銀杏(ぎんなん)は本当に美味しいですよね。
ただ、街中で落ちている銀杏は、少し強い臭いがすることがあります。
しかし、焼き鳥屋さんのメニューなどでは、銀杏は多くの人々に好まれ、人気のある食材となっています。
それでは、どうぞ最後までお付き合いください。
銀杏(ぎんなん)の危険性について
まずは銀杏(ぎんなん)について詳しく説明しましょう。
銀杏は、街路樹としてよく見かけるイチョウの実のことを指します。
秋になると、道に落ちている銀杏が強い臭いを放つこともあると思います。
実は、このイチョウの樹木は絶滅の危機に瀕しているとも言われているのです。
イチョウの仲間は、約6,500万年前の新生代に繁栄していた植物群で、
世界中でその化石が発見されています。
現在私たちが目にするイチョウは、生きている化石として唯一残る種だとされています。
また、古代から漢方薬としても利用されてきた歴史があり、その薬効成分は非常に多様です。
銀杏(ぎんなん)は、咳止めや喘息の治療、夜尿症の改善、滋養強壮など、さまざまな健康効果が期待されています。
それでは、この生きた化石であり、かつ美味しい銀杏(ぎんなん)にはどのような危険が潜んでいるのか、詳しく見ていきましょう。
まず最初に挙げられるのは、中毒のリスクです。
私たちが食べる銀杏(ぎんなん)は、実際には殻の中にある胚乳と呼ばれる部分です。
その胚乳には、ビタミンB6の不足を引き起こす成分「MPN」が含まれています。
この「MPN」という名前はあまり耳慣れないかもしれませんが、過剰に摂取するとビタミンB6欠乏症に似た中毒症状を引き起こす可能性があります。
体内のビタミンB6が不足すると、神経伝達物質であるGABAの合成が妨げられ、痙攣などの症状が現れることが報告されています。
そのため、銀杏を大量に食べることでビタミンB6の欠乏状態が起こり得るのです。
具体的な症状としては、主に嘔吐や痙攣が挙げられます。痙攣は何度も繰り返されることがあります。
その他にも、不整脈や顔面蒼白、呼吸困難、息切れ、めまい、意識混濁、下肢の麻痺、便秘、発熱などの症状が出ることがあります。
最悪の場合、意識を失ってしまい、死亡に至ったという報告も存在します。
特に中毒症状が起こりやすいのは、5歳未満の子どもたちです。彼らは体重が軽いため、少しの過剰摂取でも影響が大きくなります。
報告された症例の約70%は、10歳未満の子どもたちによるものです。
成人の場合は、非常に大量に摂取しない限りは大きな問題にはならないと考えられています。適切な量を守れば中毒のリスクは低いでしょう。
どのくらいまでなら食べても良いのか?
このように、食べ過ぎると最悪の場合には死亡の危険がある銀杏(ぎんなん)ですが、一体どのくらいまで食べることができるのでしょうか?
一般的には、子どもの場合は7〜150個、大人は40〜300個が目安とされています。
特に幼児は中毒を起こしやすく、5〜6個程度の摂取で中毒症状を呈したという報告もあります。
一方、大人は過度に大量に食べない限り、中毒に至ることは少なく、少量であれば問題なく楽しむことができると言われています。
一般的な目安として、大人は1日あたり10個程度、子どもは5個以内を目安にすると良いでしょう。
銀杏(ぎんなん)は栄養成分が多様で、主に糖質、脂質、たんぱく質を含んでいます。さらに、ビタミンCやβ-カロテンなども含まれています。
これらの栄養素を摂取できるため、美味しさと共に健康面でも役立つ食材です。
それでは、銀杏をどのように取り入れるのが良いのでしょうか?
調理方法についてお伝えします。
銀杏を美味しく楽しむためには、炒る、茹でる、揚げるなど、さまざまな調理法があります。
また、料理店でよく見かけるように、銀杏単体で食べるだけでなく、炊き込みご飯や茶碗蒸し、炒め物などの料理に加えることで、より美味しく味わうことができます。
特に秋の季節には、フライパンで銀杏を中火でコロコロと転がしながら炒めるだけで、ホクホクした食感や甘みを堪能することができます。
まとめ
私たちが街を歩くと、当たり前のように目にするイチョウの木。
その実である銀杏(ぎんなん)には、古代からの長い歴史があり、絶滅の危機に瀕した生きた化石としての側面も持っています。また、過剰摂取によって最悪の結果を招く危険性も秘めています。
驚くべきことです。一年の中で、特に秋は食べ物が美味しい季節です。その食材に彩りを添えてくれる銀杏(ぎんなん)。
食べ過ぎには注意が必要ですが、適切な量を楽しむことで、季節の移ろいを感じていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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