アロマディフューザーは、エッセンシャルオイルの香りを効果的にお部屋全体に広げるための装置です。「リラックスしたい」、「やる気を引き出したい」といった目的に応じて、香りを変えることで、その瞬間の気分に合わせた心地よい空間を演出することが可能です。最近では、加湿機能を兼ね備えたものや、デザイン性に優れた製品も多く販売されており、インテリアの一部として楽しんでいる方も少なくないのではないでしょうか。ところで、「ペットがいる家でアロマディフューザーを使っても大丈夫なの?」と疑問に感じたことはありませんか?実は、知らず知らずのうちに、大切な家族の一員であるペットにとって危険な環境を提供している可能性があるのです。今回は、ペットを飼っている方がアロマディフューザーを使用する際の注意点と、ペットにとって危険なエッセンシャルオイルについて詳しくご紹介します。
アロマディフューザーの種類
・加熱式アロマポットにエッセンシャルオイルを数滴垂らし、キャンドルや電気の熱を利用して温めることで香りを拡散させる方式です。・噴霧式アロマドロップ式やネブライザー式などがあり、オイルの原液を噴射して香りを広げるタイプです。・リード式リードと呼ばれるスティックをオイルの入ったボトルに差し込み、オイルを吸い上げて香りを放出するタイプです。・超音波式水にエッセンシャルオイルを加え、超音波でミスト状にして香りを拡散させる方式です。
アロマディフューザーがペットにとって危険な理由
アロマディフューザーは、エッセンシャルオイルを蒸発または気化させ、その香りを広げる仕組みです。拡散されたオイルがペットの体内に取り込まれると、肺炎を引き起こすおそれがあり、呼吸器系に深刻な影響を与える可能性があります。さらに、猫や犬、ウサギなどの動物は頻繁に毛づくろいを行いますので、体に付着したオイルを舐めてしまう危険性があります。また、オイルは皮膚からも吸収されることがあるため、皮膚の炎症を引き起こすリスクが存在します。
エッセンシャルオイルとは
エッセンシャルオイル(精油)とは、蒸留や低温圧搾によって植物の花や皮、樹皮、根、種子などから抽出された天然の100%オイルのことを指します。リラックス効果があるものや抗菌作用を持つものなど、その特性によって多様な効果や使用方法が存在します。また、香りを活用して心と体のバランスを整えるアロマセラピーにも広く利用されています。
エッセンシャルオイルがペットにとって危険な理由
猫や犬といった動物の嗅覚は、人間の数十万倍から数百万倍とも言われており、彼らは香りに非常に敏感です。例えば、人間でも香水の香りが強い人の近くにいると気分が悪くなることがありますよね。長時間エッセンシャルオイルの香りを嗅ぎ続けることは、ペットにとって非常にストレスとなり、健康を損なう原因となることがあります。さらに、動物は匂いを通じてコミュニケーションを行い、周囲の情報を得るため、嗅覚は非常に重要な役割を果たしています。エッセンシャルオイルの強い香りは、嗅覚を通じて得られる情報を妨げる可能性があります。特に、猫にとってエッセンシャルオイルは非常に有毒です。猫は肝臓内の酵素が少ないため、エッセンシャルオイルなどの特定の毒素を効果的に代謝し、排出することが難しいのです。たとえ少量であっても、中毒症状を引き起こす可能性があります。他にも、ウサギやハムスター、鳥、爬虫類などの動物も、エッセンシャルオイルに対して安全に対応できる身体ではありません。
猫にとって危険なエッセンシャルオイル
・ティーツリー(猫にとって最も危険とされるオイルです)・柑橘系(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ベルガモット)・パイン・イランイラン・ペパーミント・シナモン・ユーカリ・タイム・オレガノ・ラベンダー
犬にとって危険なエッセンシャルオイル
・柑橘系・パイン・イランイラン・ペパーミント・シナモン・ティーツリー・タイム・ジュニパーこちらは一部の例ですが、詳しく知りたい方は獣医に相談することをお勧めします。
フレグランスオイルは大丈夫?
フレグランスオイルは、化学薬品を調合して作られた香りを楽しむための芳香剤のようなもので、エッセンシャルオイルよりも香りが強く現れることが特徴です。したがって、ペットにとってはその香りがさらに強烈に感じられ、長時間の使用はペットにストレスを与える可能性があります。そのため、ペットが簡単にアクセスできる場所での使用は避けるべきです。
ペットがいる場所でアロマディフューザーを使用する際の注意点
ディフューザーを使用する際には、以下の注意点を守る必要があります。1時間以上の使用は避けることペットのベッドやトイレ、飲食をする皿など、ペットが使うものの近くでの使用は控えることペットが近づける場所にディフューザーやエッセンシャルオイルを置かないことペットが新鮮な空気を吸える環境を確保することディフューザーを使用中は、ペットの様子をしっかり観察することアロマセラピーでディフューザーを使用する前には、かかりつけの獣医師に相談を行うことが重要です。
ペットが中毒になったときの症状
これらの症状が見られた場合には、すぐにディフューザーの使用を中止し、動物病院を受診することが必要です。・よだれが異常に出る・呼吸が荒い・元気がない・食欲がない・嘔吐がある・皮膚に炎症が見られる・歩きづらそうにしている
まとめ
いかがでしたでしょうか?ペットは私たちにとって大切な家族の一員です。彼らが安心して快適に過ごせる空間を提供してあげたいと思いませんか?彼らの安全を守ることができるのは、飼い主であるあなたの責任です。ペットを飼っている方で、アロマディフューザーの導入を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしていただければと思います。
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