アウトドアの場で味わう「白いご飯」は格別に美味しいと感じますよね。
せっかく頑張って飯ごうや炊飯鍋を使ってご飯を炊いても、焦げてしまったり生煮えになってしまうことがしばしばあります。
おいしいご飯が上手に炊けない時には、やはり電気式やガス式の炊飯器が使えたらと切実に思います。
しかし、電気式のものは電源が必要で、ガス式のものではLPガスボンベが必要になるため、手軽に利用するのは難しいこともあります。
そこで、アウトドアや災害時にも役立つ、持ち運びに便利で携帯性の高いカセットボンベを燃料として使用するガス炊飯器について調査してみました。
調査の結果、カセットボンベを本体に直接取り付けるタイプ以外には問題があることが分かりました。
今回は、そんな避けるべき「カセット式ガス炊飯器」について詳しくお伝えします。
カセット式ガス炊飯器とは？
炊飯器と言えば、一般的に思い浮かぶのは電気式の「IH炊飯器」や「圧力IH炊飯器」ではないでしょうか。
昔を振り返ると、ご飯を炊く際には「かまど」を使い、専用の「羽釜」と呼ばれる炊飯用の窯を使用するのが一般的でした。
羽釜での炊飯は、米をふっくらとしたモチモチの状態に炊き上げるのに最も適しており、美味しいご飯が炊ける方法として知られています。
その中でも、かまど炊きに最も近いとされるのが、高火力で炊き上げる「ガス炊飯器」です。
カセット式ガス炊飯器は、LPガスのボンベを持ち出すことなく、カセットボンベを使ってご飯を炊くことができる炊飯器です。
カセット式ガス炊飯器は2種類
ポチップまず一つ目のタイプは、ガス炊飯器そのものが「炊飯窯」と「バーナー部」に分かれている「一体型」です。
この分離形状にすることで、掃除やメンテナンスが容易になり、さらにスタイリッシュなデザインが特徴です。
使用可能なカセットボンベは、イワタニのカセットガスです。
燃費については、カセットボンベ1本（250g）でお茶碗約2杯分（1合）を18～19回、約10杯分で7回の炊飯が可能です。
また、点火には単3電池が必要ですが、事前にセットしておけば持ち運びの際にかさばることもなく便利です。
ポチップ2つ目のタイプは、炊飯専用のカセットコンロの上に羽釜を載せたタイプです。
バーナー部はカセットコンロと同じ形状ですが、炊き上がりの際に自動で火を止める機能が装備されています。
専用のカバーと羽釜は取り外しができるため、「一体型」と同じく清掃やメンテナンスが簡単です。
ただし、使用するカセットボンベは専用のもので、120gの短いジュニアタイプのカセットボンベが必要です。
このタイプは2合まで炊くことができ、1合なら最速で10分で炊き上がり、専用ボンベ1本で1合を10回炊くことが可能です。
点火方法もカセットコンロと同じ圧電点火方式を採用しているため、電池は不要なシンプルな構造です。
コンロなどで炊飯鍋や羽釜で炊く場合との違いは？
それならカセットコンロの上に羽釜や炊飯鍋を置いてご飯を炊けば良いのでは？と考える方もいるかもしれません。
しかしその場合、火力の調節や炊き上がりのタイミングで火を止める手間がかかります。
さらに、燃費も炊飯器に比べて悪く、炊飯自体を失敗しやすいため、炊飯器は重宝されています。
最も大きな違いは、上記の2種類には炊き上がると自動で火が止まる装置が付いており、安全に自動でご飯を炊くことができる点です。
LPガス炊飯器をカセットボンベで使用することは可能？
インターネット上では、カセットボンベのガス圧を調整してLPガス用の炊飯器に使っている情報が数多く見られます。
結論としては、都市ガス用は使用できませんが、LPガス用は使うことが可能です。
家庭用プロパンとカセットボンベの両方とも「LPG」に分類されており、液化したガスを気化させて使用する点では共通しています。
しかし、家庭用プロパンの成分はほぼ「プロパン」という種類のガスです。
一方、一般的なカセットボンベは「ブタン」が7割、「イソブタン」が3割と成分が異なります。
「プロパン」は-40℃でも気化するため低温時でも使用可能ですが、「ブタン」は-1℃で気化しなくなります。
「イソブタン」は-11℃で気化するため、低温用のカセットボンベは「イソブタン」の割合を増やして低温でも使用できるように工夫されています。
ガス成分は安定して使用できるように調整されており、ガス器具は使用するガスに合わせて空気量などが調整されているため、安全に使用可能です。
しかし低温時には失火や圧力の関係で火が安定しないといったリスクがあり、安全とは言い切れません。
最も重要なのは、火が消えたり火力が不安定であれば、美味しく炊きたいと思って使用するガス炊飯器の本来の意味が失われてしまいます。
大きな事故に繋がる可能性もあるため、器具に適したガスを使用することを強くお勧めします。
「安全に使える」と「使うことができる」とでは、まったく異なることを認識しておく必要がありますので、十分に注意してください。
まとめ
カセットボンベを使用してご飯を炊くことができる炊飯器には、一般的なガス炊飯器系と、炊飯に特化した専用のカセットコンロと羽釜の2つのタイプがあります。
この2種類にはそれぞれ専用のガスボンベが必要です。
互換性がある他のカセットボンベを使用することも可能ですが、メーカーはその使用を禁止しています。
カセットボンベを使うガス器具は非常に便利ですが、大きな事故を引き起こす可能性もあるため、より安全な使用を心がける必要があります。
ここで述べた「カセット式ガス炊飯器」は、使用可能ではありますが本来の用途とは異なるLPガス炊飯器であることを要注意です。
最近では、LPガスボンベの詰め替えを行ってくれるガス屋さんが減少していることが背景にあり、「カセットボンベの流用」が広がっていると言われています。
使用する際には「自己責任」とは言えど、自分以外にも影響を与える可能性のある「事故責任」を忘れないことが重要だと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
カセット式に限らず、どの炊飯器でも炊飯前に30分以上水に浸し、炊き上がり後には15分程度蒸らすことで、さらに美味しく仕上がりますよ。
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