空気清浄機は、一般家庭において非常に親しまれている家電製品の一つです。
それとは別に、脱臭機と称される製品も存在します。
「家庭内のさまざまなニオイを効果的に取り除くためには、どの機種を選べばよいのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
対策したいニオイの種類によって、選ぶべき製品は明確に変わってきます。
そのため、何も知らずに「これを買ってはいけない」となることがあるのです。
購入後に「しまった！」と後悔しないためにも、ぜひこの記事を参考にしてください。
脱臭機とは｜空気清浄機との違いは？
脱臭機と空気清浄機の違いは、一体何でしょうか。
基本的には、その名前が示す通り、部屋の空気を清浄にするのか、ニオイを取り除くのかという点での違いがあると考えてください。
したがって、例えば「タバコやペットのニオイを何とかしたい」と考えているなら、空気清浄機ではなく脱臭機を選ぶのが正しい選択です。
しかし、そうした製品を家電量販店などで探しに行くと、売り場には空気清浄機が多く並んでいることに気づくでしょう。
店員さんに相談しても、空気清浄機を勧められる可能性が高いので、その点には注意が必要です。
一般的に空気清浄機として販売されている製品は、フィルターを用いてチリやホコリを取り除き、さらに活性炭を用いてニオイを除去する仕組みになっています。
それに対して、脱臭機は活性炭ではなく、イオンや次亜塩素酸、オゾンなどの力によってニオイを取り去ります。
私自身、どちらの機器も使用したことがありますが、空気清浄機の方はホコリが舞うと敏感に反応する印象があります。
一方で、脱臭機の方は、例えばアルコールが含まれたボディーローションなど揮発性の物質を使用した際には、強く反応することが多いです。
つまり、「ホコリに反応するか」「化学物質に反応するか」というのが大きな違いです。
家庭内のニオイの多くは、アンモニアなどの化学物質が原因であることが多いのです。
なお、空気清浄機と脱臭機という名称には、明確な機能の定義や規格が設けられているわけではありません。
これは単にメーカーの呼称に過ぎないため、たとえ空気清浄機と呼ばれていても、イオンによる脱臭機能を備えたものも存在します。
とはいえ、それぞれの製品は特定の機能や構造に基づいて設計されていますので、脱臭が主目的であれば、選ぶべきはやはり脱臭機になると思います。
脱臭機の種類
脱臭機には、脱臭の方法によっていくつかの種類があります。
ここでは、代表的な3つの種類について簡潔に説明したいと思います。
イオンによる脱臭
イオンによる脱臭は、OHラジカルと呼ばれる物質が放出され、それがニオイ成分の水素と結びつくことでニオイを抑制する仕組みを持っています。
シャープのプラズマクラスターや、パナソニックのナノイーなどがこの方式で有名です。
空気清浄機でも、この機能を搭載している製品は多く存在します。
ただし、個人的な印象としては、強力な脱臭効果は期待できないと思います。
パナソニックが、脱臭に特化したブランドシリーズ「ジアイーノ」をナノイーとは別に開発していることからも、その傾向は明らかです。
イオンによる脱臭は、ダニの死骸やフン、花粉などいわゆるアレル物質への対策が主な目的だと考えて問題ないでしょう。
「お肌にうるおいを与える」といった表現がよく見られることから、逆に「ニオイ対策が主な目的ではない」と感じられるかもしれません。
次亜塩素酸による脱臭
手指の消毒などで良く耳にする次亜塩素酸は、水道やプールの消毒にも使用されています。
次亜塩素酸による脱臭機の代表例としては、パナソニックのジアイーノが挙げられます。
公式サイトによれば、「空間の除菌・脱臭に特化し、ニオイに迅速かつ優れた抑制力を発揮」とされています。
脱臭を目的とするなら、選択肢の一つとして十分に考えられるでしょう。
ただし、ジアイーノを使用する際には、水とタブレットを入れる手間がかかる必要があります。
この手間やランニングコストも考慮すると、少々のデメリットがあると言えるでしょう。
オゾンによる脱臭
オゾンがアンモニアなどのニオイ物質を酸化させることで、ニオイを除去する仕組みです。
オゾン脱臭機の代表的な製品としては、富士通ゼネラルのプラズィオンがあります。
おそらく、プラズマクラスターやジアイーノに比べると、あまり広く知られていないかもしれません。
しかし、脱臭機として最初に商品が発売されたのは、実は富士通ゼネラルのプラズィオンです。
そのため、このブランドは非常に信頼性が高いと言えるでしょう。
なお、プラズィオンのような常時運転するタイプだけでなく、短時間に大量のオゾンを放出し、強力な消臭効果を持つ製品も存在します。
外出前にセットし、使用中は部屋を出るといった使い方ができるものです。
ただし、オゾン自体は体に有害な物質であるため、少し不安を覚える方もいるかもしれません。
実際に、喉に刺激を感じたというユーザーも存在するようです。
ニオイがしっかりと染み付いてしまった部屋への最後の手段といった印象があります。
したがって、オゾンの発生を厳密にコントロールしているプラズィオンのような常時運転タイプをお勧めしたいと思います。
どれを選ぶ？オススメの機種
これまで述べたように、ニオイ対策を考える場合は、空気清浄機ではなく脱臭機を選ぶことが重要です。
次に考慮すべき点は、イオン、次亜塩素酸、オゾンの中から、どの脱臭方法を選ぶかということです。
イオンの脱臭は、非常に強力な効果が期待できるとは思えません。
次亜塩素酸による脱臭機も選択肢の一つですが、水とタブレットを入れる手間がかかるため、少々面倒で、費用も発生します。
その上、フィルターの交換も当然必要となります。
一方で、オゾン脱臭のプラズィオンは、水やタブレットといった追加のものが必要ありません。
フィルターの交換は必要ですが、それ以外は手間がかからず、余計なランニングコストがかからないのがオゾン脱臭機の大きな魅力です。
私自身、このような検討を重ねた結果、富士通ゼネラルのプラズィオンを選び、5年以上使用しています。
ニオイに非常に敏感に反応し、以前使っていたシャープのプラズマクラスターの空気清浄機よりも、はるかに強力な消臭効果を発揮してくれていると感じています。
また、ネット上の口コミを見てみると、タバコを吸っている方やペットを飼っている方々が、確かな消臭効果を実感されているようです。
最後に、オゾンを大量に放出するタイプの製品も一つご紹介しておきます。
強く染み付いたニオイに悩まされている方は、ぜひ候補として検討してみてください。
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