最近では、本格的な缶チューハイが市場に多く登場しており、その味わいは居酒屋で楽しむものに非常に近づいてきていますね。この流行の背景には、コロナ禍における宅飲みの増加があり、これを受けてメーカーが力を入れて製品開発を行った結果と考えられます。
手頃な価格で、スーパーやコンビニエンスストアで簡単に手に入るため、頻繁に購入する方も多いのではないでしょうか。しかし、安易に選んだ缶チューハイを飲み続けることで、体に悪影響を及ぼす可能性があることを忘れてはいけません。
缶チューハイに記載されている原材料をじっくりと見てみると、聞き慣れない単語がたくさん並んでいることに気がつくでしょう。これらの多くは人工添加物で構成されており、また、使用されている焼酎自体も必ずしも質の高いものとは言えません。
本記事では、買ってはいけない缶チューハイの背後に潜む問題について詳しく探っていきます。せっかく楽しい時間を過ごすために選ぶ缶チューハイですから、心身ともに満足してもらえるよう、より良い製品を選びたいものですね。
チューハイとは?
まず、チューハイとは一体何かを理解することが重要です。買ってはいけない缶チューハイの紹介に入る前に、チューハイの基本的な定義について説明します。
チューハイとは?サワーとの違いは?
チューハイとサワーの間には、実際にはほとんど違いがありません。それは、原材料が非常に似通っているからです。
「チューハイ」という言葉は、「焼酎(しょうちゅう)」の「チュー」と「ハイボール」の「ハイ」が組み合わさったものだと言われています。しかし、法律上の厳密な定義がないため、焼酎やウォッカなどの無味無臭のスピリッツをベースに、果汁などを加えたものを指す広い意味を持っています。
一方で「サワー」という言葉は英語の「sour(酸味のある)」に由来し、基本的にはスピリッツをベースに酸味のある果汁と甘味の成分を加え、炭酸を加えたカクテルを指します。作り方の観点から見ると、「チューハイ」と「サワー」にはほとんど違いがないことが分かりますね。
缶チューハイの製造工程と原材料
缶チューハイは、どのような製造工程を経て製品化されるのでしょうか。
焼酎を作る方法としては、単一式蒸留法と連続式蒸留法の2つが存在しますが、缶チューハイに使用される焼酎は、主に安価かつ大量生産が可能な連続式蒸留法で製造されています。
さらに、焼酎には甲類と乙類の2種類があり、缶チューハイに用いられるのは、品質が劣る甲類です。これにより、缶チューハイは質の低いお酒を、低コストで大量に生産したものであるということができます。
たくさん入っている添加物
安価な缶チューハイには、多くの添加物が含まれています。これにより、原価率の低い食品添加物を用いて味を調整しているのです。具体的には、記載されている酸味料や香料、甘味料、防腐剤、着色料、さらにはビタミンCもすべて添加物に該当します。
添加物は体内に入ると肝臓で分解されますが、飲酒を行っている場合、肝臓はアルコールも同時に処理しなければならないため、アルコールの分解速度が遅くなります。さらに、ビタミンCは酸化防止のために添加されているもので、天然由来ではなく人工的なアスコルビン酸です。
耳慣れない原材料は、添加物であると考えておくのが良いでしょう。
酸味料
酸味料は一括表示が認められているため、消費者はどの酸味料が使用されているのかを知ることができません。安全性が確認されているクエン酸のようなものもありますが、中には人工的に合成されたものもあり、その安全性に疑問が残るものも存在します。表示がないため、何が含まれているのかわからないのは非常に不安ですね。
香料
香料も一括表示が認められており、様々な物質を組み合わせて食品が持つ香りと同じものを再現しています。中には有害な成分が含まれている可能性もあり、私たち消費者はその真実を知る手段を持っていません。
甘味料
缶チューハイにしばしば含まれる甘味料には、「アセスルファムK」や「スクラロース」があります。これらは砂糖の200〜600倍の甘さを持つため、少量の使用で済むため、製造コストを抑えることが可能です。
しかし、大量に摂取し続けることで、頭痛やめまい、視力の低下、さらに味覚障害などの症状が現れるという報告もあります。
ストロング系缶チューハイ
ストロング系缶チューハイは、アルコール度数が高いものを指します。一般的な缶チューハイがアルコール度数6%程度であるのに対し、ストロング系は8%以上のものが多いです。コストパフォーマンスが良く、飲みやすいため、手っ取り早く酔いたい方にとっては非常に魅力的な飲料でしょう。
レモンなどの柑橘系の味わいで気軽に楽しむことができ、人気がありますが、その中身は「アルコール+人工甘味料」となっており、「化学調味料を加えたアルコール」と批判されることもあります。その品質に関しては疑問が残ります。
ビールのようにじっくりと発酵して作られるわけではなく、製造が容易なため、メーカーにとっても都合の良い商品です。
口当たりが良くて美味しいため、ついつい飲みすぎてしまうこともあります。それによって体内に急激にアルコールが入り込み、許容量を超えて飲んでしまう結果、悪酔いを引き起こすことも少なくありません。また、これを続けてしまうと「アルコール依存症」にも陥るリスクがあります。
特に若い女性の間でアルコール依存症が増加しているのは、このストロング系缶チューハイが一因であると言われています。しかし、最近ではストロング系チューハイに関する懸念が広まりつつあり、メーカー側も新しい製品の販売を中止したり、販売数を減少させたりしているため、消費者が目にする機会も少しずつ減ってきているでしょう。
チューハイを自分で作ってみよう
缶チューハイを購入する際には、原材料が明確で、糖分の少ない果汁をベースにしたものや、添加物が少ないものを選ぶことが重要です。缶チューハイの品質が気になる方は、自分で作ることを検討してみると安心感が得られます。
ウイスキーや焼酎の中でも質の高い乙類を炭酸水で割るだけで、簡単にハイボールを作ることができます。お好みでレモンや柚子などの柑橘類を加えれば、無添加で安心な酎ハイを楽しむことができるでしょう。
焼酎の乙類には、血液をサラサラにする効果があるとも言われています。節約のために安価なものを選んで将来的に健康を損なうよりも、少し高価でも手間をかけても、安全で安心なものを選ぶことが重要です。
まとめ
アルコール度数9%のストロング系チューハイは、次第に姿を消しつつありますが、7%のアルコールは依然として存在しています。また、低い度数のものでも、たくさん飲んでしまえば結局は多量のアルコールを摂取することになります。
純アルコールの摂取量は、男性で1日40g、女性で20gが目安です。しかし、体質によってはこれ以下でも体調を崩してしまう可能性があるため、自分自身に合った適正なアルコール量を見つけて、健康的で楽しいお酒の時間を過ごしましょう。