ほとんどの家庭で常備されている「白だし」は、料理に上品な深みを加えるために欠かせない調味料と言えるでしょう。多くの方が、その豊かな味わいを求めて使っています。
何か物足りない、もう一味欲しい…そんな時にこそ、救世主のように登場するのが「白だし」です。
お吸い物、卵焼き、茶碗蒸し、うどんつゆ、さらには炊き込みご飯など、さまざまな料理に使えるこの万能調味料は、本当に重宝します。

さまざまな料理に合う「白だし」ですが、日常的に多くの量を使っていると、体にどのような影響があるのか気になるところではありませんか?
白だしの原材料
ここでは、白だしの原材料について、いくつかの大手メーカーからの2つの具体例をご紹介いたします。
・食塩(国内製造、韓国製造)、しょうゆ(小麦・大豆を含む)、砂糖、濃縮鶏がらだし、濃縮だし(こんぶ・かつおぶし)、たんぱく加水分解物(小麦・ゼラチン含む)、こんぶエキス、粗砕かつおぶし、粗砕そうだかつおぶし、酵母エキス(大豆を含む)/調味料(アミノ酸等)、アルコール
・食塩、たん白加水分解物(大豆を含む)、ふし(かつお、そうだかつお)、米発酵調味料、砂糖、しょうゆ(小麦を含む)、還元水飴、かつおぶしエキス、魚介エキス、醸造酢、酵母エキス/調味料(アミノ酸等)、アルコール
この2種類が代表的な例として挙げられます。
添加物に関しては、「/」以降に記載されているため、調味料(アミノ酸等)とアルコールの2種類が含まれています。
ただし、添加物とは見なされないものの、体に悪影響を与える可能性があると言われている成分が、たん白加水分解物、酵母エキス、還元水飴の3つです。
それでは、これらについて詳しく見ていきましょう。
白だしの添加物について
・調味料(アミノ酸等)
一般的にこの表記は「うま味調味料」を指し、料理に深い旨味を加えるために用いられます。
この調味料の主な利点は、手軽に旨味成分を料理に加えられることです。
うま味調味料には、アミノ酸系の旨味成分である「グルタミン酸ナトリウム(昆布の旨味成分)」に加え、核酸系の旨味成分である「イノシン酸ナトリウム(鰹節などの旨味成分)」や「グアニル酸ナトリウム(しいたけなどの旨味成分)」が含まれています。
ただし、「うま味調味料」として、アミノ酸と他の種類の調味料を2種類以上使用している場合には、原材料名に「調味料(アミノ酸等)」と表記することが許可されています。
そのため、具体的にどの成分を摂取しているかが不明である点が、消費者にとっての不安要素となっているのです。
さらに、調味料(アミノ酸等)は過剰に摂取すると、味覚障害、手足のしびれ、偏頭痛、さらには発ガン性などのリスクがあるとの指摘もあります。
特に、少しの量でも「美味しい」と感じるほどの強い旨味成分が含まれている添加物ですので、この味に慣れてしまうと味覚障害のリスクが高まるため、過剰摂取には十分な注意が必要です。
・アルコール
食品中のバイ菌を抑えるためや、日持ちを良くするために使用される添加物です。
サトウキビなどの自然由来の素材を発酵させて作られており、化学薬品はほとんど含まれていないため、比較的安全性が高いとされています。
ただし、アルコールアレルギーのある方には注意が必要ですので、摂取量には気を付けるべきです。
白だしを構成する危険視されている成分について
次に、添加物とはみなされていませんが、科学的に合成された成分である「たん白加水分解物」「還元水飴」「酵母エキス」について解説します。
・たん白加水分解物
これは小麦や肉を原料とした食品で、加工食品に旨味を付けるためのうま味調味料として利用されることが多いです。
加水分解という比較的シンプルな加工方法で製造されるため、添加物ではなく「食品」として扱われます。
しかし、薬品(酵素や塩酸、水酸化ナトリウムなど)を用いて処理されているため、添加物と同程度に体に悪影響を与える可能性があるとされています。
・酵母エキス
添加物ではないものの、強い旨味があるために味覚障害のリスクが指摘されています。また、ビール酵母などの残りかすが使用されることや、製造過程が科学的であることから、添加物同様の危険性が懸念されています。
さらに、酵母エキスも過剰に摂取することでアレルギーを引き起こす可能性や、発ガン性のリスクがあるため、注意が必要です。
・還元水飴
この成分は糖質系甘味料(糖アルコール)の一種で、水飴に水素を添加して作られています。低カロリーな甘味として、砂糖の代替品として使われることが特徴です。
水飴に水素を結合させるなど、科学的な処理が行われているにも関わらず、添加物ではなく食品とみなされるため、「無添加」と誤解されることもあるため注意が必要です。
白だしを使用する際に気をつけるべき最大の盲点
白だしは、その色味が薄く、味もそれほど強くないため、塩分が多く含まれていることに驚く方も多いかもしれません。
しかし、塩分の過剰摂取は高血圧を引き起こし、高血圧は動脈硬化や心疾患、さらには脳卒中など、深刻な健康問題を引き起こす要因となりますので、使用には注意が必要です。
白だしには、大さじ1杯あたり1.5グラムの塩分が含まれています。
成人男女の一食分の塩分摂取目安量が2.1〜2.5グラムであることを考えると、その大さじ1杯だけで6〜7割を占めてしまうことになります。
料理の味付けに白だしを頻繁に使用する方も多いでしょうが、目分量ではなく、しっかりと計量し、減塩につなげていくことが大切です。
さらに、白だしの代わりにめんつゆや出汁を利用することも十分に可能ですので、これらの方法を活用することで、塩分の過剰摂取や添加物の取りすぎに注意していきましょう。

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