壁に穴を開けることなく、簡単に柱を作成することができる突っ張りアジャスターは、非常に便利なアイテムです。
この手軽さから、簡単にできるDIYの定番アイテムとして、多くの人々に親しまれています。
柱を2本設置し、その間に板を取り付けるだけで、すぐに簡単な棚を作ることが可能になります。
ディアウォールやラブリコ、ウォリストといった名前を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、突っ張りアジャスターにはいくつかの種類があり、特にバネ式とジャッキ式のタイプが広く知られています。
手軽に棚を設置できる一方で、使用するタイプやその使い方によっては失敗することが多く、その結果として事故につながる可能性もあります。
誤った使用法を避けるためにも、人気のあるディアウォール、ラブリコ、ウォリストを例に挙げて、それぞれのタイプの特徴をしっかりと理解しておくことが大切です。

突っ張りアジャスターとは
突っ張りアジャスターは、壁に穴を開けずに柱や棚を作成できるため、原状回復を重視する賃貸住宅に住む方や、壁に傷をつけたくない方々に特に人気を集めています。
このアジャスターを壁面に設置することで、省スペースで棚を効率的に作ることができます。
さらに、不要になった際には部屋に傷をつけることなく簡単に取り外せるため、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる変化自在の家具を作ることができる優れた道具です。
ディアウォール(バネ式)
ディアウォールはバネの力を利用して上下に突っ張る仕組みになっているため、設置の際に特別な工具は必要ありません。また、脚立も不要です。
木材をホームセンターでカットしてもらい、その後木材にディアウォールを取り付けて設置するだけで済みます。調整作業も必要ないため、一人でも簡単に作業を進めることができます。
ただし、耐荷重については公式に発表されていないため、自分自身で感覚を掴んで判断する必要があります。
見た目はころんとした丸みを帯びた形状でかわいらしく、ABS樹脂製のため、対応する塗料で自由に塗装することも可能です。


ディアウォールの注意点
・バネの力のみで木材を突っ張るため、耐荷重や強度の面ではジャッキ式のものに比べると劣る点があることに注意が必要です。
ラブリコ(ジャッキ式)
ラブリコは木材の上下にセットし、調整ネジを回すことで木材を天井に突っ張り、しっかりと固定する仕組みです。さらに、ゆるみ防止のためのバネも内蔵されています。
天井側にあるネジを手で回して調整するため、脚立が必要になります。
一人でも作業は可能ですが、できれば二人で作業をした方がよりスムーズに進むでしょう。
耐荷重については、公式には柱一本あたり20㎏と記載されていますが、棚板を使用する場合、その棚板の重さも考慮する必要があります。
強度が心配な方には、強力タイプやアイアンタイプも用意されているため、用途に応じて選択することができます。


ラブリコの注意点
・塗装はできませんが、基本的なカラーや流行の色が数種類販売されているため、選ぶ楽しさがあります。
・高い位置でネジを調整する必要があるため、脚立の使用が求められます。
ウォリスト(バネ+ジャッキ式)
ウォリストは金属製のジャッキを使用して上下に突っ張る仕組みで、豊富なパーツを利用して木材を束ねる金具を使うことで、大きな柱を作成できるのが特徴です。
木材を束ねることによって、柱を太くすることができるため、転倒しにくくなり、奥行きのある棚を作成することが可能になります。
束ねる金具は木材を1枚から4枚まで対応しているので、自分の好みに合わせた奥行きを作ることができます。
最大の4枚用は356㎜のサイズになるため、デスクや作業台と組み合わせて使用することもできます。
棚にデスクを組み合わせたり、テレビを壁掛けするためのパーツを組み込んで、壁面収納を作成することも簡単にでき、そのアレンジの自由度が非常に高いのがウォリストの魅力です。
ウォリストは多様性のあるアジャスターで、自分好みの収納を実現するための強力な助っ人です。

ウォリストの注意点
・金具は木材に合うように設計されていますが、金具はビス止めで固定するため、ドライバーと脚立が必要になります。
・床部分にはカバーがないため、付属のキズ予防やズレ防止シートを敷いておくことをお勧めします。
・DIYにはコストカットのイメージがありますが、パーツが豊富なため、追加でパーツを買い揃えると意外に費用がかかることもある点に注意が必要です。
どのタイプにも共通する注意点
いずれの突っ張りアジャスターにも共通する重要な注意点を見ていきましょう。
下地のあるところで使うこと
ディアウォールはバネの力を利用して天井を突っ張りますが、バネ+ジャッキ式のものはそれ以上の力で突っ張るため、石膏ボードのみの天井では傷める危険があります。
天井が抜けてしまう可能性もあるため、梁など、しっかりとした下地のある場所で使用することが望ましいです。
また、壁面の周囲以外は下地がないことが多いため、突っ張り力がきちんと働かず、転倒のリスクもあるため、間仕切りには適していません。
壁があると、日常生活の中で、何気なくもたれたり、ぶつかったりすることがあり得ます。
しばらくは問題がなくても、徐々にずれが生じ、間仕切り全体が転倒してしまうと、大きな怪我を引き起こす危険性があります。
そのため、突っ張りアジャスターは壁に沿った位置で使うのが最も安全です。
床と垂直に設置すること
床と垂直に設置することで、道具の力が最大限に発揮されます。
設置が歪んでいると転倒の危険があるため、水平器やアプリを利用して正確に設置するように心掛けましょう。
メンテナンスが必要
時間が経つにつれて、家や木材には多少の歪みが生じるものです。定期的にネジが緩んでいないか確認し、メンテナンスを行うことが重要です。
壁面に収納を増やすことができる一方で、高い位置にある収納は掃除が大変になることもあります。
置くものの重さや置く場所に注意
転倒リスクを避けるためにも、上部に重いものを置かないように心掛けることが大切です。
重い物は下部に配置することで、より安全に使用することができます。
とにかく、安全設計が最も重要です。
突っ張りアジャスターで自分好みの家具をつくろう
DIYの可能性を広げてくれる突っ張りアジャスターは、非常に便利なアイテムです。
木材の色がインテリアと合わないと感じたら、ペンキを塗って自分好みの色に変えることもできます。
ペンキが手間に感じる方には、リメイクシートや太いマスキングテープを使って雰囲気を変えてみるのも素晴らしいアイデアです。
また、フックやマグネットシートを取り付けて収納を増やすなど、アレンジの幅は無限大です。
お好みの棚を作成したら、置きすぎには注意が必要です。
耐荷重を過信せず、安全を第一に考慮しながら、自分だけのオリジナルな棚づくりを楽しんでくださいね。
まとめ
時計や小物など、飾り棚を作るのであれば、ディアウォールが適しています。
木材をカットしてもらえば、その後の調整は不要なため、設置が非常に簡単で初心者には最適です。
総荷重が20㎏程度までの物を載せる棚であれば、ラブリコの方が突っ張る力が強く、より適しています。
奥行きのあるものを作成したい場合は、側面の柱を増やすことができるウォリストが最良の選択肢となります。
突っ張りアジャスターはDIYを手軽に楽しむための素晴らしい道具ですので、その特徴をしっかりと把握しておけば失敗を避けることができます。
安全を第一に考えながら、オリジナルのDIYプロジェクトを計画してみてください。
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