ココナッツオイルとは一体何なのでしょうか?
その健康効果については良いものなのか、逆に悪影響を及ぼすものなのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
たまに見かけるココナッツオイルに興味を持っているものの、正確な情報が分からずに購入をためらっている方もいるかもしれません。
そんな疑問を持つあなたのために、食用ココナッツオイルに関する情報を丁寧にまとめてみました。

ココナッツオイルの製造方法について
ココナッツオイルは主に輸入品であるため、普段の生活ではあまりなじみがないかもしれません。
そこで、ココナッツオイルがどのように製造されているのか、そのプロセスを詳しく見ていきましょう。
まず、ココナッツオイルは写真に示されているように、胚乳の部分、つまりココナッツの実の中心部分から作られます。

引用:https://www.rakuten.ne.jp/gold/uzumasa/share/macrohealth/coconutoil.html
低温圧搾・発酵分離法
これは、ヴァージンオイルの伝統的な製造方法です。
まず、白い果肉を取り出し、低温で圧搾を行います。
この際、油分と水分が混ざっているため、常温でじっくりと2〜3日間発酵させてから分離させる手法が用いられます。
低温圧搾・遠心分離法
この方法も、先ほどの低温圧搾と基本的なところは同じですが、圧搾後のプロセスが異なります。
遠心分離機を用いて、水分と油分をしっかりと分けるのです。
機械を使用するため、短時間で効率的に処理が行えます。
乾燥圧搾法
この方法では、白い果肉の水分を熱風や天日干しで飛ばしてしまいます。
乾燥したココナッツから油分を抽出するため、抽出はしやすいのですが、その反面成分が壊れやすくなるという欠点もあります。
この方法で作られたココナッツオイルは、甘い香りが漂うのが特徴です。
化学製法
この方法では、高温で圧搾を行った後に、脱臭や漂白の処理が施されたものになります。
特に、RBD処理が施されたココナッツオイルは、ココナッツ特有の香りがほとんど感じられません。
RBDとは、Refine(精製)、Bleach(漂白)、Deodorize(脱臭)の頭文字を取ったものです。
このオイルは酸化しにくいため、美容用途での使用が多くなっています。
ココナッツオイルの種類について
売られているココナッツオイルには、固まりかけているものや液体のものを見かけたことがあるのではないでしょうか?
それぞれの違いは一体何なのでしょうか。
ココナッツオイルは、20〜25度以下で固まる性質を持っています。
全ての成分が固まるわけではなく、飽和脂肪酸の部分が固まるのです。
飽和脂肪酸は、常温で固まるイメージを持たれているものとして、バターやラード、牛脂などがあります。
一方で、不飽和脂肪酸は流動的な油のイメージを持たれ、オリーブオイルやごま油、なたね油などが該当します。
さて、さらさらとしており、0度でも固まらないココナッツオイルとは何でしょうか?
ココナッツオイルは、実際には十数種類の脂肪酸を含んでいます。
少しずつ温度を下げていくと、固まりやすい脂肪酸から順に固まっていきます。
固まった脂肪酸を取り出し、温度を下げ、その後また固まった脂肪酸を取り出すという作業を繰り返すことで、最終的に固まりにくい脂肪酸が残る結果になります。
固まらずに残った脂肪酸の約93%が中鎖脂肪酸(MCT)であることが特徴です。
中鎖脂肪酸は、健康オイルとして非常に注目されていますよね。
同じココナッツオイルという名前で販売されている場合でも、固まりかけたものと液体のものでは、栄養成分が全く異なることをしっかりと理解しておきましょう。
ココナッツオイルの効能とその使い方
まず初めに、ココナッツオイルの効能についてご紹介します。
中鎖脂肪酸、通称MCTは、体内に吸収された後、肝臓でケトン体に変換され、脳や体全体でエネルギーとして利用されるのです。
このケトン体は変換時に体脂肪を分解するため、脂肪燃焼効果をもたらすことが分かっています。
中鎖脂肪酸の一種であるラウリン酸には抗酸化作用を持ちます。
さらに、ラウリン酸はココナッツオイルの約半分の成分を占めているのです。
ただし、この中鎖脂肪酸の部分は熱に弱いため、高温の調理には向いていません。
オイルは生のまま、小さじ1〜大さじ1をそのまま混ぜて食べるのがオススメです。
オススメの食べ方としては、
バニラアイスにかけて食べる。
オートミールなどに混ぜて、牛乳と一緒に楽しむ。
コーヒーに加えて飲む。
などがあります。
料理やお菓子作りに使用したい場合は、20度以下で固まるココナッツオイルの固まった部分をすくって利用しましょう。
夏場に固まった部分だけを使う場合は、冷蔵庫に保管してください。
この固まった部分は飽和脂肪酸で構成されているため、熱に対して強い特性を持っています。
ただし、飽和脂肪酸は、バターや牛脂、ラードのように、ベタつく印象があります。
そのため、血液サラサラとは逆のイメージを持たれがちです。
洗い物をイメージしてみてほしいのですが、飽和脂肪酸は水で洗い流すのが難しいのです。
一方、不飽和脂肪酸は水洗いでも流しやすいイメージがあります。
実際、体の60%以上は水分で構成されていますね。
水で流せないイメージの脂肪は、血液をドロドロにし、心臓病などのリスクを高める可能性があります。
ココナッツオイルも飽和脂肪酸を多く含むため、体に悪いというイメージがつきやすいのです。
夏場は外の気温も高いため、ココナッツオイルを摂取しても問題ないと思いますが、日本の冬に使用する場合には、少し注意が必要です。
体温が下がるということは、血液がドロドロになることに繋がります。
ココナッツオイルは、特に夏向きの食材として覚えておきましょう。
まとめ
購入してはいけない食用ココナッツオイルというよりも、健康を意識するのであれば、より中鎖脂肪酸の含有率が高いココナッツオイルを選ぶことが大切です。
また、体内への取り入れ方についても理解を深めておきましょう。
この記事が、食用ココナッツオイルについての理解を深める助けとなれば幸いです。

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