買ってはいけない！食中毒の危険のあるお刺身3選

あなたはお刺身を好んで食べますか？

毎日肉料理ばかりでは飽きがきてしまうし、さっぱりとしたものが食べたくなることがありますよね！

そんな時、スーパーで手に入るお刺身を楽しむ方も多いのではないでしょうか。

日本には魚を生で食べる文化が根付いており、市販のお刺身も安全だと考える方が多いと思いますが、実際にはお刺身が原因の食中毒が非常に多く発生していることを知っていますか？

今回は、お刺身が原因で発生する食中毒について詳しく解説し、特に市販のお刺身の中で食中毒のリスクが高いものを3種類ご紹介したいと思います。

食中毒の件数

下記の表は、令和4年（2022年10月7日現在）の食中毒統計資料から集計されたデータです。

参考：食中毒 – 統計資料, 厚生労働省 (mhlw.go.jp)

この表から分かるように、全国で報告されている食中毒の件数は467件あり、その中の半数以上が「寄生虫-アニサキス」による食中毒となっています。

では、この「寄生虫-アニサキス」とは一体どのような生物なのでしょうか。

アニサキスとは？

アニサキスは寄生虫の一種で、その幼虫は約2～3センチメートルほどの白い糸のような形状をしています。

アニサキスは、サバやアジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカなどの魚介類の主に内臓の表面に寄生しています。魚が生きている間は内臓付近に留まっていますが、死後しばらく経つと筋肉の方に移動することが知られています。つまり、内臓を取り除いただけでは、可食部にもアニサキスが付着している可能性があるということになります。

万が一、アニサキスを誤って食べてしまうと、食後数時間から十数時間の間に、みぞおちの激しい痛みや嘔吐を引き起こす「急性胃アニサキス症」という食中毒を発症することになります。

さらに、アニサキスが腸にまで到達すると、食後十数時間から数日後に、激しい下腹部痛や腹膜炎の症状を引き起こす「急性腸アニサキス症」</strongが発症することもあります。

食中毒になった場合には、嘔吐や下痢による脱水症状を防ぐために、十分な水分を摂取し、安静に過ごすことが大切です。もしも水分が摂取できないほど症状が重くなった場合には、すぐに病院での診察を受けることが重要です。食中毒が治癒するまでには個人差がありますが、通常は数日から二週間程度かかることが多いようです。

買ってはいけない？食中毒の危険のあるお刺身

ここで、先ほどの食中毒統計資料に基づいて、アニサキスが原因の食中毒に関する食品の中で、どれが多く報告されているのかを見てみましょう。

参考：食中毒 – 統計資料, 厚生労働省 (mhlw.go.jp)

この表を見て明らかなように、特にサバ、イワシ、アジの件数が目立っていますので、購入する際には注意が必要です。

え？しめ鯖も食中毒になるの？と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。しめ鯖は酢でしめるため、酢の殺菌効果で細菌が死滅すると思いがちですが、アニサキスは酢では死なないのです。また、居酒屋などで提供される「炙りしめ鯖」は、バーナーで焼いているため安全そうに見えますが、実際には皮の表面に焼き目をつけているだけで、アニサキスを完全に死滅させることはできません。

ただし、アニサキスは寒さに弱い性質があるため、マイナス20℃で24時間以上の凍結を行うことで死滅させることが可能です。そのため、冷凍で仕入れたサバを使用してしめ鯖を作る場合には、安全性が確保されていると言えるでしょう。

また、サバと同様に、「なめろう」や「たたき」などで生食する機会の多いアジやイワシについても、十分な注意が必要です。

食中毒の対策

アニサキスによる食中毒を防ぐためには、加熱調理が最も効果的ですが、お刺身として楽しむ場合には、マイナス20℃で24時間以上、中心部まで完全に凍結することが必要です。これによりアニサキスは死滅します。

通常の料理で使用する程度の少量のワサビや醤油、酢などではアニサキスを殺すことはできません。

また、魚介類を生で食べる際には、新鮮なものを選び、早めに内臓を取り除き、4℃以下の低温で保存することが食中毒予防に繋がります。

新鮮な魚介類の選び方としては、「ドリップが出ていないか」や「変色していないか」という点に注意することが重要です。

鮮度が落ちた魚や肉からは、赤い液体が出てくることがありますが、これを「ドリップ」と呼び、食材のタンパク質や旨みが水分と共に流れ出ていることを示しており、風味が低下している証拠です。

また、食品は空気に触れることで酸化し、鮮度が低下しますので、変色している部分は酸化が進んでおり、鮮度が悪くなっています。手間をかけたくない方は、お刺身を購入するのではなく、切身を買って自分でカットする方がより新鮮な状態で楽しむことができるでしょう。

もしお刺身を購入してから二日以上経過してしまった場合には、必ず加熱調理をしてから食べるようにしましょう。バターで焼くソテーにするのも良いですし、衣をつけて揚げると意外と美味しく食べることができるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか？

美味しい食事を楽しむはずが、食中毒にかかることになるなんて本当に恐ろしいことです。
皆さんがお刺身を購入する際には、ぜひ鮮度を確認してから選ぶように心掛けてください。