孤独感や人恋しさを感じる瞬間、ペットの存在は心を癒してくれます。特にハムスターはその小さな体と愛らしいつぶらな瞳、そして静かな鳴き声が魅力で、1人暮らしの方やワンルームに住んでいる方にも飼いやすいペットとして非常に人気があります。
あなたは「ハムスターは簡単に育てられそうだし、飼ってみたいな」と考えているのではないでしょうか?
実は、ハムスターは手軽に飼うことができるペットではありません。
この記事では、ハムスターのさまざまな種類の紹介や、個体の選び方、さらにはハムスターアレルギーについて掘り下げながら、「なぜハムスターは手軽に飼えないのか?」を詳しく解説していきます。これからハムスターを飼おうと考えている方にとって、非常に参考になる内容ですので、ぜひご覧ください。
ハムスターの種類
ハムスターといえば、まず思い浮かぶのはジャンガリアンハムスターやゴールデンハムスターではないでしょうか。他にもさまざまな種類が存在します。
ペットショップで購入できる代表的なハムスター
ジャンガリアンハムスター
このハムスターは体長が7㎝から12㎝程度で、ハムスターの中でも特に小型です。体重は30~40gと軽く、性格は温和で人懐っこいので、「手乗り」としても人気があります。
ゴールデンハムスター
大きさは約18㎝で、体重は95gから150gとなります。人懐っこい性格でおっとりしており、飼い主の声や匂いを覚えるため、愛情を注いでくれる人に対して非常に懐いてくれます。
キンクマハムスター
こちらも大きさは18㎝程度で、体重は85~150gです。キンクマハムスターは非常に人懐っこく、穏やかな性格を持つため、飼いやすいと評判です。アプリコットの毛色が特徴的で、ゴールデンハムスターから品種改良された種です。
キャンベルハムスター
大きさは約10㎝前後で、体重は30~40gです。ジャンガリアンハムスターに似ているものの、非常に臆病で警戒心が強い性格を持っています。野生での生息環境からくる気の強さもあり、気の合わない個体同士では喧嘩をすることもあるため、同じゲージで飼う際には注意が必要です。
ロボロフスキーハムスター
このハムスターは、全体の大きさが6㎝前後で、体重は15~40gと非常に小型です。性格はとても臆病で神経質なため、手乗りとしてのコミュニケーションよりも、その愛らしい姿を観賞するためのペットとして向いています。色は白と薄茶色で、眉のあたりが白いのが特徴的です。
チャイニーズハムスター
体長は約10㎝前後で、体重は28~41gです。他のハムスターに比べて尻尾が長く、スリムな体型が特徴的です。おとなしくて頭が良いハムスターですが、無理に捕まえたり、怖がらせたりすると警戒してしまうため、優しく撫でて可愛がることが大切です。日本では1980年代からペットとして人気があります。
ペットショップでの個体の選びかた
ハムスターを迎えるには、一般の人から譲ってもらったり、ペットショップで購入する方法があります。できれば、ハムスターを飼っている人や詳しい人と一緒に選ぶのが理想的です。
注意することは?
①お尻が汚れていない(下痢していない)か。
ゲージ内でお尻のあたりが汚れているハムスターがいる場合、他の個体も体調を崩している可能性が高いです。
②毛並みや毛艶が良く、ハゲがないか。
動物の健康状態は毛艶の良さによって判断されることが多いです。ショップでのストレスで毛が抜けてしまうこともありますが、自宅でのケアで回復する場合もあります。
③目ヤニや涙目になっていないか。
目の周りの毛が整っているかも観察し、健康状態を確認しましょう。
④個別飼育や値引きされているハムスター。
このようなハムスターを見つけると、優しい心を持った人であれば助けてあげたいと思うかもしれません。しかし、気質が荒いなどの問題を抱えている個体の可能性もあるため、注意が必要です。飼育経験者からは「その後の飼育が大変な子が多かった」という声もあります。
ハムスターを買ってはいけない人とは?
ハムスターは比較的安価で、可愛い見た目も相まって、思わずひと目ぼれで購入してしまう人も少なくありません。
後悔した理由には、どのようなものがあるのでしょうか。
- 思っていたより懐いてくれない
- 不注意で脱走してしまい、捕まえるのが大変だった
- 思いっきり噛まれて激痛を感じた
- ゲージの掃除が想像以上に手間だった
- 長期間の旅行や帰省が難しくなった
- エアコン代がかかる
このような理由が挙げられています。
焦って慣れさせようとしない
ハムスターは、犬や猫に比べると非常に臆病な生き物です。多くの人から一度に触れられたり見られたりすることに対して恐怖を感じることがあります。特にペットショップから迎え入れた場合、さまざまな人の声やゲージをつつく音などでストレスを感じていることもあります。そのため、そうした子を迎えた後は「人間は怖くない」と、焦らずに学習させることが大切です。
排泄物に抵抗はない?電気代もかかります!
ゲージの掃除は基本的に毎日行いたいものですので、排泄物の処理に抵抗がない方でないと厳しいでしょう。野生のハムスターは暑いときに穴を掘って体を冷やすことがありますが、家庭で飼う場合は地面に穴を掘ることができないため、空調での温度管理が必要になります。春や秋は問題ありませんが、夏や冬はエアコンを1日中つけておく必要があります。
ハムスターアレルギーで重篤に!!
犬や猫にアレルギーがあるように、ハムスターにもアレルギーを引き起こす要因があります。ハムスターのフケや唾液、尿が原因でアレルギーが発症し、万が一噛まれてしまうと、血液を通じて全身に広がるため、呼吸困難や意識障害を引き起こし、重篤な状態になる可能性があります。実際に、アナフィラキシーショックによって過去に死亡した例も報告されています。
また、犬や猫は問題ないのにハムスターにだけアレルギー反応が出る方もいます。さらに、ハムスターを飼っていて喘息の症状が出るケースでは、子供よりも大人が発症することが多いです。ハムスターアレルギーがある場合、原則として「飼育をやめるように」と医師から指導されることが一般的です。そうした事態を避けるためにも、飼育を始める前にアレルギー検査を受けることを強くおすすめします。
まとめ
実際にペットショップなどでハムスターを目にすると、その可愛さに思わず心が和みます。しかし、価格が手頃である一方で、飼育は決して「手軽」ではないことがわかりました。ハムスターにもそれぞれの個性があり、すぐに慣れる子もいれば、慣れるまでに1年ほどかかる子もいます。「すぐに噛むから」「掃除が面倒だ」「繁殖して増えて困った」といった後悔の念を抱くことになってしまうのは、とても悲しいことです。後悔した人の意見も含め、すべてを受け入れられる心構えがあれば、きっとハムスターにとって素晴らしいパートナーとなれるでしょう。
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