
はちみつは栄養価が高く、砂糖と比較してもヘルシーなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
実際に、はちみつにはビタミンやミネラル、ポリフェノール、アミノ酸など、健康に寄与する成分が豊富に含まれています。
甘さは砂糖と同等のはちみつのカロリーは、100gあたり294Kcalであり、砂糖の100gあたりのカロリー384Kcalと比較すると、なんと90Kcalも低いのです。
パンやパンケーキにトッピングしたり、ヨーグルトや紅茶に加えたりするだけでなく、さまざまな料理にも活用できるため、年々その消費量は増加しています。
しかし一方で、2021年10月には国内シェア1位の「サクラ印はちみつ」の一部商品から、基準値を超える残留農薬が検出されるという衝撃的な事態が発生しました。
この問題を受けて、メーカーの㈱加藤美蜂園本舗が自主回収を行ったため、スーパーマーケットの棚から「サクラ印はちみつ」の一部商品が姿を消すことになりました。
普段から安価な中国産はちみつを避けていた私は、この出来事にとてもショックを受けました。
長年親しまれているブランドであり、その知名度から「サクラ印はちみつ」を選んでいた消費者も多かったことでしょう。
そこで今回の記事では、安心して選ぶことのできるはちみつを見つけるために、以下のポイントを中心にお伝えいたします。
- 購入を避けるべきはちみつ
- 日本で販売されているはちみつの種類
- 安心して選べるはちみつの選び方
購入を避けるべきはちみつとは?
危険なはちみつ

「サクラ印はちみつ」の自主回収問題で取り上げられた残留農薬の成分は「グリホサート」です。
回収対象となった商品は「サクラ印はちみつ」の中でも、アルゼンチン産とカナダ産のはちみつでした。
その中には、日本の基準値である0.01ppmを超える0.02~0.03ppmのグリホサートが含まれていたのです。
グリホサートは枯葉剤の主成分として知られており、過去にはベトナム戦争でアメリカ軍によって使用されました。
その結果、約300万人ものベトナムの人々が健康を害し、亡くなったり、障害のある赤ちゃんが生まれるなど、甚大な被害を引き起こしました。
グリホサートについては、2015年にWHO(世界保健機関)の専門機関が「おそらく発がん性がある」と評価しています。
過去にもあった輸入はちみつの問題

2002年には、中国産のはちみつから抗生物質が検出されたという問題が報告されています。
世界各国で抗生物質の過剰使用によって引き起こされる「薬剤耐性菌」の問題が深刻化していることから、EUはすぐに輸入を禁止しました。
このEUの輸入禁止措置を受けて、日本でも中国産はちみつの輸入検査が強化されたのです。
はちみつに限らず、中国は残留農薬や食品の偽装問題で日本を含む多くの国からしばしば食品の輸入を禁止されていることは、多くの人が報道などで耳にしたことがあるでしょう。
2010年にはインド産のはちみつからも抗生物質が検出されるという事例がありました。
このような過去の事例から、残留農薬や抗生物質が検出された国(中国、アルゼンチン、カナダ、インド)のはちみつは、購入を避けるべきだと考えられます。
日本で販売されているはちみつは3種類

一口に「はちみつ」と言っても、その種類によって加工方法や成分が異なることをご存知でしょうか?
現在、日本で販売されているはちみつは、大きく分けて次の3つの種類に分類されます。
純粋はちみつ
純粋はちみつとは、精製がなされておらず、添加物が一切含まれていない100%天然のはちみつのことです。
ただし、水分含有量が23%以下で、果糖・ブドウ糖の含有量が100g中60g以上という厳格な品質基準を満たす必要があります。
純粋はちみつの中でも、「生はちみつ」と「完熟はちみつ」は加熱処理を行っていないため、栄養成分が豊富に含まれており、価格も高めです。

精製はちみつ
精製はちみつは、純粋はちみつを精製して、たんぱく質やビタミン・ミネラル、香りや色を取り除き、使いやすく加工されたはちみつを指します。
加糖はちみつ
加糖はちみつは、純粋はちみつに人工甘味料や水あめなどが加えられたもので、はちみつの含有量が60%以上となっているものです。
この三つの中では、純粋はちみつが最も加工がされておらず、栄養素が多く残っています。
はちみつの美容や健康効果を期待するのであれば、ぜひ純粋はちみつを選ぶことをお勧めします。

はちみつの選び方と注意点

ここからは、安心して購入できるはちみつを選ぶ際のポイントと注意点についてお話しします。
まずは成分表示を確認
はちみつを選ぶ際には、パッケージのラベルに「はちみつ」と記載されていても、必ず成分表示を確認することが重要です。
原材料に果糖ぶどう糖液糖やグルコース、コーンシロップなどの人工甘味料が含まれている場合は、購入を避けるべきです。
人工甘味料は、主にはちみつの量を増やしたり、はちみつが結晶化して固まるのを防ぐために添加されます。
名称も「はちみつ」ではなく、「はちみつ加工品」と表記されていることが多いです。
原産国を確認する
国産ではなく輸入はちみつを購入する場合、原産国が次の3か国であれば信頼性が高いと考えられます。
- ドイツ
- ルーマニア
- ニュージーランド
特にドイツでは、1976年に制定された「はちみつ純正法」という、ヨーロッパで最も厳しい基準が設けられています。
この基準には、糖度や酵素、加熱処理の程度に関する規定があり、厳しい審査をクリアしたものだけが「純正はちみつ」として認められるのです。

EUで最大のはちみつ生産国であるルーマニアは、ドイツの「はちみつ純正法」に基づく厳しい基準を満たした良質なはちみつを生産しています。

ニュージーランドは、健康効果が高いことで知られる「マヌカハニー」の主要な産地です。
ニュージーランド産のはちみつも、ドイツ同様に厳しい基準が設けられているため、安心して選ぶことができるでしょう。

極端に安価なはちみつは避けるべき
純粋はちみつは、採取する花の種類によりますが、国産品の場合、1kgあたり平均で5,000〜6,000円が一般的な価格帯です。
業務スーパーなどで見かける1kgあたり1,000円未満の純粋はちみつは、ほとんどが中国産であるため、購入は避けることをおすすめします。
1歳未満の子供にははちみつは禁止!

2017年には、生後6か月の赤ちゃんがはちみつに含まれる「ボツリヌス菌」が原因で亡くなるという悲劇的な事件が発生しました。
この事件では、家族が料理レシピ検索サイト「クックパッド」を参考にして作った、はちみつを含むジュースを赤ちゃんに飲ませていたことが原因とされています。
クックパッドには誰でもレシピを投稿できるため、離乳食に使用するはちみつを推奨するレシピが多数存在していました。
はちみつには「1歳未満の子供には与えないように」との注意書きがラベルに記載されていますが、家族はそのことを知らなかったといいます。
1歳未満の子供は、腸内環境が未成熟なためボツリヌス菌の繁殖を抑制することができません。
はちみつは健康に良い成分が豊富に含まれていますが、必ず1歳未満の子供の口に入らないように十分注意しましょう。
まとめ
これまで、はちみつについてさまざまな情報をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
はちみつは、テレビの情報番組でもその素晴らしい健康効果が取り上げられるほど栄養価の高い食品です。
最近では多種多様なはちみつが販売されていますので、ぜひあなたのお気に入りのはちみつを見つけていただければと思います。
コメント