生理中に買ってはいけない食べ物とは?

毎月訪れるあの憂鬱な一週間がやってきます。

腹痛や腰痛、貧血に加えて、月経前症候群(PMS)による気分の落ち込みやイライラといった精神的なダメージも伴う、非常に辛い「生理」ですが、皆さんはどのような対策を講じていますか?

生理の重さや症状は人によって異なりますが、月経前症候群(PMS)がひどく、ピルを服用している方や、腹痛がひどくて仕事に行けないという方など、毎月苦しんでいる方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、生理中に避けるべき食べ物とその理由について詳しく解説し、さらに生理中におすすめの食べ物もご紹介していきたいと思います。あなたの辛い生理期間を、少しでも和らげるお手伝いができたら幸いです。

生理中に避けるべき食べ物

体を冷やす食べ物(アイスクリーム、氷たっぷりの飲み物など)

生理期間中に体が冷えると、生理痛を悪化させる原因になります。

生理は、「プロスタグランジン」という物質が体内で分泌され、子宮内の血管を広げ、筋肉を収縮させることによって、子宮内膜が外に排出されるプロセスが始まります。

この際に、子宮内や周辺の血流が冷えていると、子宮の動きが鈍くなり、子宮内膜の排出がスムーズに行えなくなります。その結果、より多くの子宮内膜を押し出そうとする「プロスタグランジン」が過剰に分泌され、子宮の収縮が強まることで生理痛が悪化します。

したがって、生理中に体を冷やすこと=子宮内や周囲の血管を冷やすことは生理痛を助長するため、避けることが推奨されます。

コーヒー

生理中にコーヒーは良くないと耳にしたことがある方も多いでしょう。

その理由は、「エストロゲンの増加作用」「鉄分の吸収を妨げる作用」があるとされているからです。

コーヒーに含まれる「カフェイン」は、「エストロゲン」という卵胞ホルモンの分泌を促進する作用があるとする研究結果もあるようです。体内でエストロゲンが多く分泌されると、血行が改善され、肌の調子が良くなります。その結果、肌にハリやツヤが生まれ、化粧が良くのり、またむくみも軽減されるため、ダイエット効果にもつながります。

このように、エストロゲン自体は悪いホルモンではありませんが、
生理の約2週間前である「黄体期」に分泌される、「プロゲステロン」というホルモンを過剰に分泌させてしまう可能性があるため、生理中のエストロゲンの増加作用が体に良くないとされています。

プロゲステロンが分泌されると、交感神経が優位になり、感情の起伏が激しくなることがあります。また、皮脂の分泌が増加し肌荒れを引き起こしたり、脂肪が燃焼されにくくなるため体重が減りづらくなることもあります。このプロゲステロンが分泌されている期間に、生理前1~2週間にエストロゲンが増加すると、体は子宮を守ろうとして、プロゲステロンを過剰に分泌することになります

つまり、生理前1~2週間という期間はカフェインの摂取に注意が必要ということです。

さらに、コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があり、鉄分の吸収に必要なビタミンCなどのミネラル成分が尿として体外に排出されてしまうため、鉄の吸収を妨げることがあります。また、コーヒーや紅茶に含まれるタンニンも、鉄分の吸収を妨げる効果があるとされています。

ただし、カフェインにはストレスを軽減する効果もあり、生理中の無気力感や腹痛に対しても効果がありますので、生理中の辛い時期には少量のコーヒーを飲むことは問題ありません。

アルコール

生理中は、経血によって体内の血液が減少しているため、アルコールの分解に普段よりも時間がかかるため、アルコールの過剰摂取は避けることが賢明です。

また、アルコールは肝臓に負担をかけることにもなります。生理期間中は、子宮周辺に血液が集中し、肝臓に向かう血液量が普段よりも少なくなります。
そのため、生理中は肝臓にかかる負担が増加しやすく、アルコールは控えるべきです。

生理中におすすめの食べ物

生姜

生理期間中は、体を温めて血流を良くすることが非常に重要です。

生姜には、「ジンゲロール」という辛味成分が含まれており、温めたり乾燥させたりすることで「ショウガオール」という成分に変化します。
このショウガオールは、血行促進効果があるため、生理期間中にスープや温かい飲み物に生姜を加えて摂取すると良いでしょう。

ココア

ココアには「カカオポリフェノール」という成分が含まれ、血管を拡張する作用があるため、体を温めてくれる効果が期待できます。また、生理によって失われやすい鉄分も含まれているため、貧血予防にも効果的です。
ココアにはカフェインも含まれていますが、コーヒーや紅茶と比べるとその含有量は少ないため、あまり気にしなくても大丈夫です。ただし、糖分が多く含まれているため、飲みすぎには注意が必要です。

カカオポリフェノールはココアだけでなく、チョコレートにも豊富に含まれていますが、ミルクチョコレートには砂糖や脂肪分が多く含まれているため、チョコレートでポリフェノールを摂取する場合は「高カカオチョコレート」を選ぶと良いでしょう。

鉄分

言うまでもなく、「鉄分」は生理中に不足しがちな栄養素ですので、しっかりと摂取することが大変重要です。

鉄分には、主に動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。これらの違いは体内への吸収率にあり、食品に含まれる栄養素が100%とした場合、ヘム鉄は約10~20%、非ヘム鉄は2~5%程度しか体内に吸収されません。このように、鉄分は体内に吸収されにくい栄養素であることがわかります。

生理中に不足する鉄分は、1日に約2㎎であると言われています。

品名食品100g中に含まれる鉄分量
あさり20㎎
しじみ15㎎
豚レバー13㎎
鶏レバー9㎎
卵黄6㎎
ほうれん草2㎎
参照:食品成分ランキング (mext.go.jp)

こちらは、身近にある食品の中で鉄分が豊富だとされているものをリストアップしたものですが、意外にも鉄分の含有量は少ないことがわかります。

例えば、含有量が高いあさりですが、あさりに含まれる鉄は非ヘム鉄であるため、水煮缶1缶分を食べても約1㎎程度しか体内に吸収されません

これを考えると、1日に2㎎の鉄分を摂取するのは結構大変ですよね。

そのため、鉄分の吸収率を上げるために、ビタミンCやクエン酸など、鉄分の吸収を助ける食品を一緒に摂取することが効果的です。ほうれん草などの野菜は、鉄分と一緒にビタミンCも豊富に含まれているため、鉄分の含有量は少ないですが、体内への吸収率が高いのでおすすめです。

また、市販の鉄分サプリを利用して不足分を補うのも一つの手です。市販の鉄分サプリには、吸収率の高いヘム鉄を配合した商品も多くあるため、食材からの摂取が難しい方には非常におすすめです。

ただし、鉄分の過剰摂取は、女性ホルモンのバランスを崩す原因になったり、嘔吐や下痢、頭痛などの症状を引き起こす可能性があるため、鉄分サプリの使用は用法・用量を守って行うことが大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

生理中は食事に気をつけて、できる限り穏やかに過ごしたいものです。

「仕事が忙しくて、食事に気を使っている余裕がない!」という頑張り屋のあなたには、ぜひ鉄分サプリも上手に活用していただきたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました