単に帳簿を作成できます。対応する書類は現金出納帳、預金出納帳、収支計算書、収支予算書の4種類で、手書きで表を作成する場合に比べて、間違いがあった際の訂正も簡単で、労力を大幅に減らすことができます。表計算ソフトの操作に慣れていない方でも無理なく作成が可能です。
年度末など、会計担当が変更になる場合でも、アカウントをそのまま引き継ぐことができるため、スムーズに業務を続けることができます。
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