皆さんの家庭でよく見かける料理の基本とも言えるサラダ油についてお話ししましょう。
美味しくてボリューム満点の料理には、実は多くのサラダ油が使われているのです。例えば、唐揚げやエビフライ、天ぷらなど、これらは子どもたちにも非常に人気の高い料理ですよね。
それでは、私たちの日常生活で頻繁に使われているこのサラダ油について、注意すべき危険性があることをご存知でしょうか?今回は、普段何気なく使っているサラダ油が体に良くないと言われる理由や、安全に使用するためのヒントについて詳しく解説していきます。
サラダ油の由来
スーパーマーケットなどで広いスペースを占めている油コーナーには、今やオリーブオイルや植物油など、多様な種類の油が販売されています。
その中でも特に手頃な価格で手に入るサラダ油は、コストパフォーマンスの観点からも、揚げ物などに利用する方が多いのではないでしょうか。
さて、サラダ油の名称の由来についてお話しします。サラダ油とは、食用油をさらに精製して品質を向上させ、加熱せずにそのままでも食べられるようにした油のことを指します。
昔の日本では食用油は主に揚げ物に使われていましたが、西洋では油に塩やビネガーを加えて生野菜にかけることで、ドレッシングとして用いられていました。この西洋のスタイルや、冷やしても固まらない特性から「サラダ油」と名付けられたそうです。
なお、日本ではサラダ油として販売されるためには、日本農林規格(JAS)に基づいた原料を使用し、JAS認定工場で製造されたものである必要があります。
サラダ油が危険と言われる理由
次に、サラダ油が危険であるとされる理由を4つご紹介します。
1.精製時に化学溶剤が使われているから
油の製造方法は大きく分けて2つあります。それは抽出法と圧搾法です。サラダ油はほとんどが抽出法によって製造され、この際に化学溶剤が用いられます。
基本的には、蒸留過程でこれらの溶剤は取り除かれるとされていますが、残留の有無を証明することは難しいため、危険視されることが多いです。安価な油のほとんどは、抽出法か圧搾法を組み合わせた圧抽法で大量生産されているのです。
2.トランス脂肪酸が含まれているから
サラダ油の精製過程では高温処理が行われ、その結果として酸化した油と同じくトランス脂肪酸が発生します。過剰にトランス脂肪酸を摂取すると、悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化や心臓疾患、さらにはがんやアトピーなどのアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、危険視されています。
3.遺伝子組み換え作物が使われているから
日本では遺伝子組み換え作物の栽培は認められていませんが、輸入は許可されているものもあります。サラダ油の原料としては、「大豆・なたね・とうもろこし・わた」の4つが該当します。これらの原料に関しては表示義務がないため、安価な商品には輸入作物が使われることが多く、遺伝子組み換え作物が含まれている可能性も高いのです。
4.リノール酸が含まれている
サラダ油には必須脂肪酸であるリノール酸が含まれています。かつては、体内で合成できないために摂取が推奨されていましたが、最近の研究ではリノール酸の過剰摂取がうつ病や心筋梗塞、アトピーなどのアレルギー症状を引き起こす原因となることが認識されています。
安全に使用する方法
油は日々の食事に欠かせない存在ですよね。健康を維持するためには、「サラダ油をやめること」が一番の近道とも言えますが、高カロリーで危険な要素がある一方で、完全に使用をやめることは難しいのが現実です。
そこで、安全にサラダ油を使用するための方法をいくつかご紹介します。
・使い回し、保管場所を考慮する
どんなに良質な脂肪でも、使い方や保管方法によっては危険性が生じることがあります。まずは、使い回しを避けることが重要です。そして、直射日光が当たる場所には絶対に保管しないようにしましょう。こうすることで、酸化を防ぐことができます。
・摂取量に注意する
これは基本的なことですが、非常に重要です。例えば、揚げ物を作る際には、大量の油で完全に浸すのではなく、少量の油で焼き揚げるよう心がけ、揚げた後はしっかりと油を切るなど、減らせる部分は多くあります。
・国産のサラダ油を選ぶ
サラダ油を購入する際は、国産のものを選ぶことをお勧めします。特に、国産原料100%と明記されたサラダ油は、遺伝子組み換え原料を一切使用していないため、安全性が高いと考えられます。これらのポイントを踏まえ、サラダ油を選ぶ際には十分に注意してみてはいかがでしょうか。
サラダ油の健康的な代用品について
健康を考えるのであれば、サラダ油よりも体に良い代用品を選ぶのが賢明です。市販されている中にも、代用に適した油がありますので、以下にいくつかご紹介します。
①オリーブオイル
オリーブオイルは、オレイン酸を含むため、サラダ油よりも酸化しにくい特徴があります。特に、遠心分離によってオリーブの果実から抽出されたエクストラ・ヴァージン・オイルは、健康に良いとされるため、特におすすめです。
②ごま油
白ごまを焙煎して作ったごま油も、サラダ油の優れた代用品として知られています。ごま油にはリノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸が含まれていますが、オリーブオイルと同様に酸化しにくい油です。また、ごま油にはコレステロールの低下や血行促進といった健康効果があります。
③グレープシードオイル
ぶどうの種から作られるグレープシードオイルは、無味無臭のため、さまざまな料理に使いやすいのが特長です。また、コレステロールを含まず、ビタミンEが豊富であるため、サラダ油よりも健康に良い選択肢です。
④菜種油
セイヨウアブラナの種子から抽出された菜種油は、天ぷらや揚げ物に適しています。ビタミンKが豊富に含まれており、カルシウムの吸収を助ける効果も期待できるのが嬉しいポイントです。
サラダ油が主流のように思われがちですが、実は料理のスタイルや用途に応じて利用できる多様な油が存在しています。さまざまな油について調べてみるのも、食事をより美味しく楽しむ秘訣となるでしょう。
まとめ
今回は、サラダ油が危険視される理由や、健康的な代用品についての情報をお届けしました。安価だからといって過剰に摂取せず、安全に使用する方法や代用品を利用しながら、適切に活用していただければと思います。
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