雨の日にその真価を発揮する自動車の必需品「ワイパー」。実は、雨の日の交通事故件数は晴れの日に比べて約1.8倍にも達するという報告があります。誰もが交通事故を避けたいと願うのは当然のことですよね。
そこで、今回はこの「ワイパー」に関する重要な情報をお届けします。皆さんは、これまでに自分自身でワイパーを交換した経験はありますか?
私自身も以前は、ワイパーの交換を自分で行うことはほとんどなく、「車検の際にそのついでに交換してもらおう」という程度の気持ちでいました。
運転中、私たちが周囲の道路状況を把握するために視野から得る情報の約80%は視覚から得られていると言われています。このことからも、視覚情報が私たちの行動に与える影響の大きさが理解できます。
もしも、雨の日にワイパーの不具合が原因で事故を起こし、「あの時、ちゃんと交換しておけば良かった」と後悔する前に、基本的なワイパーに関する知識を身につけておくことは非常に重要です。
ワイパーの種類
ワイパーは、アーム部と消耗品であるワイパーブレード、さらにワイパーゴムから構成されています。
ワイパーブレードには以下の3つの主要なタイプがあります。
①トーナメントタイプ
このタイプは、多くの国産車に標準装備されており、非常に一般的なもので、交換費用も最も安いのが特徴です。
②フラットタイプ
このタイプは、フロントウインドウの曲面に合わせてゴムとブレードが一体化されている点が特徴であり、トーナメントタイプよりも優れた拭き取り性能を持ち、主に欧州車に多く採用されています。
③デザインタイプ
このタイプは、トーナメントタイプとフラットタイプの良い部分を組み合わせたもので、耐久性や拭き取り能力に優れている一方で、交換費用は高めです。
次に、ワイパーゴムについて説明します。代表的なものは以下の4種類です。
①スタンダードワイパー
その名の通り、最も一般的なワイパーです。
②グラファイトワイパー
このワイパーは、作動時の摩擦抵抗を軽減するために、ゴム部にグラファイト(炭素微粒子)をコーティングしており、主にフロントガラスに撥水コーティングが施された車両に使用されます。
③撥水コートワイパー
このワイパーは、ゴム部にシリコンをコーティングしているため、ワイパーを動かすだけで撥水効果を得られる特徴があります。
④雪用ワイパー
このワイパーは、ゴム部に撥水コーティングが施されており、フロントガラスの積雪や凍結を防ぐ効果があります。また、低温でも固くなりにくい素材を使用しているため、積雪地域に特化した設計となっています。
これまでに紹介した代表的なワイパーの種類について解説しましたが、撥水コーティング車にはグラファイトワイパーを、積雪地域には雪用ワイパーを選ぶなど、それぞれの特徴に応じた商品が存在することが分かりました。
基本的には、安価なスタンダードタイプのワイパーを使用しても問題はありませんが、高額な撥水コーティングを施したにもかかわらず、ワイパーがそれをすぐに落としてしまったり、積雪によってワイパー本体のモーターにダメージを与えてしまうのでは、余計な費用が発生してしまいますよね。
新しいワイパーに交換する際は、使用目的に応じたものを選ぶことで、結果的に長持ちし、車にも財布にも優しい多くのメリットが得られるでしょう。
ワイパーの交換時期について
ワイパーは、取り付けられた瞬間から常に外気にさらされていて、雨の日以外でも酸、油分、砂、ホコリ、紫外線、オゾンなど、さまざまな要因によって劣化が進行しています。
そのため、降雨量に関わらず、フロントガラスに筋や拭きムラが発生したり、作動中に異音が生じる場合は、ワイパーゴムの交換時期の目安になります。
ただし、ワイパーゴムを新しく交換しても、すぐに同じ症状が出る場合は、ワイパーブレードの劣化が原因かもしれませんので、こちらも交換を検討することをお勧めします。
一般的な交換の目安としては、ゴム部は約6ヶ月、ブレード部は約1年が推奨されています。
ワイパーは非常に繊細な部品ですので、乾いた状態で使用することはあまり推奨されません。
フロントガラスが汚れているからといって、ウォッシャー液を吹き付けた後にワイパーを作動させると、「砂」や「埃」がガラス面に均一にゴムを密着させられず、「拭きムラ」や「音の発生」の原因になることがあります。
ワイパーを長持ちさせるためにも、できる限り雨の日以外の使用を控え、定期的にワイパーゴム部の掃除を行うことをお勧めします。
おすすめのメーカーはあるの?
自動車専門店には多くの種類のワイパーが販売されていますが、ここではおすすめのメーカーを4つご紹介します。
日本のデザインワイパーのスタンダード商品で、特にこだわりがない方には無難でおすすめです。
撥水加工で有名な「ガラコ」シリーズのワイパーで、面倒な撥水コーティングを施さなくても、ワイパーを動かすだけで優れた撥水効果を得られます。
独自の「エアスルー構造」と「エアロシェイプ」により、高速走行時のワイパーの浮き上がりを抑制し、さらに撥水効果を持つ製品です。
欧州車への装着率が90%以上という著名なメーカーで、シンプルでスタイリッシュなデザインが特徴です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここでご紹介したメーカーの他にも、様々な種類のワイパーが店頭で販売されていますし、ネット販売ではリーズナブルな価格で提供されている商品も多く見受けられます。
しかし、ネットで販売されている安価な商品には、ゴムの劣化が進行していたり、圧力が均等でないものも存在するため、結果的にすぐに交換が必要になることもあります。
新しいワイパーに交換する際は、自分の車に適したタイプや、気に入ったデザイン・素材を選んでみてはいかがでしょうか。
雨の日でも快適なドライブを楽しむために、定期的なワイパーの清掃と交換を心掛けてください。
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