
ダンススタジオを複数運営しているのですが、家賃は決して安いわけではありません。
テナント家賃として相当な金額が毎月かかっており、正直なところ苦労が尽きることはありません。現在、30分単位でレンタルスタジオのシステムを導入していますが、様々な課題に直面しています。
予約状況を見てみると、どうしても平日なら夕方以降や土日祝に予約が集中してしまい、平日昼間はほとんど空いている状態です。平日昼間にスタジオを利用してくれるのは、ちょっと怪しい健康食品の会社が主催する高齢者向けセミナーのようなものです。
お年寄りの方々がたくさん集まってくるのですが、ダンスとはまったく関係のないイベントですので、少し戸惑ってしまいます。
コロナパンデミックでは本当に厳しい状況に直面しました。ダンススタジオという特性上、防音・防振施工を施しているため、音や振動が外に漏れないように設計されているのですが、これはつまり空気も密閉されているということです。この防音工事にはかなりの費用がかかっており、目が飛び出るほどの金額がかかりました。しかし、この状況下で「3密」に該当すると言われ、スタジオに誰も来なくなってしまいました。
さらに、あの頃は小池百合子都知事が「不要不急の外出は避けてください」とテレビで何度も繰り返していました。もちろん、ダンスは不要不急の活動の一つですので、心中は複雑でした。「わざわざ言わなくてもいいのに」と思いつつ、同時に「本当に申し訳ない、こんなことをしていて」とも感じました。補助金的な支援もありましたが、それはテナント家賃の2か月分にしかならず、正直言ってもう立ち行かない気持ちでいっぱいでした。
契約を解除し、すべてを撤退しようと何度も考えましたが、既存の利用者の方々の熱い思いに支えられて、なんとか持ちこたえてきました。赤字経営ではありますが、人々の思いが伝わってきたことで、それは人生経験としての貴重な収穫だったのかもしれません。また、大きな初期投資をしたため、簡単には辞められないというのも本音です。
あの頃は、大家さんや仲介業者とのやり取りに本当に苦労しました。彼らは全く助けの手を差し伸べてくれることもなく、心の底から恨んでいます。結局、世の中は法律が全てということを学びました。
そんな中、少しでも状況を打開しようと始めたのがインスタベースというサービスです。名前からしてインスタグラムに似ていて混乱しそうですが、これはスペース管理者と利用者を結びつけるサービスです。私のようにスペースを時間貸しして収益を上げたい人と、スペースを利用したい人をマッチングさせるものです。もちろん、ダンススタジオだけでなく、倉庫や会議室なども登録されています。
半信半疑の気持ちで登録してみたのですが、これが思いのほか予約が入るようになりまして・・・。焼け石に水のような状態ではありますが、何もしないよりはずっとましな状況になりました。
今回は、このインスタベースというサービスについて詳しくまとめてみました。スペースを有効に利用したい方々や、逆にスペースを利用したい方々にとって、何か参考になれば幸いです。
インスタベースとは?

インスタベースとは、レンタルスペースをウェブ上で簡単かつ便利に予約できるサービスです。会議室に限らず、私たちのようなダンススタジオやヨガスタジオ、さらにはキッチン付きの物件なども登録されています。カフェを貸し切ったり、一般的なマンションの一室を借りることも可能です。
現在、全国に6,000件以上の物件があるとされています。
スペースを利用したい方は、ウェブサイト上で簡単に予約を行い、利用することができます。
しかし、私のようにスペースを掲載する側から見ると、利用しにくい点が多々あるため、これからその点について詳しく説明していきます。
インスタベースの良くない点
インスタベースは時代にマッチしたサービスであるとは思いますが、実際に私が利用してみた感想や、インターネット上の口コミを調べてみた結果、その問題点をいくつか挙げてみたいと思います。スペースを利用する側と掲載する側の両面から検証していきます。
スペースを利用する側のデメリット
・管理が十分に行き届いていない物件が多いです。
・運営側に問い合わせても返事がなく、そもそも問い合わせ方法自体が明記されていないことが多いです。
・手数料が非常に高いです。
■掲載されている情報と大きく異なる物件に遭遇することが多いという声が多く聞かれます。
■わからないことや困ったことがあっても「よくある質問」しかなく、運営会社の電話番号などの記載がないため、非常に不便です。
■実際の物件の公式HPでの料金よりもかなり高い手数料を取られることが多く、直接申し込んだ方が得策です。
スペースを掲載する側のデメリット
・キャンセルをしてくるお客さんが多いです。
・しばらくログインしないと「この施設は閉鎖している可能性があります。」などと表示されてしまいます。
・無意味な情報更新を強要されます。
・クレームをつける先が存在しません。
■キャンセルをしてくるお客さんは本当に多いです。キャンセル規定を厳しくすると予約が入らなくなってしまうため、非常に困った状況です。中途半端な気持ちのユーザーが多いのが現実です。
■「この施設は閉鎖している可能性があります。」という表示は本当にやめてほしいです。営業妨害だと思います。施設情報はあまり変動しないため、ログインを強要されるのも非常に迷惑です。
■利用者と同様に、運営会社へのコンタクト方法が非常にわかりにくいため、意図的に情報を隠しているのではないかとも感じてしまいます。要するに、他人のふんどしで利益を得るような営業方針だと感じました。
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