幼児に買ってはいけないソフトキャンディ

ただ舐めるだけでなく、噛んでその柔らかな食感を楽しむことができるソフトキャンディ。日本では「森永製菓 ハイチュウ」や「UHA味覚糖 ぷっちょ」などが特に人気のある代表的な商品です。ハードキャンディとは異なり、口に入れるとスムーズに溶けていくやさしい味わいが非常に魅力的です。

これらのソフトキャンディは、ほとんどのコンビニやスーパーで手軽に手に入るため、実にフレーバーの種類も豊富に揃っています。

フルーツ系の味わいだけではなく、抹茶やきなこ、黒ごま、甘酒といった和風のフレーバーも存在するため、幅広い年代層から支持されているお菓子となっています。

ただし、その甘くて粘り気のある食感によって、「歯に悪影響を及ぼすのではないか？」という懸念の声も多く聞かれます。さらに、子どもに食べさせても大丈夫なのは何歳からかという疑問を持つ人も少なくないようです。

この記事では、ソフトキャンディに関する基本的な知識から、歯に与える影響や幼少期における危険性について詳しく解説していきます。

ソフトキャンディとは？

ハードキャンディとの違い

飴は大きく分けて、「ハードキャンディ」と「ソフトキャンディ」の2種類が存在します。

硬く、舐めることを基本とするハードキャンディに対し、ソフトキャンディは舐めるだけでなく噛むことも楽しめるという特長があります。

両者とも水あめと砂糖を主成分としているものの、ソフトキャンディにはゼラチンが使用されていることが多いのが一つの特徴です。このゼラチンが、ソフトキャンディ特有の柔らかい食感を生み出す要因となっているのです。

また、製造時の煮詰め方には以下のような違いがあります。

このゼラチンの有無・煮詰め時の温度・水分量の違いによって、まさにソフトキャンディ特有の独特な食感が生まれるのです。

キャラメルやヌガーは？

実は、キャラメルやヌガーもソフトキャンディの一種です。

キャラメルは、砂糖や水あめ、練乳などを低温でじっくりと煮詰めて作られています。

一方、ヌガーは、砂糖や水あめを煮詰めた後に泡立てた卵白またはゼラチンを加え、最後にナッツやドライフルーツを混ぜ込んだフランスの伝統的なお菓子です。

どちらも水あめ・砂糖を120℃前後の低温で煮詰めて作られているため、ソフトキャンディの仲間として位置付けられるのです。

歯への影響

むし歯の危険性はナンバーワン

むし歯の原因となるミュータンス菌のエサは、明らかに「糖質」です。

そのため、ポテトチップスや煎餅と比較して、ケーキやお饅頭といった甘いお菓子はむし歯になりやすい</strongという傾向が強いのです。

さらに、糖分が口の中に長く留まるほど、むし歯になるリスクが高まることも知っておくべきポイントです。

糖分が多く含まれ、口の中に長時間留まる飴やガムといったお菓子は、非常にむし歯になりやすい食品と言えるでしょう。特にソフトキャンディは歯にくっつきやすいため、ハードタイプのキャンディよりも糖分が長く口の中に残ることになります。

また、治療済みの歯の詰め物が外れるなど、歯に対して悪影響を及ぼす可能性が高いお菓子とも言えるのです。

歯の質が弱い人・子どもは要注意

むし歯の原因は甘いものだけに限らず、歯の質にも深く関連しています。

歯の質は、遺伝や歯を形成する際の環境、さらには薬など多くの要因によって影響を受けるため、個々によって差があるという特徴があります。

さらに、乳歯や生え変わりたての永久歯は特にむし歯になりやすいため、乳歯が生え始める生後6か月から、永久歯に生え変わる中学生頃までは特に注意が必要です。

中学生や高校生になると、部活動や塾の後に子どもだけで間食をするケースも増え、食生活が乱れやすくなります。できれば幼児から小学生の間に、デンタルケアの重要性についてしっかりと関心を持たせておくことが望ましいでしょう。

歯の質が弱い人やお子さんがソフトキャンディを食べた後は、特に念入りにデンタルケアを行うことを強くおすすめします。

子どもに食べさせるのは5歳から

甘くて美味しいソフトキャンディは、子どもにとっても人気が高いお菓子の一つです。

ハイチュウやぷっちょ、キャラメルなどのソフトキャンディは、いったい何歳頃から食べさせて良いのでしょうか？

結論としては、できれば5歳以降をおすすめします。

なぜ5歳からかというと、子どもの乳歯は3歳ころまでに生え揃い、その後に生えた歯の表面にあるエナメル質が完成するまでに、さらに2年以上かかるからです。

乳歯がむし歯になると、大人の歯である永久歯もむし歯になりやすくなるため、特に注意が必要です。

さらに、幼児の場合は窒息事故も懸念されます。

食べ物をしっかりと噛み砕く能力は、3歳から6歳にかけて徐々に発達していくため、窒息事故は1歳から4歳が最も多いとされています。このため、この時期にソフトキャンディのような形状のお菓子を与えることは注意が必要です。

以上の理由から、食べさせるのは5歳以降が最適だと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ソフトキャンディに関する基本的な知識や、歯に与える影響、さらには子どもが何歳から食べることができるのかといった気になるポイントについて詳しく紹介しました。

ほどよい噛み応えのあるソフトキャンディは、少しリフレッシュしたいときにぴったりのお菓子です。

しかし、非常にむし歯になりやすいお菓子でもあるため、だらだらと何個も食べ続けることは控えた方が賢明です。また、子どもにソフトキャンディを与える場合は、むし歯のリスクを考慮すると5歳以降が適切であると言えるでしょう。

ソフトキャンディを楽しんだ後は、普段以上に丁寧に歯磨きを行い、歯の健康をしっかりと守るよう心掛けたいですね。