歯医者での治療において、選択肢として悩むのが、保険診療と自由診療のどちらを選ぶべきかということです。この選択は治療を受ける際に必ず問われますが、歯科治療に関しては分かりづらい部分が多く、なかなか選ぶのが難しいと感じる方も多いでしょう。
治療にかかる金額も大きく異なるため、どれだけのデメリットが存在し、逆にどれほどのメリットがあるのかも理解しづらいところです。このような状況を踏まえて、以下のポイントについて考察していきます。
・歯科における虫歯治療で使われる銀歯のメリットとデメリット
・銀歯は本当に使用すべきでないのか?
・自由診療との違いについて、それぞれの違いや金額差について解説します。
最近では医療法の改正により、自由診療もより身近なものとなりました。このような背景のもと、銀歯との違いを比較しつつ、詳しく見ていきましょう。
虫歯治療で保険診療の銀歯はなぜ好ましくないのか?
虫歯の治療における一般的な保険診療の選択肢としては、主に銀歯とハイブリッドセラミックがあります。
「虫歯治療には銀歯を使えば良い」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、以前は虫歯の部分を削ってそのまま詰めればよいとされていましたが、この方法では経年劣化によって汚れが蓄積し、再発のリスクが高まってしまいます。
虫歯を削ることで、徐々に自分の歯が失われていくのです。その結果、歯の健康寿命が短くなってしまう恐れがあります。
避けるべき?銀歯
金銭的な余裕が少しでもあるなら、または健康面や見た目を重視するなら、銀歯は選ばない方が賢明です。
特に注意が必要なのは、金属アレルギーをお持ちの方やアレルギー体質の方です。こういった方々は、銀歯を選択することを避けるべきです。
銀歯の利点と欠点
銀歯は、金銀パラジウム合金を使用しており、非常に硬いため強度が高いのが特徴です。
メリット
- 割れたり欠けたりしにくい。
- 耐久年数は3~5年と言われています。
- 保険適用なので、自由診療に比べて比較的安価です。
デメリット
- シルバーのため、見た目が目立ちやすい。
- 金属の特性により唾液などで黒ずんでしまうことがある。
- 金属イオンが溶け出し、金属アレルギーを引き起こすリスクがある。
保険診療と自由診療の違いは?
自由診療の歯と保険診療の歯には、どのような違いが存在するのかが気になるところです。
素材の違いによるメリットとデメリットを比較しながら、詳しく見ていきましょう。
保険診療と自由診療の違い・素材
ここでは、主な保険適用の素材と自由診療で用いられる素材について比較してみました。
銀歯 | ハイブリッド セラミック | オール セラミック | ジルコニア | 金/ ゴールド | |
見た目 | シルバーで目立つ。 | 透明感はなく、白いのでなじみやすい。 | 白色で透明感もあり、実際の歯に近い。 | 透明感は少ないが、白いダイヤモンドと言われるほどの白さ。 | シルバーより目立ちにくいが、完全には白くない。 |
変色 | 時間が経つと黒ずんでくる。 | 少しの着色が見られる。 | 汚れやすいが、変色はしにくい。 | 耐変色性が非常に強く、表面に細菌が付きにくい。 | 銀歯のような黒ずみはほとんどない。 |
生体親和 | 金属イオンが溶出し、アレルギーを引き起こす可能性がある。 | 生体親和性は高いが、レジンは歯肉との親和性が低い。 | 金属やプラスチックを使用しないため、アレルギーのリスクが低い。 | 金属やプラスチックを使用しないため、アレルギーが起こりにくい。 | 歯に近い硬さを持つ。 |
耐久性 | 非常に強く、割れたり欠けたりしにくい。 | 硬さが劣り、寿命は7~8年程度。 | 硬いが、まれに割れることがある。寿命は7~10年。 | トップクラスの強度を誇り、寿命は約10年。 | 非常に強度が高く、寿命は20年と長持ち。 |
強度が不足していると、すり減りや噛み合わせの悪さが生じ、それが様々な病気の原因になることもあります。数年ごとに交換が必要になるため、その分の費用も考慮しなければなりません。
自由診療の歯との価格差は?
以前の歯科医院では、料金が不透明で高額だと感じていた方も多かったでしょう。しかし、2018年以降、自由診療に関しても料金の公開が義務化され、医療法が改正されました。このおかげで、患者は来院前に料金を確認でき、比較検討が可能となりました。
特に注目すべきは、CAD/CAM技術を使用したハイブリッドセラミックの被せ物が、保険適用になった点です。
自由診療の価格は歯科医院によって異なりますが、概ね12万円程度から始まります。さらに、ジルコニアはやや高く、約15~16万円程度の価格帯です。
豆知識<おすすめ歯ブラシ3選>
歯を健康に保つためには、毎日の歯磨きが非常に重要です。磨き方ももちろん重要ですが、汚れをしっかりと落とし、歯茎に優しい歯ブラシの選定も欠かせません。ここでは、雑誌でも取り上げられているおすすめの歯ブラシ3選を紹介します。
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ガム・ウェルプラス デンタルハブラシエンピツのように持ちやすく、コシの強いブラシで、隙間の歯垢もしっかりと除去できます。硬めのブラシなので、歯茎に対して少し刺激を感じる方もいるかもしれません。
歯科治療で銀歯を選ぶべきではないというまとめ
実際、歯科治療は決して安価ではありません。虫歯治療において銀歯を使用することができるのは保険適用だからですが、見た目があまり良くない上、何よりも金属アレルギーを引き起こすリスクがあることを忘れてはいけません。
そのため、歯科治療において銀歯は選択しない方が良いでしょう。
歯は一度失ったり削ったりしてしまうと元には戻らないため、自分の歯をどれだけ保つことができるかが、長生きするための重要な要素となります。詰め物を行う際には、しっかりと説明を受け、リスクを理解した上で選択することが大切です。
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