安易に車椅子を買ってはいけない?その理由とは

一昔前と比べると、最近では多岐にわたる福祉用具を利用する機会が増えています。このような中、もし自分自身やご家族に車椅子が必要になった際には、どの車椅子を選ぶべきか悩むことがあるかもしれません。車椅子は、座って活動したり、外出を楽しむための重要な道具であり、用途や体に合った車椅子を選ぶことが非常に重要なポイントとなります。

本記事では、福祉用具の中でも特に移動手段において重要な役割を果たす車椅子の種類やその選び方について詳しく解説していきます。

車椅子の役割

車椅子の主な役割として、「座る」ことと「移動する」ことの2点が挙げられます。それぞれの役割について詳しく見ていきましょう。

座る

適切なサイズの車椅子やクッションを利用することで、これまでベッドの上で過ごすことしかできなかった方が、体を起こして座ることが可能になります。「車椅子に座ることができる」ということは、私たちが椅子に座って行う日常的な活動、例えば自分で食事を摂ったり、机で作業をしたりすることができるようになることを意味します。これにより、自分の生活の幅が大きく広がるのです。

移動する

移動の方法には、自分で動く場合と介助者の助けを借りる場合があります。いずれにせよ、移動が可能になることで、家庭内や外出先での様々な場所に行けるようになります。例えば、家の中でトイレに行くことができたり、外で買い物や旅行を楽しんだり、散歩に出かけることができるようになるなど、ベッドの上ではできなかった新たな挑戦ができるようになります。

車椅子の種類

日常生活の中で使われる車椅子は、大きく分けて4つのタイプが存在します。

普通型(自走型)車椅子

その名の通り、車椅子に座る本人が自らの手や足を使って、車椅子を動かしながら移動することができるタイプです。普通型といっても、多様な機能があり、ひじ掛け(アームレスト)や足置き(フットレスト)が取り外し可能なものや、体のサイズに合わせて座面の高さを調整できるものなど、選択肢は豊富です。

介助型車椅子

普通型に比べてタイヤが小さく設計されており、移動は車椅子に座る本人ではなく、介助者が押して行います。タイヤが小さいため、車椅子自体が軽量で、折りたたむことでコンパクトに収納できるため、外出時に車に載せる際には非常に便利です。

リクライニング型(ティルト型)車椅子

普通型車椅子よりも大きめの設計で、リクライニング型は背もたれの角度を調整でき、ティルト型は座ったまま座面の角度を変えることが可能です。両方の機能を兼ね備えている車椅子も存在しますので、選ぶ際には確認してみてください。また、多くのモデルでは背もたれが頭まで支えられる設計になっており、足置き台(フットレスト)を上に挙げることができるものもあります。普通型の車椅子に座ることが難しい方でも、ベッドから離れて外出や食事を楽しむためにおすすめです。

電動車いす

上記の3つの車椅子は人力で動かすのに対し、電動車椅子はその名の通り電気によって動く車椅子です。電動自転車のようにバッテリーを搭載し、手元にあるスティックやハンドルを操作することで車椅子を動かします。自らの手や足で車椅子を操作することが困難な場合でも、電動車椅子を使えば買い物などの外出が可能になるでしょう。車椅子のサイズなど一定の条件を満たせば、免許なしで歩道を走行することができるため、興味のある方は福祉業者に相談してみることをお勧めします。

付属品

・座面クッション:硬いものから低反発のものまで、さまざまな種類が揃っています。

・転倒防止バー:後ろに傾いて車椅子ごと転倒するのを防ぐためのものです。

・ブレーキ延長用レバー:片手で左右のブレーキをかける際に、ブレーキに手が届くように延長レバーを取り付けます。

・サポートシート:背もたれに取り付けるシートで、体を支え、座位姿勢を保つ手助けをします。

車椅子を使いたい場合はどうする?

車椅子の利用を検討している場合、レンタルと購入の2つの方法があります。それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

レンタル

姿勢や体調の変化に応じて車椅子を変更することができ、不要になった際には返却することができる柔軟性があります。また、定期的にメンテナンスも行われるため、安心して使用することができ、万が一壊れた場合でも修理や交換が可能です。車椅子を購入する場合は多くの費用が必要ですが、介護保険を利用したレンタルでは所得に応じて1~3割の自己負担で使用できることができます。レンタルの場合、外出先で使用する際には公共機関やショッピングセンターなどの貸出車椅子を利用でき、自宅やデイサービスなどで使用する場合には介護保険を活用してレンタルすることができます。

購入

毎日車椅子を利用して外出や仕事に出かける方は、自分の体型に合わせた車椅子を作ることで、身体への負担を軽減することができます。長期間使用することが見込まれる場合、初期費用はかかりますが、レンタルするよりも総コストを抑えられる可能性もあります。また、レンタル品に傷をつけることを避けたい方や、自分好みに車椅子をカスタマイズしたい方には、自由度の高い購入を検討することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。車椅子を利用することで行動範囲が広がり、さらには様々な活動や交流が可能になり、自分らしい生活を送る手助けとなることが期待されます。多様な車椅子が存在するため、ご自身やご家族の状態や体格に合わせて最適な車椅子を選んでみてください。

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