食べてはいけない、とんかつ。その理由は？

皆さんは、どんな食べ物が好きですか。

このような食べ物に関する好き嫌いのアンケート結果は、時折ネット記事やテレビ番組で目にすることがありますが、人気の食べ物のランキングにはいつも似たような顔ぶれが見受けられます。

お寿司、カレーライス、唐揚げ、焼肉、そして今回のタイトルに掲げているとんかつなどは、その常連として名を連ねる人気料理です。

しかし、今回のタイトルでもお伝えしているように、実はとんかつは健康の観点から言うと避けるべき食品となります。この記事では、その理由について詳しく解説していきます。

とんかつとは何か

ではそもそも、とんかつとは一体何なのか。実際に食べたことがない方はほとんどいないと思いますが、一応説明しておきますと、とんかつとは豚肉のロースやヒレを小麦粉、溶き卵、パン粉でしっかりとコーティングし、高温の食用油で揚げた料理のことを指します。

外側はサクサクとした衣で覆われており、中には甘みのあるジューシーな豚肉が入っています。ご飯との相性も抜群で、非常に人気がある料理です。とんかつを提供するお店は高級なミシュラン星を持つ店舗から、手軽なチェーン店まで多岐にわたり、国民的な料理の一つとして広く愛されています。

さらに、高温調理されたとんかつのような食品は、調理後も美味しさが持続しやすく、火を通していることから保存も容易です。そのため、スーパーマーケットのお惣菜やお弁当屋さんでも非常に人気のある商品となっています。

前述の通り、とんかつは非常に人気が高く、多くのファンがいます。しかし、その一方で高温で調理された料理全般に共通する健康リスクも多く含まれていることは無視できません。

では、具体的にどのようなリスクがあるのか、3つの理由から解説していきたいと思います。

1. AGEsが多い

AGEsという言葉をご存知でしょうか。最近では新聞や様々な書籍で取り上げられることが増えてきたため、耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

これは日本語で「終末糖化産物」と呼ばれ、簡単に説明すると、体内のタンパク質と余分な糖分が結びつき、体内の細胞を老化させる作用を持つ物質のことです。

このAGEsは食品にも含まれており、調理方法によって同じ食品であってもAGEsの含有量は異なります。特に高温調理された食品はAGEsが多くなるとされています。

特に、今回のテーマであるとんかつは、高温の油で長時間調理する必要があるため、AGEsを非常に多く含む料理となっています。老化を促進する観点から考えると、避けるべき食品の一つと言えるでしょう。

ちなみに、AGEsの含有量は調理法によって以下のように異なります。

1 : 生の状態

2 : 蒸す、茹でる

3 : 煮る

4 : 炒める

5 : 焼く

6 : 揚げる

もし同じ豚肉を消費するのであれば、AGEsを少なく抑えられる豚しゃぶなどの料理が望ましいでしょう。

2. トランス脂肪酸が含まれている

次にとんかつを避ける理由として、トランス脂肪酸が含まれていることが挙げられます。三大栄養素の中で脂質は、糖質やタンパク質に次いで重要な栄養素ですが、過剰摂取や質の悪い脂質は健康に悪影響を与えます。

特にとんかつは、食べた時のサクッとした食感が大変好まれていますが、この食感はショートニングとラードを使用することで生まれています。

ショートニングを作る過程で、トランス脂肪酸が生成されます。トランス脂肪酸は血中の悪玉コレステロールを増加させ、様々な心血管系の病気を引き起こす原因となると考えられており、欧米では禁止されている国も多く、とんかつが避けるべき料理の一因となっています。

3. カロリーが高い

最後に、2つ目の理由とも関連しているのですが、とんかつは非常に高カロリーであり、摂取量を考慮しないと肥満や高血圧の原因となる可能性があります。

糖質とタンパク質は1gあたり4キロカロリーですが、脂質は1gあたり9キロカロリーと、2倍以上のカロリーを含んでいます。このような高カロリーの脂質を多く含む料理であるため、食べ過ぎには十分注意が必要です。

また、質の良くない油を多く摂取することは、さまざまな病気のリスクを高める要因ともなり得るため、やはり避けるのが賢明な選択と言えるでしょう。

では、代わりにどのような食品を選ぶべきでしょうか。先ほどのAGEsの説明でも触れましたが、もし豚肉を食べるのであれば、調理方法を工夫することが最も良い選択となるでしょう。

特におすすめなのは、蒸したり茹でたりする調理法である豚しゃぶです。油を使用せず、AGEsも少ないため、健康的な料理だと言えます。また、さらに満足感を求める方には、揚げ物ではなく、豚肉のステーキなど焼いた料理で代替するのも良いでしょう。

その際には、焦げ付きに注意しながら、長時間高温で調理しすぎないことがポイントとなります。

いかがだったでしょうか。この記事では、とんかつを食べてはいけない理由について詳しく解説しました。

最近では健康に気を遣う人が増えている影響からか、ビジネス系のウェブメディアやYouTubeなどでも、今回取り上げた終末糖化産物に関する情報が数多く発信されるようになっています。

おそらく、昔に比べて寿命が延びてきており、健康的に歳を重ねたいと願う人が増えていることを反映しているのでしょう。現代では100年近く生きることができるため、長い間健康な体を維持したいと考える人が増えてくるのは自然な流れだと思います。

確かにとんかつは美味しい料理で、私自身も大好きです。しかし、脂質が多く、調理方法にさまざまなリスクが含まれていることも忘れてはなりません。

このような健康に関する知識を高めた上で、普段の食生活に気を配り、特別な時にこのような美味しい料理を楽しむなど、量やタイミングに注意を払うことが望ましいでしょう。この情報が皆さんの生活の向上に寄与できれば幸いです。