買ってはいけない胃腸薬

ストレスが蓄積すると、自宅で一人で飲酒をする際に、つい飲みすぎたり食べすぎたりしてしまうことがありますよね。

単に飲みすぎてしまった場合、病院に行かなくても、時間が経つことで自然に回復することが多いですが、それでもやはり薬に頼るケースが多く見られます。

ここでは、手軽に利用できる胃腸薬の中でも特に「胃・十二指腸潰瘍に用いる薬剤」について考えてみましょう。

胸やけの原因


胸やけが発生するのは、胃酸が食道の方へ逆流してしまうためです。食道は胃酸によって傷つく危険がある一方で、胃の粘膜は胃酸が豊富に存在しても耐えることができます。これは、胃の粘膜が厚い粘液に守られているからです。飲酒による胃の不快感は、アルコールから変化するアセトアルデヒドが脳を刺激することと、この粘液が溶けてしまい、胃壁が直接胃酸の攻撃を受けてしまうことで、胃が荒れるために起こります。

胃・十二指腸潰瘍の薬は7種類で十分


世界の医学の教科書に掲載されている胃・十二指腸潰瘍の治療に使用される薬剤は、次の7つです。
1.胃酸を中和する制酸剤
2.胃潰瘍の表面に膜を形成し、胃酸の攻撃から守るスクラルファート
3.副交感神経を抑制する薬剤(胃酸分泌を抑え、胃けいれんを緩和)
4.H2ブロッカー(胃酸を抑える作用)
5.プロトンポンプ阻害剤(胃酸の分泌を抑える)
6.非ステロイド抗炎症薬による潰瘍の発生を抑えるミソプロストール
7.ピロリ菌を排除するための抗生物質

しかし、日本にはこれに加えて30種類以上の不要な薬剤が存在しています。その中には効果がないどころか、逆に危険なものや高価なものも含まれています。

日本での評価が低いスクラルファート

上記の2で挙げたスクラルファートは、国際的には高く評価されていますが、日本ではその評価が低く、さらに安価であるため、あまり使用されることがありません。これは、日本の中外製薬が開発したアルミニウム化合物で、胃酸を中和する効果があり、潰瘍面のタンパク質と結合して膜を張り、胃酸の攻撃から胃を保護する役割を果たします。全身的な感染症などのリスクが低いため、非常に優れた薬剤です。

副作用が多いH2ブロッカー


ガスターという商品名で広く知られるH2ブロッカーは、その効果が確かな一方で、せん妄、つまり急性の認知機能障害を引き起こす可能性が高い薬剤です。多くの患者に使用されているにもかかわらず、せん妄や自己免疫疾患の悪化、感染症の悪化などが起きることはあまり知られていません。市販の薬にも使用され、広告も頻繁に行われていますが、長期間の使用は非常に危険です。

上記の7つの薬剤は、確かに必要であるものの、長期的に使用することで副作用が出てくることもあります。そして、特に危険な薬剤も存在しています。

危険な胃・十二指腸潰瘍の薬

薬剤 ・一般名(商品名)の順に列挙します。

亜鉛化合物 
・ポラプレジンク(プロマック顆粒)
胃を刺激し、潰瘍が逆に悪化する可能性がある。量が増えると、さらに胃を刺激することになる。さらに、高価な薬剤でもあります。

強力精神安定剤系潰瘍剤
・スルピリド
(アビリット、ケイチール、スルピリド、ドグマチール、ミラドール、クールスパン、ピリカップル、ベタマック、マーゲノール)
高齢者ではパーキンソン病やうつ病、痴呆症状が現れることがある。筋肉の不随意な動きが起こり、精神異常と誤解されて向精神薬が処方されることもあります。

止血剤系
・ベネキサート(ウルグート、ロンミール)
脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高め、再発しやすくなる危険性があります。

まとめ

単なる胃腸薬や十二指腸潰瘍の治療薬だと思って安易に服用すると、思いがけない副作用が現れることがあります。薬を服用する際には、価格だけで判断したり、医師や薬剤師の説明をそのまま受け入れるのではなく、しっかりと内容を調査した上で服用することが非常に重要です。また、どの薬剤においても長期間の服用は避けるべきです。

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