あなたは、日常的な掃除にどれくらいの時間を費やしているでしょうか?
最近では100円ショップや様々な小売店で、さまざまな洗剤や除菌製品が手に入ります。
その中でも特に目を引くのが、重曹やセスキ炭酸水と並んで置かれている「アルカリ電解水」です。
あなたのご家庭にもこの商品はあるかもしれませんね。私の家でも、アルカリ電解水は常にストックしている洗剤の一つです。

この記事を読むことで、アルカリ電解水の効果的な使い方について理解が深まります。
正しい使用方法をしっかりと学び、日常の掃除に役立てていただければと思います。
今回は、「アルカリ電解水」について詳しくご紹介します。
アルカリ電解水とは
アルカリ電解水とは、水を電気分解することで生成されるアルカリ性電解水と酸性電解水の一種です。
特にアルカリ電解水の魅力は、その高い洗浄力と除菌力にあります。
アルカリ電解水は非常に親水性が高く、酸性の汚れに対して吸着し、分解することで汚れを効果的に取り除きます。
さらに、汚れを落とす際に界面活性剤を一切含まないため、使用後に洗剤成分が残ることがなく、二度拭きが不要という点でも非常に便利です。
この水は水と塩から作られるため、安全性が非常に高く、安心して使用できるのも大きな特徴です。
アルカリ電解水を手元に常備しておくことで、様々な汚れに柔軟に対応できます。
お掃除用として、スーパーやドラッグストア、100円ショップなどで数多く販売されています。

重曹、セスキとの違い
重曹やセスキ炭酸ソーダも、アルカリ電解水と同じくアルカリ性ですが、それぞれ特長が異なります。これらの特性を理解し、上手に使い分けていきましょう。
重曹 pH8.5程度
弱いアルカリ性を持ちます。
水に溶けにくく、研磨作用があるため、クレンザーとしての使用に適しています。重曹を水に溶かしてスプレーとして利用する際は、その溶けにくさによりスプレーの目詰まりが起こったり、拭き上げが不十分な場合に白い跡が残ることがあります。
セスキ(セスキ炭酸ソーダ) pH9.8程度
重曹よりもアルカリ性が強く、汚れを落とす力が向上します。
セスキは重曹よりも水に溶けやすいですが、研磨作用はないため、重曹のような研磨剤としては使用できません。
ただし、重曹よりも油成分やたんぱく質に対する洗浄力が高いため、レンジ周りの油汚れや衣類に付いた血液の除去にも適しています。
市販のアルカリ電解水 pH11~12程度
重曹やセスキと比較して、最もアルカリ性の度合いが高いです。
pH値が高ければ高いほどアルカリ性が強く、洗浄力も強化されるため、3つの中でアルカリ電解水が最も効果的に汚れを取り除くことができます。
除菌に利用できるアルカリ性の範囲はpH12〜13以上であり、アルカリ電解水は除菌にも適しています。
水素イオン濃度指数(pH)とは、水溶液中に存在する水素イオン(H+)の濃度を示す数値であり、水溶液の酸性やアルカリ性の強さを示す尺度として広く用いられています。
引用元:横浜市ホームページより引用
アルカリ電解水のメリット、デメリット
メリット
アルカリ電解水には、以下のようなメリットがあります。
- 基本的に水と塩のみで構成されており、界面活性剤は含まれていません。
- 非常に安全性が高く、人間や環境にも優しい。洗浄成分が残らないため、二度拭きが不要です。
- 酸性の汚れに対して効果があり、除菌も可能(pH12.5以上の場合)です。
- 匂いの原因を取り除くことが重要ですが、消臭効果によって不快な匂いも軽減できます。
- 利用できる場所や対象となる汚れが幅広いです。
- 忙しい日々を送る方の掃除時に役立ち、時短効果があります。
デメリット
ただし、アルカリ電解水には使用できない素材も存在します。
- 水で洗えないもの。
- ニス塗りや表面加工された木製家具や無垢材など
- 動物性素材、絹製品、皮革製品
- アルミニウム製品
また、液晶画面のあるテレビやカーナビなども避けた方が良いでしょう。
加えて、漆器や宝石類、眼鏡、自動車の塗装部分、ガラスコーティングされた素材に対しても使用は控えるべきです。
安全性はどうなの?
水と塩から生成されるため、安全性が高く、赤ちゃんが使う哺乳瓶や誤って口に入れてしまうおもちゃなどにも安心して使用できます。
ただし、「安全」とはいっても洗剤の一種であるため、誤った使い方をすれば害が及ぶ可能性があります。
肌が敏感な方やアルカリ電解水に長時間触れると、肌荒れを引き起こすことがあります。
アルカリ電解水で濡れた手で目に触れないよう注意が必要です。
万が一、目に入ってしまった場合は、すぐに水道水で目を洗い流し、必要に応じて医師に相談してください。
目の高さよりも上で使用する際には、スプレーを直接噴射せず、布などに染み込ませて使用するようにしましょう。また、使用前にはスプレーの噴射方向に人がいないかを必ず確認してください。
使用例
フローリング
フローリングは、ホコリや皮脂汚れ、食べかす、キッチン周りの油の飛散など、意外と汚れが溜まりやすい場所です。
タオルにアルカリ電解水をスプレーして、汚れを拭き取るだけで簡単に掃除ができます。
洗浄成分が残らないため、二度拭きや水拭きは一切不要です。
ただし、フローリングの仕上げがウレタン塗装、自然塗装、無塗装など異なるため、メンテナンス方法はそれぞれ異なることを忘れずに、必ず取扱説明書で確認してください。
机・テーブル
机やテーブルに付く手あかや食べこぼし、ホコリなどの汚れには、アルカリ電解水を適量スプレーし、クロスでサッと拭き取るだけで簡単にきれいになります。
二度拭きが不要なため、毎日使う場所だからこそ手間がかからないのが嬉しいポイントです。

