買ってはいけない、ごま

ごまは、多くの家庭で常備されている身近な食材であり、さまざまな製品が存在するため、料理によって使い分けることが一般的です。しかしながら、ごまは固い殻に覆われているため、そのまま食べると栄養を十分に吸収することはできません。

ごまの製品には、いりごま・洗いごま・皮むきごま・すりごま・練りごまといった種類がありますが、ごまの栄養を最大限に引き出すためには、料理においてさまざまな製品を使い分けるのではなく、すりごまを一つ選んで使用するのが最も効果的です。他のごまの製品を購入する必要はありません。

もしすりごまが手元にない場合でも、いりごまを用意しているなら、すり鉢を使って自分で作ってみることをおすすめします。いりごまをすりつぶすことで、香ばしい香りとともに、素晴らしい風味を楽しむことができます。

ごまの種類と特徴

日本の和食では多くの料理にごまが使われていますが、実は日本国内での生産量は限られており、その原産地はアフリカであることが知られています。

ごまの種類は大きく分けると3つあり、白ごま・黒ごま・金ごまに分類されます。それぞれの特徴としては、

白ごま：多くの脂質を含み、甘みがあるため、さまざまな料理に適しています。生産量が豊富であり、ごま油の原料としても利用されます。皮をむくことで、豊富な油脂成分が詰まったごま油の素が得られます。

黒ごま：香りが強く、深いコクがありますが、白ごまよりは脂質が少なめです。皮が厚いため、すりごまにして食べるのが効果的ですが、そのまま使用すると料理の彩りを引き立てるアクセントになります。黒色はポリフェノールや水溶性のタンニンに由来しています。

金ごま：香りと脂質が白ごまや黒ごまよりも最も豊富で、そのため特に珍重されています。生産国が限られているため、希少性が高く、お祝い事や特別なおもてなし料理に使用されることが多いです。

それぞれのごまの色には違いがありますが、栄養価はほぼ同等です。

ごまは種子を植えてから約1年で収穫されますが、花が咲いた際の色によって、どの色のごまが収穫されるかを判断することができます。白い花が咲けば白ごま、ピンク色の花が咲けば黒ごまになるのです。

また、プランターを使って家庭でも栽培ができるので、興味がある方はぜひ種を購入して育ててみるのも楽しいかもしれません。

ごまは、料理の味を引き立てるだけでなく、栄養価も非常に高いことから、積極的に取り入れたい食材の一つです。具体的な栄養素は以下の通りです。

脂質が約半分を占めるため、太りやすいイメージを持たれがちですが、驚くべきことにこの脂質にはコレステロールが含まれていません。さらに、この脂質にはリノール酸とオレイン酸が含まれており、私たちの体内では合成できない必須脂肪酸ですので、積極的にごまから摂取することが重要です。

リノール酸には、心臓病の予防や肌の強化に良いとされていますが、酸化しやすいため、食べる直前にすりつぶすのが望ましいです。

オレイン酸は、生活習慣病の改善や予防に寄与し、善玉コレステロールを増やす効果があります。

ただし、ごまには体を冷やす性質があるため、冷え性の方や寒がりな方は、食べる量に注意を払うことが必要です。

小さな粒にこれほどの栄養が詰まっているのは驚くべきことです。その中でも特に注目すべきはゴマリグナンです。ごまにはわずか1%しか含まれていませんが、非常に強力な効果を持っています。

ゴマリグナンは、セサミンやセサミノールなどの栄養素の総称であり、以下のような効果があります。

このように、老化防止や美容に役立つ効果が豊富なゴマリグナンは、抗酸化作用も持っています。そのため、ゴマ油が酸化しにくいのもこの特性によるものです。料理が少し余ってしまった場合、ゴマ油を少量かけることで乾燥を防ぎ、鮮度を保つことができるので、ぜひ活用してみてください。

ゴマリグナンとビタミンEを一緒に摂取すると、さらに美容効果や若返り効果が期待でき、体のサビを抑えることができます。

ビタミンEは、油に溶けやすく水に溶けにくい脂溶性ビタミンです。

ビタミンEには植物性と動物性の二種類があり、植物性のものはナッツ類やほうれん草、モロヘイヤ、しそ、かぼちゃなどに含まれています。

一方、動物性のものはツナ缶やイワシ缶、卵黄、うなぎなどに含まれています。

これらを一緒に摂ることで、若返り効果を実感したいですね。

1日に摂取したいごまの量は、大さじ2杯程度です。具体的には、大さじ2杯はペットボトルのキャップにぎりぎりまで入れたものを4回分と考えるとイメージしやすいでしょう。

ご飯を炊く際にすりごまを加えたり、お味噌汁に混ぜたりするのは、手軽にごまを摂取する方法の一つです。

他にも、おにぎりを作る際にゴマ油を少量加え、塩を振って海苔で巻けば、韓国風の美味しいおにぎりが簡単に作れます。

また、ゴマ油と醤油やポン酢を混ぜてドレッシングを作るなど、家庭にある食材を使って簡単にアレンジすることができます。

もしごまの風味が薄れてしまったと感じた場合は、軽く煎り直すことで風味が戻りますので、一手間かけて美味しくいただいてみてください。

さまざまな食品からバランスよく栄養を摂取することが理想とされていますが、現実にはなかなか思うようにはいかないこともあるでしょう。そのため、すりごまを取り入れるだけで豊富な栄養を得ることができるので、ぜひ日常生活の中に取り入れてみることをお勧めします。