植物の香りを濃縮したエッセンシャルオイル（精油）についてお話ししましょう。
植物が持つ本来の自然な香りは、心と体に優しい影響を与えるため、日常生活に取り入れている方が多いのではないでしょうか。
さて、エッセンシャルオイルには、内容量が5ml、10ml、50ml、100mlなど、さまざまなサイズが販売されています。
そのため、どのサイズを選ぶべきか悩んでしまうこともあるでしょう。
今回は、エッセンシャルオイルの内容量ごとの選び方について詳しく解説していきます。
エッセンシャルオイルの基本的な内容量
エッセンシャルオイルで最もよく見かけるサイズは5mlや10mlのものです。
小さな遮光瓶に入ったオイルが一般的に流通していますが、これらは多くの場合、5mlまたは10mlの内容量となっています。
初めて試す香りを選ぶ際には、5mlを選ぶ方が多いかと思います。
多くのエッセンシャルオイルでは、瓶から自然にドロップさせた場合、一滴の量はおおよそ0.05mlです。（メーカーによって多少のばらつきがありますので、注意が必要です）
そのため、5mlの内容量のオイルは、
5ml÷0.05ml＝100(滴）に相当します。
香りが気に入った場合、100滴はすぐに使い切ってしまうことが多いですが、あまり好みでなかったり、使用頻度が低いものについては、1本あれば十分な量となるでしょう。
開封後は1年で使い切ることを想定すると、お試しで購入する場合や、使用頻度が低いものには5mlサイズが最も適していると言えます。
一方で、自分が好む香りや、すでに経験のある植物のエッセンシャルオイルを頻繁に使用する予定であれば、10mlサイズを選んでおくと便利です。
5mlと10mlのそれぞれの計算をしてみましょう…
＜5mlの場合＞
5ml÷0.05ml＝100（滴）
毎日3滴使用すると仮定すると、
100（滴）÷3（滴）＝33.333…（日）
33.333（日）÷30（日）＝1.111…→約一ヶ月分となります。
＜10mlの場合＞
10ml÷0.05ml＝200（滴）
毎日3滴使用するとすると、
200（滴）÷3（滴）＝66.666…（日）
66.666（日）÷30（日）＝2.222…→約2ヶ月分に相当します。
具体的な数字を用いることで、使用量や頻度の目安がわかりやすくなりますね。
エッセンシャルオイルの基本的な使用期限
次に、エッセンシャルオイルの使用期限についてお話しします。
一般的に、エッセンシャルオイルは開封後1年を目安に使用することが推奨されています。また、未開封の場合は2年が目安ですが、使用期限がないとされていても、これくらいの期間で使い切ることが望ましいです。
多くのメーカーは、このような使用期限の説明をしています。
ただし、この使用期限は、あくまで正しい保管方法が守られた場合に限ります。
エッセンシャルオイルは高温や多湿、直射日光を避ける必要があります。
開封後は酸化が進行するため、保管方法に特に気を付けることが重要です。
保管のポイント
- 冷暗所に置く
- 直射日光を避ける場所に保管する
- 使用後はキャップをしっかりと閉める
- 火気から遠ざけて保管する（引火性があるため）
※今回はあまり説明していませんが、エッセンシャルオイルは引火性があるため、火気の近くには置かないようにしましょう。
良好な状態のエッセンシャルオイルを使用することは非常に重要ですので、保管方法には十分な配慮が必要です。
自然から抽出された成分を用いたエッセンシャルオイルは、人工的な防腐剤や酸化防止剤が含まれていないことが魅力の一つです。
そのため、外部要因によって成分が変化しやすいことを理解しておくことが大切です。
特に注意が必要なエッセンシャルオイル
エッセンシャルオイルの中には、特に品質が変化しやすいものがあります。
それは柑橘系のエッセンシャルオイルです。
柑橘系のエッセンシャルオイルは、抽出方法の多くが「圧搾法」であるため、熱による成分の変化が少なく、植物の香りをそのまま楽しむことが可能です。
