
フッ素樹脂加工、一般的にはテフロン加工と称されるフライパンは、調理をよりスムーズで快適なものにしてくれます。
肉や魚を焼いても食材がフライパンにくっつくことが少なくなり、しかもお手入れも非常に簡単なため、愛用している方々も多いことでしょう。
しかしながら、鳥を飼っている方にとっては、このフライパンは注意が必要なアイテムであることを忘れてはいけません。
不適切な使い方をすると、大切な愛鳥に深刻な危険が及ぶ可能性があるのです。
一体、なぜそのようなことが起こるのでしょうか?
フッ素樹脂加工のフライパンとは

フッ素樹脂加工のフライパンとは、料理をするための面にフッ素を含む成分でコーティングされているフライパンのことを指します。
広く知られている「テフロン加工」という名称は、デュポン社の商標名であり、フッ素樹脂加工の一部として位置づけられています。
フッ素樹脂加工を施すことによって、食材がこびりつくのを防げるという利点があります。
そのため、ホットプレートや炊飯器の内釜など、フライパンだけでなくさまざまな調理器具に広く利用されているのです。
また、驚くことに、アイロンなどの日常生活で使うアイテムにも利用されていることがあるのです。
どうしてフッ素樹脂加工が鳥に有害なのか

私たち人間にとっては、非常に身近な存在であるフッ素樹脂加工が、なぜ鳥にとっては有害なのでしょうか。
その理由は、以下のような点にあります。
高温加熱が有毒ガスを発生させることがある
PTFEが有毒ガスを放出し始める温度は、260℃に達した時点です。
通常の調理で肉や魚を焼く際には、この温度に達することは稀ですが、問題は空焚きを行った場合にあります。
家庭内でも有毒ガスが発生する条件が整ってしまうことがあるため、十分な注意が不可欠です。
※PTFE=ポリテトラフルオロエチレン
PFOA=ペルフルオロオクタン酸
鳥の呼吸器は非常に繊細
鳥の体、特にその呼吸器は非常に小さく、しかし非常に高機能です。空を飛ぶために、効率よく酸素を吸収できるように進化しています。
そのため、空気中に有害物質が存在すると、すぐに影響を受けてしまうのです。
私たち人間には心地よい香りのアロマオイルや防水スプレーも、鳥にとっては危険な物質となることがあります。それほどまでに、鳥の呼吸器は非常に繊細なのです。
鳥の飼い主が注意すべきポイント

これまで述べたように、フッ素樹脂加工はさまざまな製品に施されており、私たちの身近にあるため、完全に避けることは難しいかもしれません。
では、愛鳥を守るために飼い主は何に気を付けるべきなのでしょうか?
フッ素樹脂加工のフライパンは避ける
フッ素樹脂加工が施された調理器具の中で、特に空焚きがしやすいのはフライパンです。
自宅に鳥がいる場合には、フッ素樹脂加工されていないフライパンを選ぶことが最も安全です。
セラミックコーティングのフライパンを選べば、食材がくっつきにくく、使い勝手も良いでしょう。
例えば、次のような商品があります。

フッ素樹脂加工の調理器具を使うときは
フッ素樹脂加工の調理器具はフライパンに限らず、高温になるホットプレートやオーブンなども特に注意が必要です。
特に、フッ素樹脂加工の製品を初めて使用する際には、細心の注意が求められます。
まずは、洗えるものに関しては使用前に必ず洗浄することが重要です。
その上で、愛鳥をキッチンから遠ざけ、十分に換気しながら使用することが必要です。
また、調理器具が高温になり過ぎないように、温度の調節にも気を付けることが非常に大切です。
さらに、2回目以降の使用時でも注意を怠らないことが求められます。
調理を始める前に愛鳥をキッチンから遠ざけることで、さらなる安心感が得られますね。
また、フッ素樹脂加工のフライパンをどうしても使わなければならない場合には、全体に油を塗ってから使用することも大変重要なポイントです。
油が熱を吸収し、フライパンが過度に高温になるのを防ぐ効果が期待できます。
「危険かもしれない」という気持ちを忘れずに

これまで、鳥の飼い主に向けてフッ素樹脂加工製品の危険性について詳しくお話ししてきました。
しかし、鳥の体は非常に小さく、さらに有毒ガスは目に見えない存在であるため、注意が必要です。
本記事で取り上げた対策だけでは不十分である可能性もあるため、過信せずに注意を払うことが重要です。
「我が家では全く気にせずフッ素樹脂加工のフライパンを使っているが、愛鳥は元気だ」と言う飼い主もいらっしゃいます。
しかし、それは単にその家庭で有害な状況が発生していないだけかもしれません。
鳥は小さな問題に対しても、非常に大きな影響を受けやすい生き物なのです。
フッ素樹脂加工製品を使用する際には、「鳥には危険が及ぶかもしれない」という意識を常に持っておくことを忘れないでください。
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