入学してはいけないプリスクールとは?

グローバル化が進む現代において、英語で保育を行うプリスクールが増加しています。そのため、選択肢が多くなり、どのスクールを選ぶべきか迷ってしまう方も少なくないでしょう。オールイングリッシュで日本語を全く使わないスクールや、バイリンガルの環境を提供するスクールも存在しますが、それ以外にも事業形態によってスタッフの質や保育基準が大きく異なることを理解しておくことが重要です。

語学の学習に加えて、保育の実際の状況も非常に大切な要素です。筆者は保育士資格を持ち、プリスクールでの勤務経験もあるため、どのようなプリスクールなら安心してお子様を預けられるかについて、具体的にお伝えしていきます。

保育士を多く配置しているところは安心できる

保育園には、認可、認証、認可外の種類がありますが、ほとんどのプリスクールは認可外保育施設として運営されています。一般的には、保育施設においてはスタッフ全員が保育士や幼稚園教諭の資格を持っていると考えがちですが、実際には「認可外保育施設」では次のような有資格者配置基準が定められています。

「保育に従事するものの概ね3分の1(保育に従事するものが2人の施設及び(1)における1人が配置されている時間帯にあっては、1人)以上は、保育士または看護師の資格を有するものであること。」

参考:文部科学省・認可外保育施設指導監督基準

これはつまり、「概ね3分の1」という基準さえ満たせば、全てのスタッフが保育士や看護師の資格を持っていなくても問題ないということです。そのため、こうしたプリスクールでは、外国人のスタッフや帰国子女など、英語が堪能な日本人スタッフを無資格職員として配置することが可能となります。もちろん中には、日本の保育士資格を取得した人や、子育て支援員研修を受けた方もいますが、実際にはそのような方は少数派と言えます。

また、スクールによっては外国人スタッフの中でも幼児教育の学位を持つ方に限定して採用するケースもありますが、実際には英語ができる外国人であれば誰でも採用するスクールが多く存在するのも事実です。私自身も、勤務態度が良くない外国人スタッフを数多く見てきました。このような背景から、プリスクールに入学を検討する際には、見学会などで保育士の数、看護師の数、外国人スタッフのバックグラウンドについて質問することを強くおすすめします。

保育士は厚生労働省の基準に関する知識を持っているため、例えば嘔吐があった場合の対処法など、衛生面についてもスクールに対して提言を行う重要な役割を担っています。もしも保育士が一人だけの意見ではあまり尊重されない場合でも、人数が多ければ自然と保育の質を向上させようという環境が生まれます。したがって、基準に関係なく、保育士の数が適切に配置されているスクールはおすすめできると言えます。

求人情報も見てみる

スクール選びの際には、スクールの公式ウェブサイトや口コミ情報をチェックする方が多いでしょうが、ぜひ求人情報も確認してみてください。求人が出ているということは、スタッフが不足している可能性があるということです。「興味があったら連絡してください」といった内容の求人であれば、「良い職員がいれば採用する」という意図が隠れている場合もあります。しかし、具体的に「◯人募集しています」といった表現がある場合は、スタッフが不足している可能性が高く、安心して子どもを預けられる保育環境ではないかもしれませんので注意が必要です。

子どもの数に対して保育従事者、つまりスタッフの数には厚生労働省の基準があり、この基準は必ず守るべきものです。プリスクールは、独自に「スクールガイドライン」を設けて、厚労省の基準を超える数の保育従事者を配置することを決めているところもありますが、どちらにしてもギリギリの人数で余裕のない保育を行っているスクールには、安心して大切なお子さんを預けることは難しいかもしれません。私の経験上、実際にこの厚労省の基準でも保育を行うことは可能ですが、その場合でも余裕のある保育を実現することは難しいのが現状です。

クラスは複数の先生たちのチームによって成り立っていますので、一人の先生がこの人数配置で大丈夫だったとしても、チーム内の誰かがストレスを感じ始めると、雰囲気が悪化することがしばしばあります。子どもたちはそうした雰囲気の変化を大人以上に敏感に感じ取ることが多く、まるで空気を読むように静かになることもあります。特にプリスクールの現場では、外国人スタッフ同士が子どもたちの前で口論を始めることも見受けられました…。子どもたちにとっては非常に不安な状況だと思います。

日本の保育園でも似たようなことはあるかもしれませんが、やはりスタッフの数に余裕があるスクールの方が安心して通わせることができるのは間違いありません。

トライアルができるスクールはおすすめ

プリスクールによっては、トライアル制度を設けているところもあります。保護者が見学してスクールの理念や雰囲気に好感を持ったとしても、最も大切なのはお子さんが楽しんで通えるかどうかです。初めての母子分離で泣いてしまうこともあるかもしれませんが、大好きなお母さんやお父さんと離れ、さらに自分が置かれた状況がわからないというのは、子どもにとって非常にストレスのかかる状況です。

そのため、泣いたからといってすぐにスクールへの預け入れをやめるのではなく、お迎えに行ったときの先生方の対応を見て判断することが重要です。「ずっと泣いていました」「いつもこんなに泣くんですか?」というような困惑した表情で様子を伝えてくる先生がいるスクールには、入園を控えた方が良いかもしれません。そのような話し方をする先生がいることをスクール側が許容しているということになりますから、実際の方針が分かるのです。

逆に安心できるのは、「お母様と離れたときは泣いてしまいましたが、姿が見えなくなるとすぐに泣き止んで、興味があるおもちゃの方へ行きました。電車が好きなんですね」といった具体的な様子を伝えてくれる先生たちです。どのような先生たちにお子さんを預けるのかを知るためにも、トライアルが可能であればぜひ受けてみることをおすすめします。

まとめ

以上のポイントは、プリスクールへの入園を検討する際にぜひ確認しておくべき重要な要素です。見学に出かける際には、遠慮せずにどんどん質問をしてみてください。プリスクールには、幼児期の最も外国語を吸収しやすい時期に英語で学ぶ環境が整っています。英語だけでなく、さまざまな国からの先生たちと触れ合い、異文化を学ぶことで、幼い頃からグローバルな意識を育むことができます。皆さんが素晴らしいプリスクールに出会えることを願っています。

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