スーパーの鮮魚コーナーで見かけるねぎとろ。夕ご飯に買う方も、多いのではないでしょうか。
しょうゆをかけるだけでおかずになる、そんな手軽さも魅力ですよね。
ですが、ねぎとろは生ものであるにもかかわらず、お刺身と比べると安く売られている気がしませんか?
「切り身には手が出ないけど、ねぎとろなら買いやすい」
そんな風に思われている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
ここではそんなねぎとろの裏側について、お話していきたいと思います。
安価なマグロを使用している
ネギトロとは、本来はマグロの骨についた中落ちなどを使っているため、1匹からとれる量は少なく、スーパーで大量に出回ることはありません。
さらに、職人の手で丁寧に処理された高級部位とは違い、安定供給を実現するためには、コストパフォーマンスを優先した仕入れが求められるのです。
そのため、スーパーで売られているねぎとろは、ビンチョウマグロなどの安価なマグロの身を加工して作られています。
さらには、マグロではなく、白身魚から作られるねぎとろも出回っているといいます。
こうした背景には、消費者にとっての手頃な価格設定を実現するための工夫が隠されています。
ここで「安価なマグロや白身魚を使っているから、安いねぎとろが買えるのでは」と思われるかもしれません。
しかし、スーパーのネギトロに使われている安価なマグロの身には、本来のものに比べて脂がのっていないため、あのトロっとした食感をだすことはできません。
※本来のねぎとろの美味しさは、脂の乗った濃厚な味わいにありますが、低価格を実現するために加工が加えられているのです。
ではなぜスーパーで売られているネギトロには脂がのっているように見えるのでしょうか。
添加物が多い
ねぎとろを買った時に、商品に付いている成分表示を見たことはありますか?
実は、安く売られているねぎとろには、様々な添加物が含まれており、その一部が見た目のトロっとした食感を演出しているのです。
・植物性油脂
・食用精製加工油脂
・酸化防止剤
・PH調整剤 他
成分表示は、含まれている量が多いものから記載されます。
ねぎとろの成分表示をみてみると、マグロの次には食用植物性油脂などの油が載っており、これこそがねぎとろのトロとした食感の正体なのです。
※添加物で補われた脂質は、見た目には本物の脂のように映りますが、健康面での懸念もあるため注意が必要です。
つまり、スーパーで売られているねぎとろは、安価なマグロの身に様々な油を添加したものということになります。
次に載っている食用精製加工油脂とは、内容は様々なものがありますが、トランス脂肪酸が含まれているショートニングの可能性があります。
トランス脂肪酸を摂取すると、LDLコレステロールを増加させて善玉コレステロールを低下させるので、動脈硬化の原因となり、狭心症や心筋梗塞のリスクを挙上げてしまいます。
トランス脂肪酸の摂取は控えるようにと勧告されているのです。
さらに、酸化による色や風味の劣化を防ぐための酸化防止剤や、品質の低下を防ぐためのPH調整剤などが加えられており、これらの添加物が「生ものらしからぬ」印象を与える原因となっています。
表示にも注意?本マグロ100%の罠
「本マグロ100%」と聞くと、添加物などの余計なものが入っていないように聞こえませんか?
実はこれにも注意が必要です。
先ほど、ねぎとろには安価なマグロが使われているとお話ししましたが、その中には複数のマグロを使用しているケースもあります。
複数のマグロや白身魚を使用せず、本マグロのみを使用したねぎとろには「本マグロ100%」と表示することができ、もちろん虚偽の表示ではありません。
しかし、これは本マグロのみを使用しているというだけで、添加物が入っていないということではありません。
※商品名だけで購入を決めず、必ず成分表を確認することが重要です。
正しい選び方と摂り方は?
最初にお話ししましたが、ねぎとろはスーパーで安価で出回る食材ではありません。
スーパーで売られているねぎとろを買う際は、必ず成分表を確認することをおすすめします。
使われている魚の種類や、添加物の種類をしっかりチェックし、本来のねぎとろに近いものを選ぶようにしましょう。
さらに、栄養価や健康効果は大きく変わっているため、摂り方にも注意が必要です。
例えば「魚には身体に良いDHAやEPAが多く入っているから、ねぎとろをいっぱい食べよう」と考えたとしても、
添加物が使用されていないねぎとろであれば健康効果が期待できる一方、食用精製加工油脂が添加されたねぎとろでは、かえって悪玉コレステロールが高くなる可能性もあります。
また、添加物は一般的に即座に有害とはされないものの、長期間多量に摂取すると健康に影響を及ぼす可能性があるため、頻繁に購入するのは避けるのが賢明です.
いかがでしたでしょうか?
安価で子どもにも人気の高いねぎとろは、家庭の食卓に並ぶことも多いと思います。
また、忙しい現代人にとって、手軽に栄養補給ができる点は大きな魅力です。
しかし、品質や健康面に配慮した選び方をするためには、成分表や使用されている魚の種類をしっかり確認することが不可欠です。
ねぎとろは出来上がったものを購入するだけではなく、家庭で作ることも可能です。
添加物の入っていない新鮮な切り身を購入し、包丁でたたいて少量の油やマヨネーズなどを加えることで、近い味わいのねぎとろを自宅で再現することができます。
より安全なものをとお考えの方は、手作りという選択肢もおすすめです。
また、外食で良いお店に行った時に、本来のねぎとろを堪能するのもひとつの贅沢と言えるでしょう。
※自分の食生活や健康状態に合わせて、適切な摂取方法を選びましょう。
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