油汚れ
ガスコンロやIHクッキングヒーターに付着した油汚れを取り除くには、アルカリ電解水をスプレーして拭き取ります。
ガスコンロやIHが温かい状態だと油汚れも落ちやすくなるため、注意が必要です。やけどには十分注意してください。
五徳などの頑固な油汚れが付いた部品は、アルカリ電解水を入れた袋に40〜50℃のお湯を加えて、しばらく浸け置きしておきます。浸け置き後は、スポンジなどを使って汚れを落とします。
換気扇フィルター
換気扇フィルターにはキッチンペーパーを被せ、その上から均等にアルカリ電解水を吹きかけます。
その後、約10分間放置します。
キッチンペーパーを外し、浮き上がった油汚れを拭き取った後、ブラシで汚れをこすり落とします。最後に汚れをきれいに洗い流し、から拭きして完了です。
車
車のシート(ただし、本革シートには使用できません)やチャイルドシートの食べかすなどの拭き掃除に役立ちます。車のシートにアルカリ電解水を直接スプレーし、クロスでサッと拭き取るだけで簡単に掃除が完了します。
ハンドルやダッシュボード、ドア部分などにも使用可能です。
ただし、タイヤ、アルミホイール、車の塗装部分、ガラス、ミラー部分にアルカリ電解水を使用するのは避けましょう。つまり、車の外側への使用は基本的にNGとなります。
カーペットの汚れを落とす際に一般的な洗剤を使うと、残った泡を取り除くために何度もすすぎが必要になりますが、泡立ちしないアルカリ電解水を使用すれば、直接スプレーして乾いたタオルで拭き取るだけで済みます。その後は自然乾燥を待つだけでOKです。
その他にも、電子レンジ内部の油汚れ落としやトイレ清掃、リモコンなどの手あか除去など、さまざまな場所に手軽に使えます。
カビに効果あるのか?
アルカリ電解水には、カビ菌を死滅させたり抑制したりする効果はありません。
カビの除去には、塩素系の洗剤が効果的です。
ただし、アルカリ電解水の洗浄力は、カビの栄養源となる油脂やタンパク質の汚れを取り除くことで、カビの予防には寄与すると言えるでしょう。
正しい使い方
スプレータイプの場合
汚れた場所にアルカリ電解水を直接噴霧し、クロスやキッチンタオルで拭き取ります。
布等に染みこませて使う場合
アルカリ電解水の液だれによる破損や汚れが予想される部分や電化製品などに直接噴霧できない場合、キッチンペーパーや布にアルカリ電解水をスプレーして汚れを拭き取る方法が有効です。
また、あらかじめアルカリ電解水を含ませたシートタイプの製品もダイソーなどで購入可能で、非常に便利です。
保管するときの注意
アルカリ電解水は直射日光を避け、常温で保存することが重要です。
電気分解によって生成されたアルカリ電解水は、時間が経つにつれて元の水の状態に戻ろうとする性質があります。したがって、開封後はできるだけ早く使用し切るよう心掛けてください。
事故や誤噴射を防ぐために、子どもなどが簡単に触れられない場所に保管することをお勧めします。
まとめ
アルカリ電解水の魅力について、少しでも理解を深めていただけたでしょうか。
手軽に汚れを落とせることが、この商品の大きな魅力の一つです。
ただし、アルカリ電解水はアルカリ性の高い洗剤であるため、誤った使い方をすると、素材を傷めたり、目や肌にトラブルを引き起こす可能性もあります。
正しい使用方法を守り、安全性を確保することで、アルカリ電解水は非常に優れた洗剤となり、日常の掃除をより楽にしてくれることでしょう。
まだこの製品を試したことがない方は、ぜひ一度お試しください。

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