しかし、その一方で、絞りかすなどの不純物が混入しやすく、成分の変化が起こりやすいというデメリットも抱えています。
そのため、一般的なエッセンシャルオイルの使用期限が開封後1年であるのに対して、圧搾法で抽出した柑橘系のエッセンシャルオイルは開封後半年以内が理想とされています。
※圧搾法に代わって、水蒸気蒸留法で抽出された柑橘系のエッセンシャルオイルも販売されていますので、購入の際は抽出方法を確認することをお勧めします。
柑橘系のエッセンシャルオイルの光毒性について
柑橘系のエッセンシャルオイルは（特に圧搾法のもの）成分の変化が起こりやすいだけでなく、「光毒性」についても注意が必要です。
光毒性とは、フロクマリン類（ベルガプテンなど）を含む精油が肌に付着した状態で日光に当たると、色素沈着や炎症を引き起こすことを指します。
柑橘系のエッセンシャルオイルはこのフロクマリン類を含むことが多く、マッサージオイルや肌に直接使用する場合には特に注意が必要です。
柑橘系のオイルを含むスキンケア製品は、夜だけ使用するなどの工夫をすることが推奨されます。
一般的に、エッセンシャルオイルの時間経過による成分変化が光毒性を強めることが知られています。
レモンやベルガモットはもちろん、光毒性が低いとされるスイートオレンジも、時間の経過とともに光毒性が増す可能性があります。
最初は黄色っぽい色をしていたスイートオレンジのエッセンシャルオイルが透明になっている場合、光毒性が強まっているため、肌に使用する製品には混ぜないようにしましょう。
再度申し上げますが、一般的なエッセンシャルオイルの使用期限が開封後1年であるのに対して、柑橘系は半年を目安にすると良いとされています。
成分変化をできるだけ抑えるために、冷蔵庫での保管を選ぶ方もいらっしゃいますが、誤飲には十分に注意してください。
また、フロクマリンフリー（ベルガプテンフリー）の製品も販売されているため、肌に使用する予定の方はそちらを選ぶのも良い方法です。
エッセンシャルオイルを香りを楽しむために使用するのか、スキンケアに取り入れるのか、使用方法によって考慮しなければならない注意点の程度が異なることを理解しておくことで、トラブルなくエッセンシャルオイルを楽しむことができるでしょう。
柑橘系エッセンシャルオイルは半年を目安に使い切れる量を選ぶ
ここまでの情報を踏まえ、50mlや100mlのサイズを選ぶ際には、
- 毎日何滴使用するのか
- 使用目的は何なのか
といった点を考慮することで、失敗を避けることができるでしょう。
特に柑橘系のエッセンシャルオイルは、使用期限が他のオイルの半分であることを考慮することが重要です。
先ほどの計算を基にすると、毎日3滴使用した場合、
50mlのエッセンシャルオイルは約10ヶ月、100mlの場合は約22ヶ月かかる計算になります。
半年（6ヶ月）で使い切ることを目指すと、1日3滴の使用では難しいことがわかります。
ちなみに、毎日5滴使用した場合、50mlは次のようになります。
50ml÷0.05ml＝1000（滴）
1000（滴）÷5（滴）＝200（日）
200（日）÷30（日）＝6.666…→約6ヶ月となります。
毎日5滴使用する方にとって、50mlサイズはちょうど良いサイズ感と言えます。
同様に、毎日10滴使用する場合は、100mlサイズが約半年で使い切る計算になります。
まとめ
今回は、エッセンシャルオイルの使用期限に関するお話をしましたが、いかがでしたでしょうか？
使用するエッセンシャルオイルの種類や使い方、使用頻度を考慮して計算してみることで、どのサイズを購入するのが最適かが明確になります。
購入したエッセンシャルオイルを良好な品質のまま使用することを少し意識することで、エッセンシャルオイル本来の魅力を存分に活用できるのは嬉しいことですよね。
自分の使い方とエッセンシャルオイルの特性をしっかり考慮し、エッセンシャルオイルのある豊かな暮らしを楽しんでください！
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