最近、「腸活」という言葉を耳にする機会が増えてきましたね。
腸が脳以上に重要な身体の器官だと言われることもあります。
腸は、食べ物から必要な栄養を吸収し、体内でホルモンを分泌するなど、私たちの健康にとって非常に重要な役割を果たしています。
その腸内で活動している「腸内細菌」は、なんと約100兆から1000兆個も存在すると言われており、その種類はおよそ1,000種に及び、重さにして約1キログラムから2キログラムとも推定されています。
これは驚くべき事実ですね。
この「腸内細菌」の働きによって、私たちの健康が維持されているのです。
もし腸の状態が悪化すると、さまざまな病気や体調不良を引き起こすことがあります。
このように、私たちにとって極めて重要な器官である腸の環境を損なう可能性のある食品について、これから詳しく説明していきたいと思います。
この記事を読むことで、次のことが明らかになります。
それでは、どうぞ最後までお付き合いください。
腸内細菌を殺す食べ物
まず初めに、腸内細菌を損なう食べ物について詳しくお話ししていきます。
食品添加物には、乳化剤や防腐剤、pH調整剤など多くの種類があります。これらの添加物には数多くの化学物質が使用されており、身体にとって良い影響を与えるものは一つもないと主張する医師も少なくありません。
さらに、多くの食品添加物が腸内の良質な細菌を殺してしまうことが明らかになっています。
特に、食品添加物が多く含まれているのは、加工食品や調理済みのお惣菜、パン、お菓子などです。
コンビニやスーパー、外食チェーンでは、こういった加工食品を手軽に手に入れることができますが、過剰に摂取することで腸内細菌を損なう恐れがあります。
食べる前には必ず食品成分表を確認することが重要です。添加物の種類が多い食品や、カタカナで表記された添加物が多く含まれるものは避けるように心がけることが、腸内細菌を守るためには必要です。
一般的に、冷凍食品は添加物が少ないと言われていますが、中には大量の添加物が含まれているものも存在するため、成分表やラベルをしっかり確認してから購入することが大切です。
また、長期間保存が可能な食品は避けることをお勧めします。食品添加物の主な役割は、1つは長期間腐敗を防ぐこと、もう1つは味や見た目を向上させることです。
砂糖が身体にとって有害であることは広く知られるようになりました。特に、精製された白砂糖は血糖値を大きく変動させ、私たちの自律神経のバランスを崩す原因となります。また、脳が砂糖に依存する状態を引き起こし、腸内の健康を損なうことにもつながります。なぜなら、白砂糖は腸内細菌の悪玉菌のエサになってしまうからです。
ダイエット飲料によく使用される人工甘味料も、腸内細菌を傷つける添加物の一つです。代表的な人工甘味料には「アスパルテーム」「スクラロース」「アセスルファムK」があります。これらの人工甘味料は腸内環境を乱すだけでなく、成長にも悪影響を及ぼす可能性があるとされています。
砂糖を摂取する際には、できるだけ白い精製糖から未精製のもの(きび糖や黒糖など)に切り替えることが重要です。また、人工甘味料も天然の甘味料(羅漢果、ステビア、甘草など)や糖アルコール(キシリトール、エリスリトール)に置き換えることが大切です。
腸内細菌を損なう食品として、「お菓子」は特に危険です。なぜなら、腸に悪影響を与える精製糖や精製塩、小麦や牛乳、酸化した油など、腸内細菌に悪影響を及ぼす成分が大量に含まれているからです。
アルコールは腸内細菌の機能を低下させ、悪玉菌を増加させる作用があることが知られています。よく、お酒を飲んだ翌朝にお腹が緩くなることがありますが、それはアルコールが腸内細菌を害し、腸の環境が乱れているために起こるのです。
腸の環境を整えてくれる食べ物
次に、腸内細菌を整え、助けてくれる食品について詳しく説明していきます。
まず最初にご紹介するのは発酵食品です。具体的には、ヨーグルト、納豆、味噌、漬物、キムチ、麹、お酢などが含まれます。ただし、ヨーグルトについては少し注意が必要です。乳製品であるため、乳製品に対して敏感な方(乳糖不耐症やカゼイン不耐症の方)には、逆効果になる可能性もあるからです。また、納豆や味噌は腸内細菌を助ける食品ですが、伝統的な製法で作られていない商品も増えているため、ラベルを確認することが重要です。お酢は腸内細菌の中の善玉菌を増やすだけでなく、胃内を酸性に保ち消化を助ける働きも持っています。日本人は胃酸の分泌が少ないため、洋食中心の食事によって慢性的な消化不良に悩む人が多くなっています。
食物繊維も腸内細菌の活動を支える食品です。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、短鎖脂肪酸を生成します。この短鎖脂肪酸には、①腸内を酸性にして悪玉菌の繁殖を防ぐ、②粘膜細胞にエネルギーを供給する、③代謝を調整するなどの多くの機能が報告されています。
不溶性食物繊維は、便通を改善する働きがあり、便秘を防ぐことで悪玉菌の増加を抑えることができます。
オリゴ糖はビフィズス菌など腸内の善玉菌のエサとなります。その結果、善玉菌の数が増加し、腸内環境が整えられることになります。
さらに、砂糖と比較してカロリーが少ないため、体にも優しい選択肢となります。
まとめ
私たちの健康にとって、腸は日々重要な役割を果たしてくれています。
そして、腸内の腸内細菌の環境が良好か悪化しているかによって、健康状態が大きく変わるのです。
一部の研究では、腸の働きが脳の機能にも影響を与えると言われています。
運動やストレス管理とともに、食事にも注意を払い、心身ともに健康で長生きできるよう心がけたいものですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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