ビジネスファッションにおいて、スーツやネクタイのマナーや着こなしを気にする男性は多くいますが、靴に関してはその重要性をあまり理解していない、あるいは知らないという方が少なくないのではないでしょうか。
実は、ビジネススーツにシューレースのない革靴を合わせるのはマナー違反であることをご存知ですか?
スーツに相応しい靴は「紐付きの革靴」です。
この記事では、ビジネススーツに適さない靴と、逆におすすめの靴について詳しくご紹介していきます。
避けるべき靴の種類
こちらは、ローファーなど、シューレースがない革靴を指します。脱ぎ履きが非常に楽で、スリッポンという名前でも知られています。
ローファーの起源は、ノルウェーの農夫が牛を放牧する際に履いていた靴に由来しています。さらに、脱ぎ履きのしやすさから、かつては英国で室内履きとしても使用されていました。
このような歴史からもわかるように、スリッポンはワーキングシューズやルームシューズの延長線上にあるため、ビジネスシーンのようなフォーマルな場には適していない靴といえるでしょう。
デザイン性が高く、タッセルやビット(装飾金具)が付いていておしゃれなものも多いですが、ビジネススーツとの組み合わせは避けるべきです。
ビジネスシューズの基本的なカラーは「黒」と「茶色」です。
確かに最近ではビジネススタイルがカジュアル化してきていますが、赤や紫、緑といった基本的ではない色の靴は、ビジネスの現場には適さないと考えられています。
また、スエードやヌバックなどの起毛素材を使用した靴は、カジュアルな印象が強いため、ビジネスシーンでは避けるべきです。これらの素材や色の靴は、たとえシューレースが付いていてもマナー違反と認識することが大切です。最適なのは、滑らかなスムースレザーの靴です。
靴のデザインにも流行がありますが、つま先が長いロングノーズの靴などが流行することもあります。
しかし、クラシックなスタイルのスーツには必ずしも合うわけではなく、カジュアルで派手な印象を与えてしまいます。ビジネスシーンで選ぶべき靴は、やはりスタンダードなシルエットのものを選ぶべきです。
ビジネスシーンに適した靴の選び方
ビジネススーツにぴったりなシューズの正解は、「紐のついた革靴」です。
つま先が丸いラウンドトゥは、ビジネスシューズの定番とされています。流行に左右されにくく、長く愛用できるデザインです。つま先が長すぎなければ、少し四角いスクエアトゥも問題ありません。
革の種類は多様ですが、ビジネスシューズには「スムースレザー」を選ぶのがベストです。つるつるとした質感のレザーを選ぶと良いでしょう。
革靴のデザインは主に以下の3種類に分けられます。
– ストレートチップ:つま先の切り替えに1本のラインが入っているもの
– プレーネトゥ:装飾が一切ないシンプルなもの
– ウイングチップ:つま先の切り替え形状がWのようにデザインされているもの
この中で特に人気が高いスタイルは「ストレートチップ」と「プレーントゥ」です。ウイングチップはメダリオン(穴飾り)が施されていることが多く、華やかな印象を与えますので、パーティなどには適していますが、ビジネスシーンでは「ストレートチップ」や「プレーントゥ」を選ぶのが無難です。
黒のビジネスシューズはどんなスーツにも合わせやすく、1足は必ず持っていたいアイテムです。
黒以外では茶色も選択肢に入りますが、明るい茶色はカジュアルな印象を与えがちですので、黒の代わりに履く場合は濃い茶色のものを選ぶのが望ましいでしょう。
また、グレーや緑の靴でも、濃い落ち着いた色があればビジネスシーンでも違和感はありません。
うまくコーディネートすることで、ビジネスファッションにアクセントを加えることが可能ですが、定番は黒と茶色であることを念頭に置いてください。特に、これからスーツを揃える予定の方は、まずは黒の革靴を購入することをおすすめします。
まとめ
この記事では、ビジネスシューズのマナーや選び方について詳しく解説しました。
リモートワークが普及している現在でも、営業職の方を始め、完全にリモートで仕事をしているわけではない方がほとんどでしょう。会社の同僚や取引先と会う際には、TPOを考慮した正しいコーディネートが不可欠です。
スーツやネクタイのコーディネートがいくら素敵でも、靴がマナー違反では台無しになってしまいます。
そして、革靴のお手入れも非常に重要です。マナーに則った靴を選んでいても、ソールがすり減っていたり、汚れが目立つ靴では意味がありません。
履き終わった靴は必ずブラシで汚れを落とし、時には革の色に合ったクリームを塗り込むことで、新品同様に輝かせることができます。また、靴を長持ちさせるためには、2~3足をローテーションで履くこともおすすめです。
昔から「オシャレは足元から」という言葉があります。ぜひ、足元まできちんと揃えて、全体のコーディネートを美しく整えてください。
この記事が、日々仕事に励むビジネスマンの皆さんや、これから就職を控えている皆さんの靴選びの一助となれば幸いです。
ありがとうございました。
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