久しぶりに、友人との楽しいランチの予定が入った。
手帳には「11:00 駅前のカフェで待ち合わせ」と書き込んで、心が弾むのを感じていた。
しかし、その後に「やっぱり11:30にしてくれない?」という連絡が入ってきた。
手帳に書いたばかりの文字を修正したい気持ちがあったけれど、ボールペンで記入してしまったため消すことができず、どうしようかと悩んでしまった。
このような経験、皆さんも一度はしたことがあるのではないでしょうか。
通常のボールペンは、鉛筆のように消しゴムで消すことができないため、非常に不便です。
そんな時に非常に役立つのが、「フリクションボールペン」と呼ばれるアイテムです。
「フリクションボールペン」は、何度でも書いたり消したりできる、まるで魔法のようなボールペンです。
とはいえ、この便利な筆記具にも、使用するシチュエーションによって得意な面と不得意な面が存在するのです。
使い方を理解し、マスターすることで、これほどまでに便利な商品は他にはなかなかありません。
そこで、今回はフリクションボールペンの特性をしっかり把握し、効果的に活用するための方法を考えていきましょう!

フリクションボールとは?
フリクションボール(FRIXION BALL)は、株式会社パイロットコーポレーション(以下、パイロット)が販売している、書いた文字が消せるボールペンのことです。
この商品は、約30年の歳月をかけて開発された特殊なインクによって実現したものです。
「しっかりと書けて、きれいに消える」というコンセプトのもとに作られた、画期的なボールペンです。
実際に文字を記入してみると、発色が非常に良く、ペンの上部にある専用のラバーでこすると、インクがきれいに消えていく様子に驚かされるでしょう。
初めてこのボールペンを使った時、「ボールペンなのに、書いたものが消せるなんて!」と感動したことを今でも鮮明に覚えています。
さらに、消しカスが出ないため、ゴミを捨てる必要がなく、机の上をきれいに保つことができる点も、多くの人に愛される理由となっています。
このため、今では世界中で累計販売本数30億本を超える大ヒット商品となっているのです。
開発秘話
「こんなに素晴らしいインクをどうやって開発したのだろう」と興味を持ち、その背後にある歴史について詳しく調べてみました。
パイロットのある研究者が、一夜にして色が変わる紅葉を見て、「この魔法のような変化をビーカーの中でも再現したい」と強く思ったそうです。

何度もトライ&エラーを繰り返し、ようやく2005年に
ついに「フリクションインキ」が誕生しました。
世の中に存在しないものを創り出すことが、どれほどの挑戦であったかを考えると、感謝の気持ちと敬意を感じずにはいられません。
ただし、この「フリクションインキ」には、その特性によって不向きな側面もあるのです。
不向きな使い方
摩擦熱を利用して消える「フリクションインキ」には、65℃で色が消え、-20℃で復色するという特性があります。
このため、温度が低くなると文字が復活してしまうことがあるのです。
例えば、冷凍庫にしばらく入れておくと、消したはずの文字が再び現れることがあります。
逆に、直射日光が当たるような高温の場所や、真夏の車内などでは、書いたはずの文字が消えてしまうこともあります。
熱で印字する感熱紙などでは、文字が消えてしまうため、これもまた不向きです。
つまり、温度による変化を受けるため、消えてしまっては困る重要な書類や宛名書きなどには使用することができないのです。
宛名を書く際にこのボールペンを使うと、送り先の住所を読み取る機械の熱によって文字が消えてしまうことがあるため、注意が必要です。
また、使用する紙の種類によっては、こすることで用紙が傷んでしまう場合もあります。
このような状況を避けられれば、書いて消せるという特性を最大限に活かして、大変便利に使うことができます。
アイディアを自由に書き出し、思考を練る際にも非常に役立つアイテムです。
様々な商品ラインナップ
フリクションには、多種多様な商品が展開されているため、特におすすめの商品をご紹介します。
フリクションボールノック
発売当初は「キャップ式」の商品が多かったのですが、現在では「ノック式」の商品が主流となっています。
このノック式の方が使い勝手が良いため、筆者も常に「ノック式」のものを愛用しています。
数独の問題を解いたり、クロスワードパズルをする際にも非常に活躍してくれます。
何度も書いたり消したりできるので、間違えても心配はいりません。
発色も非常に鮮やかで、シャープペンシルで記入するよりも見やすいのが特徴です。

フリクションポイントノック
「フリクションポイントノック」は、色合いが鮮やかで美しいのが特長の製品です。
書き心地も非常にスムーズで、非常に書きやすいと評判です。
芯が0.4mmと細いので、ノートをまとめる際や手帳に記入する時など、細かく書き込むことが可能です。
色のバリエーションも豊富なため、”重要なものはピンク、参考用のものは水色”などと使い分けることができるのも魅力です。
高級感のあるステンレス製のデザインと、「カラフルでおしゃれな色合いが可愛い!」と特に女性から人気を集めています。

フリクションライト
さらに、ボールペンだけでなく、「ラインマーカー」も展開されています。
勢いよくマーカーを引いてしまい、枠からはみ出てしまった経験はありませんか。
そんな時に非常に役に立つのが、この消せるマーカーです。
上部にあるラバーでこすると、引きすぎた線を簡単に消去することができます。
◇注意点◇
インクが乾く前にこすってしまうと、にじんでしまうことがあるため、必ず完全に乾いてから消すようにしましょう。

まとめ
「フリクションインキ」の特性について、少しでも理解していただけたでしょうか。
書き消しができるという便利な面がある一方で、消えてしまうが故に使えない場所も存在することを知っていただけたかと思います。
重要な書類や宛名を書くときには特に注意が必要です。
用途に応じた使い方をしっかり学び、便利な商品をどんどん活用していきたいですね。
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